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Rajib B. Mallick
Senior Research Associate
National Center for Asphalt Technology
Auburn University, Alabama
Shane Buchanan
Senior Research Associate
National Center for Asphalt Technology
Auburn University, Alabama
E. Ray Brown
Director
National Center for Asphalt Technology
Auburn University, Alabama
and
Mike Huner
Civil Engineering Manager
National Center for Asphalt Technology
Auburn University, Alabama
January 1998
本報告の内容はここに提示したデータの正確さおよび事実について責任を有する著者者の見解を反映するものであり、必ずしも公式見解あるいはNCATの方針を示すものではない。また、標準、規格、基準となるものでもない。
概要 本研究はSUPERPAVE設計法による禁止ゾーンが混合物の容積特性に与える影響について、骨材のすべてを砕石とした混合物と、一部、天然骨材を用いた混合物について評価したものである。
混合物の設計はジャイレトリーを用いて全ての骨材を花崗岩の砕石としたものと、もう1つは花崗岩の砕石と20%の天然砂を用いたものとの2つのタイプの骨材配合について行った。
それぞれのタイプの骨材配合について、禁止ゾーンの上方、下方を通るものと禁止ゾーンを通過するものと3種類の粒度を準備した。骨材の配合タイプが同じな場合、禁止ゾーンの上方およびした方を通る粒度のものは禁止ゾーンを通過する粒度のものよりも骨材間隙率(VMA)が大きくなった。砕石のみを用いた混合物は部分的に用いたものよりも骨材間隙率(VMA)が大きくなった。初期回転数・Ninitialにおける空隙率は、禁止ゾーンの下方を通る粒度のものが最も大きく、上方を通る粒度のものは最も小さかった。天然砂を混合したものはいずれも容積特性およびジャイレトリー特性に対する要求仕様のすべては満足しなかった。骨材のすべてを砕石としたものは、禁止ゾーンを通過する粒度、下方を通る粒度ともすべての要求仕様を満足した。異なるタイプあるいは形状の骨材についても、ジャイレトリー試験機で締め固めた供試体の容積特性に対する影響を調査すべきである。
SUPERPAVEの配合設計システムにおいては、任意の回転数における締め固められた供試体のかさ密度は、最大回転数・Nmaximumにおいて得られたかさ密度と補正係数によって逆算する方法をとっている。この方法は、すべての回転数について補正係数は一定であることを前提としている。本研究の一部は、加熱アスファルト混合物(HMA)の異なるレベルのジャイレトリーによる締め固めで得られた補正係数を比較し、回転数にともなう補正係数の変化を評価することに当てられた。玄武岩(traprock:basaltではないが深成岩の1種で玄武岩に近いと思われる。)の骨材を用いて代表的な密粒度および砕石マスチック(SMA)の混合物を最適アスファルト量で作成した。供試体は様々なジャイレトリー回転数まで締め固め、その時のかさ密度を求めた。また、その時の最大回転数・Nmaximumにおけるかさ密度から逆算したかさ密度も求めた。修正係数は回転数が多くなると減少し、一定値に近づくことがわかった。回転数が少ないときは密度は大回転数・Nmaximumでの密度から逆算したものよりも大きいことがわかった。表面が粗い混合物の方が逆算した空隙率と実際の空隙率との差が大きかった。設計アスファルト量を求めるためには設計回転数・Ndesignまで締め固めるべきである。
背景
アスファルト混合物(HMA)の容積の85%は骨材で占められている。HMA混合物の最も重要な特性の一つに粒度がある。通常は骨材の粒度配合の評価には0.45乗チャートが用いられる。適切な骨材粒度を得るために、SUPERPAVEでは0.45乗チャートのほかに2つの特性を持たせることとしている*1。それはコントロールポイントと禁止ゾーンである。コントロールポイントは粒度がその中を通らなければならない領域を規定するものであり、最大呼び径と中間径および0.075のフルイ目に設けられる。禁止ゾーンは最大密度線に沿って中間径と0.3 mmの間に設けられる。0.45乗チャートとコントロールポイントおよび禁止ゾーンの例を図-1に示す。SUPERPAVEでは、適切な骨材間隙率(VMA)でわだち掘れに対する抵抗性を減じる丸味のある砂の用いすぎないようにするために、粒度は禁止ゾーンの外を通るようにすべきとしている*1,*2,*3。この禁止ゾーンは細砂を過度に用いた場合によく見られる「こぶ」のある粒度に関する経験に基づいている。SUPERPAVEではまた、禁止ゾーンを冒す粒度は骨材のかみ合わせが悪くなり、混合物のせん断強度を過度にバインダのスティフネスに頼ることになるとしている。
