佐藤渡辺のホームページを見に人に、舗装の話ばかりでは退屈だろうと、日本の祭りとか、外国の人に興味のありそうなことを紹介していたのですが、研究所のさる女性から何が書いてあるのか見たいとの仰せがあり、美女の言うことには一も二もない私は、逆に和訳することになりました。外国のひとにこんな感じで紹介しているのだな、と見てください。 | |
ROMA JI (アルファベットでの日本語の書き方) 最近、ベルリンのノラさんから日本語の表記の間違いの指摘がありました。彼女は自分のホームページ・Japanisch-Netzのために、当サイトのHow many I's do you have?と、How many You's are you?を翻訳していて見つけたものです。彼女の指摘はこうです。貴方は貴公を "kikoh"と書いていますが、私は "h"が単独で使われるような表記法は知りません。Hepburn-shikiでは, "kikou"と書くのだと思います。 私の答えはこうです。 > その理由は、"kikou"の中の "u"は "u"と発音されるのでなくて、 "o"の続きとして発音されるからです。日本語には長い母音がたくさんありますが、これまで、長い母音は "母音+"u"と書かれてきました。私のやり方は、この代わりに "母音+"h"とするものです。 さて、彼女の返事はこうです。 そんな風に書く理由はわかりました。だけど、日本語を話さない人々、特に学んでいる人々にとっては、最良とは言えないと思います。たしかに、ある言葉がどのように話されるかを知るのには良いけれど、その言葉をどのように書くのか、例えば、ひらがなで、どう書くかを知ることは出来なくなります。 日本語を学ぶ人たちは、たいてい、hepburn-shikiと実際の話され方との違いを知っています。ですから、ヘボン式で書くのが一番いいと思います。でも、貴方のやり方は、日本語を学んでなくて、ただ、どう話されているかを知るのにはいいのも確かですけど。 これより以前のことですが、ある人から誤りの指摘がありました。これについては日本の文字のページに記しています。 アルファベットを使って日本語を書く方法については、百年以上の議論が日本の中でもあります。一番、広く使われているのが1867年にアメリカの医者で牧師だったJames C. Hepburnという人が編み出したHepburn-system (ex. ta chi tsu te to) です。これより以前は、1500年代には、ポルトガル式 (ex. ta chi tcu te to) が、1720年代にはオランダ式 (ex. ta ti toe te to) が、1800年代には, ドイツ式 (ex. ta tsi tsu te to) と、フランス式 (ex. ta tsi tsou te to) がありました。 * ローマ字の歴史から。 いずれにしてもアルファベットの発音は国によって違います。ある日本人が日本式というのを編み出して (ex. ta ti tu te to)、ことは、さらに混乱することになりました。この方式は簡単で学びやすいのです。その結果、日本政府が日本式として制定したのです。実際、小学校では、この日本式が教えられています。"Nippon-no-Rômazi-Sya (NRS)" (大変、読みづらく、外国の人には奇異に見えると思います。) という日本式のローマ字を日本の文字に代えて使うことを推進している財団があります。しかし、生徒たちが公の場で見るのは Hepburn-system式 (日本では ヘボン式と呼びます。*1.) です。そして、近頃では、日本語によくある長母音について別の不規則性が出現しています。ヘボン式でも日本式でも、長母音は、例えば、"o"は ô (Netscape )というように、頭に棒みたいなのをくっつけて表します。日本語では、長母音は母音の文字の後に"う"・"u"をつけて表します。これには例外があり、書いてあるとおりに発音しなければならないことがあります。 もう一つの不規則性は、長母音を"長母音+h"で表すものです。この不規則な方式はスポーツ選手のネームタグによく見られます。ふだん呼ばれているように呼ばれるためには、この"長母音+h"が一番、適していることを発見したのです。その結果、この不規則な方式がテレビなどで頻繁に見られるようになり、広がってきつつあります。 私はヘボン式と、この新しい不規則なシステムを好んで、ちゃんぽんにしたスタイルを使っています。最近発見しましたが、パスポートは基本はヘボン式で OH に限って使用していいことになっているようです。 第二次世界大戦の後、アメリカが日本を占領したとき、ヘボン式をISOの標準とする試みがありました。その議論はその後も40年以上も続いているらしいです。仮に標準が定まったとすれば、多分、実際に使われているものとはかけ離れたものになるだろうと思います。なぜなら、NRSが日本の指導的立場にあるからです。 ところで、日本人がどうやってコンピュータのキーボードから日本の文字や漢字を入力しているか知っていますか? 二つのやり方があります。一つは直接、ひらがなとかカタカナをキー入力するものです。キーボードには48以上のキーがありますが、各アルファベットと特殊記号にカタカナとかが割り付けられています。私はこちらを使っています。一応、ブラインド入力です。英語の入力のときは頭を切り換えます。両刀使いということになります。もう一つはローマ字で入力するものです。コンピュータのソフトはヘボン式も日本式も許しますし、規則はずれの例えば "la,li,lu,le,lo" も "ra,ri,ru,re""ro"と同様に扱います。実際、日本人の "r" の発音は "l"に近いのです。普通、日本人は "R" の発音と "L" の発音を区別できません。 