日本人の I はいくつ? 私は三つの I を持っています。というか、その場の状況によって三つを使い分けています。
普通は (watashi) を使います。これが最も標準的でどんな場合にも使えます。
ほんとを言うと、たいていの場合、 (ore) を使っています。この I は、普段の生活で使うもので、オフィシャルな場所とか、目上の人に対しては決して使いません。ときどきですが、 (boku) を使います。これは本来は従僕、つまり召使いという意味ですが、対等の相手の場合にも使います。 I に相当する言葉は、方言も入れれば、おそらく百以上あるのではないでしょうか。ここに、いろんな I の表を作ってみました。
関西以西で広く使われる方言で、主として女性が、あたし、の代わりに使います。この I は親しい印象を与えます。"uchi"のもともとの意味は内だと思います。それが自分に内に属するもの、あるいは自分が属するものと言った意味、代表的には家庭とか家も意味するようになったようです。そして私・自分もこの家に属するものという意味で「うち」なのでしょう。
たまに
使う
漢字が
ない
wate (ate)
わたし
関西地域の方言です。この言葉の奇妙なところは、京都の人が使うと上品に聞こえて、ほかの大阪などの人が使うと下品に聞こえることです。舞妓さん(最高級の芸者さんだろうと思います。)の標準の I です。
使う
使う
漢字が
ない
wai
わたし
関西地域のちょっと下品な表現です。奇妙なことに、この言葉は you としても使われ、どちらの意味かは、状況で判断しなければなりません。わいがわいばわいがわいがゆうがわい。わいもわいばわいがわいがゆうがわい。(お前が自分のことをわいが、わいがというから、俺もお前のことをわいが、わいがというんだわい。)
使う
まれに
temae (teme-e)
手の前
古い言葉で商人とか職人がつかっていました。この言葉も I (あなたの前にいるやつ) と you (わたしの前にいるやつ)の両方に使われます。 "temee" は、乱暴なバリエーションです。