図-1 粒度範囲および実際の粒度
第1部:加熱混合物における禁止ゾーンの評価
目的
第1部は骨材の粒度およびタイプが、ジャイレトリー試験機で締固めた供試体の容積特性およびジャイレトリー特性におよぼす影響を評価することを目的としている。
概要
HMAの挙動は骨材の粒度とタイプによって大きく左右される。本研究は骨材のタイプおよび粒度がジャイレトリーパラメータとしての空隙率に与える影響を評価するために行ったものであ。すべての骨材が花崗岩の砕石のものと、20 %の天然砂を混合したものを各3種類準備した。この3種類は (1) 禁止ゾーンの上方を通るもの、(2) 禁止ゾーンを通るもの、および (3) 禁止ゾーンの下方を通るもの、の3種類である。これらの粒度は表−1および図−1に示されている。粒度は禁止ゾーンの付近でのみ異なっている。これは禁止ゾーンの容積特性への影響をよりよく知るためである。花崗岩砕石および天然砂の物理特性は表−1に示されている。バインダには全混合物について同一のPG 64-22 グレードのものを用いた。 交通条件は等値換算通過軸数(ESAL)で3百万〜1千万軸とし、温度条件は39℃以下とした。この交通条件と温度条件によって初期回転数・Ninitial=8、設計回転数・Ndesign=96、および最大回転数・Nmaximum=152 が定まる。これらの異なる混合物について配合設計をジャイレトリー試験機で行い、容積特性としての空隙率とSUPERPAVEの設計パラメータ(初期回転数・Ninitial、設計回転数・Ndesign、最大回転数・Nmaximum)を比較した。
フルイ目(mm) | 通過重量百分率 | SUPERPAVE粒度規格 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
混合物粒度 | コントロールポイント | 禁止ゾーン | |||||
上方 | 通過 | 上方 | 最小 | 最大 | 最小 | 最大 | |
19.0 | 100 | 100 | 100 | ---- | 100.0 | ---- | ---- |
12.5 | 96 | 96 | 96 | 90.0 | 100.0 | ---- | ---- |
9.5 | 83 | 83 | 83 | ---- | ---- | ---- | ---- |
4.75 | 60 | 60 | 60 | ---- | ---- | ---- | ---- |
2.36 | 55 | 39 | 30 | 28.0 | 58.0 | 39.1 | 39.1 |
1.18 | 35 | 28 | 23 | ---- | ---- | 25.6 | 31.6 |
0.60 | 25 | 21 | 17 | ---- | ---- | 19.1 | 23.1 |
0.30 | 20 | 16 | 10 | ---- | ---- | 15.5 | 15.5 |
0.15 | 7 | 7 | 7 | ---- | ---- | ---- | ---- |
0.075 | 5.0 | 5.0 | 5.0 | 2.0 | 10.0 | ---- | ---- |
骨材特性 | 粗骨材 (花崗岩) | 細骨材 (花崗岩) | 天然砂 | 花崗岩 砂混合 | |||
かさ密度 | 2.688 | 2.712 | 2.618 | 2.693 | |||
破断面 (%) | 100 | ---- | ---- | ---- | |||
NAA空隙率(方法 A) | ---- | 49.4 | 43.0 | 47.9 | |||
*NAA空隙率:多分、角張りの試験法でそっと締め固めずに詰めたときの空隙率 (調査中) | |||||||
結果と考察
これら各種の混合物の最適アスファルト量と混合物の特性を表−2および図−2〜5に示す。表−2およぴ図−2から、砕石のみの混合物も一部天然砂を用いた混合物も禁止ゾーンの上方および下方を通過する粒度のものは似たような最適アスファルト量であり、禁止ゾーンを通過するものは最小の最適アスファルト量になっている。これは、禁止ゾーンを通過するものは粒度が最大密度ラインに最も近く、空隙を埋めるアスファルト量は少なくなるであろうことからも予想されることである。ある粒度については天然砂の入ったものがどの砕石のみのものよりも最適アスファルト量が少なかった。
混合物 種類 | 禁止 ゾーン | 混合物の設計特性: 初期回転数・Ninitial=8、設計回転数・Ndesign=96、 最大回転数・Nmaximum=152 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
最適 アスファルト 量(%) | VTM 空隙率 (%) | VMA 骨材間 隙率(%) | VMA≧14% の基準に 適合? | VFA 充填率 (%) | VFAは 65〜75% の基準 に適合? | Ninitial でのGmm 締固率 <89%? | Nmaximum でのGmm 締固率 <98%? | ||