では、どうしてHepburnは"R"を"ら行"に用いたのでしょうか? ネットでサーチしてみると、驚いたことに、日本人の中に自分は、"L"の発音ができないと思っている人と、"R"の発音ができないと思っている人がいることが分かりました。"R"が発音できないという人の方が多いようで、ローマ字の"ら行"は、la,li,lu,le,loにするべきだとまで言っています。あるネイティブの人によると、日本人は"R"と発音する人と、"L"を発音する人、その中間の人もいるということなのです。いずれにしても、日本人には聞き分けができないのですけど。かくて日本人の散文の1はルーズベルトを Loosebeltと書くのではないでしょうか? 私もやったことがあります。クリントンさんは loosebelt、つまり、”ゆるふん”で女性にだらしがなかったのですが。ルーズベルトの正しい綴りは Rooseveltです。これはドイツ語の Rosefeld から来ているのでしょう。薔薇野ということになります。話題を本題に戻してHepburnはなぜ、"R"を使ったかですが、たまたま、彼が付き合った日本人に巻き舌が多かったのでしょう。江戸っ子は巻き舌ということになっています。彼は医療と伝道を目的として1959年に横浜にやってきたのですが、東京との往来も多かったのでしよう。Wikipediaで彼が明治学院の創始者と知りました。 後者のやり方での入力をお見せしましょう。 最初に "s" を入力すると となります。次に "a"を入力するとコンピュータは自動的に のように変換します。 このようにして入力して になります。それからスペースを打つと のように変換されます。この場合は変換の動作は私が考えたとおりでした。下に直訳をつけましたが、読みにくいと思います。 "cherry blossom bloomed"と書いたのです。日本語の7文字を表すのに20文字を要しています。普通はこんな感じです。 変換がうまくないときは、もう一度スペースを押します。すると右の画面のようなダイアログが出ます。そうしたら、候補の中から一つを選ぶわけです。最後に "return" キーを押すと文が確定します。 | | |
*1 Hepburnの名前を最初に聞いた人がヘボンと聞いたのです。オードリー・ヘップバーンと同じ綴りなんですけど。Hepburnはヘボンと呼ばれて別に気にしなかったようで、自ら「平文」と名乗っています。外来語には、よくこういう形で日本語になるのがあります。ある日本人がレンガの山にかぶせてあるブリキ板、ただしくは tin plateですが、これを見て、アメリカ人に「これは何ですか?」と聞きました。こたえは「これは brickです。」でした。日本人は tinplate を "BURIKI" として聞き取りました。 "BURIKI" は今でもtinplate を意味します。ほかにも、こうして出来た言葉があります。 06/Mar/04 RとLの発音について検索エンジンからこのページに来た人がいて、同時に検索された記事を見ていたら”Robot Lounge - Korean Kid Tongue Cutting”という掲示板の記事が見えました。エーッ、韓国人は教育熱心だとは知っているけど、そこまでやるの?と、行ってみるとロサンゼルスタイムズの記事に出ていたということで、これを話題にしたものです。記事へのリンクもあったのですがリンク切れになっていました。しかし、議論の続きを見ると、確かにそういう記事があって映像も見た人がいるようです。では日本でも紹介されているかな?と「韓国 RとL 舌 切」で検索したら出てきました。朝鮮日報で紹介されていました。そこまでやるか?とまだ半信半疑ですけど。最初の英語の記事では、どうもジョークのようでしたが回答に「私は小さい時にその手術を受けたけど、それで英語が上手になったかというとそうでもない」と出ていました。最初の質問者は「韓国人はキッスをするのが上手なのかな?」というのもあったのですが、この回答者は「いつか会ったら真っ先に教えてあげるわ」とありました。 ローマ字の表です。 (基本的なものだけです。) hiragana | Hepburn system | Japanese system | hiragana | Hepburn system | Japanese system | hiragana | Hepburn system | Japanese system | hiragana | Hepburn system | Japanese system | hiragana | Hepburn system | Japanese system | | a | a | | sa | sa | | na | na | | ma | ma | | ra | ra | i | i | shi | si | ni | ni | mi | mi | ri | ri | u | u | su | su | nu | nu | mu | mu | ru | ru | e | e | se | se | ne | ne | me | me | re | re | o | o | so | so | no | no | mo | mo | ro | ro | ka | ka | ta | ta | ha | ha | ya | ya | wa | wa | ki | ki | chi | ti | hi | hi | | | wi*2 | wi*2 | ku | ku | tsu | tu | fu | hu | yu | yu | n | n | ke | ke | te | te | he | he | | | we*2 | we*2 | ko | ko | to | to | ho | ho | yo | yo | wo*4 | wo*3 | |
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