砕石のみ | 上方 | 5.1 | 4.0 | 15.2 | YES | 73.7 | YES | NO | YES |
砕石のみ | 通過 | 4.7 | 4.0 | 14.4 | YES | 72.2 | YES | YES | YES |
砕石のみ | 下方 | 4.9 | 4.0 | 14.9 | YES | 73.2 | YES | YES | YES |
天然砂入 | 上方 | 4.6 | 4.0 | 14.0 | YES | 71.4 | YES | NO | YES |
天然砂入 | 通過 | 4.1 | 4.0 | 13.0 | NO | 69.2 | YES | NO | YES |
天然砂入 | 下方 | 4.5 | 4.0 | 13.9 | NO | 71.0 | YES | YES | YES |
砕石のみの混合物はすべて天然砂を含む混合物よりも最適アスファルト量が多かった。表−2および図−3から、最適アスファルト量において、天然砂を含む禁止ゾーン上方および下方の粒度の混合物を除いては骨材間隙率(VMA)が14%以上という基準を満たしている。天然砂を含み禁止ゾーン下方を通る混合物はわずかに骨材間隙率(VMA)の基準をはずれていた(骨材間隙率(VMA)=13.9)。しかしながら、評価したすべての混合物とも最大呼び径12.5 mmの混合物に対する充填率(VFA)の基準を満たしていた。図−3から、禁止ゾーンを通過する粒度ですべてを砕石を用いたものは、骨材間隙率(VMA)および充填率(VFA)の基準を満たしていることが目を引く。しかしながら、禁止ゾーンを通過し、天然砂を用いたものは骨材間隙率(VMA)の基準(骨材間隙率(VMA)=13.0)を満たさなかった。 図−4は各種混合物に対する初期回転数・Ninitial(理論最大密度(TMD)の89 %に相当)を、図−5は最大回転数・Nmaximum(理論最大密度(TMD)の98 %に相当)を示したものである。すべてを砕石としたものも、一部に天然砂を用いたものも、禁止ゾーン上方を通る粒度が初期回転数・Ninitialは最小であり、禁止ゾーン下方を通る粒度のものは初期回転数・Ninitialが最大であり、禁止ゾーンを通過するものはその中間であった。
図−2 最適アスファルト量と粒度
各粒度とも、天然砂を用いた混合物は他のすべての砕石のみの混合物と比べて初期回転数・Ninitialが小さかった。等値換算通過軸数(ESAL)3百万〜1千万台に対応する初期回転数・Ninitialの基準が8(密度:89 %)であることを考えると仕様を満足する混合物はわずかに3である。すなわちすべてーとて砕石を用い、禁止ゾーン上方を通るもの、禁止ゾーン下方を通るものおよび天然砂を一部用いた禁止ゾーン下方を通るものの3である。 図−5を見ると、禁止ゾーン下方を通る粒度のものは砕石のみのもの、天然砂入りのものとも、禁止ゾーン上方を通るものあるいは禁止ゾーンを通過するものよりもかなり最大回転数・Nmaximumが小さい。理論最大密度(TMD)に対する百分率をジャイレトリー回転数の対数に対してプロットすると、ほぼ直線になることがわかる。このプロットが直線であることから、初期回転数・Ninitialにおいて理論最大密度(TMD)に対する比率が最も小さいものが、最大回転数・Nmaximumにおいて理論最大密度(TMD)に対する比率が最も大きいことから予想できる。
図−3 骨材間隙率および充填率と粒度
各種の混合物の最大回転数・Nmaximumを比較してみると、予想通り、天然砂入りのものが最大回転数・Nmaximumにおいて最も理論最大密度(TMD)に対する比率が大きい。しかしながら、どの混合物も、等値換算通過軸数(ESAL)3百万〜1千万台に対応する、最大回転数・Nmaximumにおける理論最大密度(TMD)に対する比率<98 %の基準を満たしている。(表−2)
総括すると表−2がSUPERPAVEの基準を満足するか否かのまとめである。
図−4 初期回転数・Ninitialと粒度
すべてが砕石の混合物も一部天然砂をもちいたものも、初期回転数・Ninitialにおいて基準を満たしていない。すべてが砕石の混合物は禁止ゾーンを通過しているにもかかわらず、どれもSUPERPAVE設計の基準をすべて満足することが見てとれ、供用性は良好であることが予想される*4。すべてが砕石の混合物で禁止ゾーン下方を通るものはどれも初期回転数・Ninitial、最大回転数・Nmaximumおよび容積特性の基準を満足する。天然砂を一部用い、禁止ゾーン下方を通るものは骨材間隙率(VMA)の基準をわずかに満足しない。このことは、天然砂を含むとジャイレトリー特性および容積特性を満足するについて潜在的に問題があるということを示している。明らかにこれは天然砂の品質および混合物中の使用量によると思われる。
図−5 最大回転数・Nmaximumと粒度
全てを砕石とした混合物は禁止ゾーンを通過する粒度のものでも、天然砂を20 %使用したものよりも特性が良いようである。
第2部:補正係数の評価
目的
第2部は加熱混合物(HMA)をジャイレトリー試験機で締め固める時に各回転数で得られる補正係数を比較し、回転数によって補正係数に変化があるか否かを評価することを目的としている。
概要
本研究では玄武岩(traprock)の骨材を用い、表面の粗い混合物の代表としての砕石マスチック混合物(SMA)と、表面の密な混合物の代表としての密粒度混合物の2つの粒度を対象として選んだ。いずれの混合物についもバインダはPG 64-22 のグレードのものを用いた。回転数のレベルと最適アスファルト量については、これらの粒度についてのこれまでの経験で設定した。混合物を練り、ジャイレトリー試験機で異なる回転数レベルまで締固めた。各混合物について理論最大密度を決定し、各供試体について評価する各回転数レベルにおける寸法からの計算上のかさ密度を求めた。各回転数レベルに対して得られた補正係数を最大回転数・Nmaximumでの補正係数を1としてプロットした。このプロット図は2種の混合物について作成した。 同様に正式に計測したかさ密度と回転数レベルとの対比もプロットした。
実験
実験は以下の手順で行った。
ステップ1
玄武岩(traprock)の骨材を用いて、SMAおよび密粒の混合物を各16バッチ製造した。その粒度を表−3に示す。これにより、合計32バッチの混合物を用意した。この骨材タイプおよび粒度に関するこれまでの経験から、16個の密粒度の供試体は4.9 %のアスファルト量で締固めた。そのうちの2つの供試体はジャイレトリー試験機の回転数で27、46、66、85、97、109、120、および132回の締固めを行った。
フルイ目(mm) | SMAの粒度 | 密粒の粒度 |
---|---|---|
19.0 | 100 | 100 |
12.5 | 90 | 97 |
9.5 | 54 | 83 |
4.75 | 24 | 56 |
2.36 | 20 | 39 |
1.18 | 18 | 28 |
0.60 | 14 | 19 |
0.30 | 13 | 13 |
0.15 | 11 | 7 |
0.075 | 10.0 | 4.0 |
SMAの骨材粒度の16個の供試体についても、同様にこれまでの経験から5.1 %のアスファルト量で締固めた。そのうちの2個はジャイレトリー試験機の回転数で40, 71, 101, 132, 153, 174, 194, および 215回の締固めを行った。大きめの回転数としたのは表面のテクスチャが粗いためである。2つの混合物サンプルから理論最大密度を決定した。
ステップ2
供試体高さからの推定かさ密度と正式に測定したかさ密度から、この2種類(SMAおよび密粒)の混合物について9種類の回転数レベルに対する補正係数を求めた。この補正係数を回転数に対してプロットし、変化の有無を評価した。
ステップ3
最大回転数・Nmaximumにおける補正係数によって、ほかの回転数レベルに対する推定かさ密度を補正して測定かさ密度とした。次にジャイレトリー回転数と密度のデータを両混合物についてプロットした。
ステップ4
異なる回転数における供試体から正式に計測したかさ密度に基づいて、ジャイレトリー回転数と密度のプロットを両混合物について行った。このプロット図をステップ3で得たプロット図と比較して推定値がどの程度、実密度値に近いかを評価した。
実験結果および考察
表−4にSMAおよび密粒混合物についての補正係数を示す。両混合物についての補正係数のジャイレトリー回転数に対するプロットを図−6に示す。どちらの粒度においても C の値は回転数が少ないときは大きく、回転数の増加とともに減少する。これは推定値と実際値との違いは回転数が多いときよりも少ないときの方が大きいであろうという考え方を肯定するものである。C の値のひろがりはSMA粒度の方が満つ率どのものよりも大きい。これはSMA混合物では粗骨材の量がより多く、表面のテクスチャが粗いためである。粗骨材量の大きいことが、密粒度に較べて粗な表面になる結果になっている。
混合物 種類 | 回転数 (N) | 平均値 | 空隙率 計算の 誤差 (B-A)* | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
推定 密度 Gmb (Est.) | 測定 密度 Gmb (Meas.) | 補正 係数 | Nmaximum から逆 算した 締固率 (A) | N 回転 締固め 時の 実締固率 (B) | |||
密粒度 | 27 46 66 85 97 109 120 132 | 2.450 2.492 2.538 2.555 2.562 2.581 2.587 2.596 | 2.523 2.560 2.602 2.612 2.621 2.643 2.644 2.654 | 1.030 1.027 1.025 1.022 1.023 1.024 1.022 1.022 | 92.0 94.0 95.2 96.1 96.6 97.0 97.1 97.4 | 92.6 94.0 95.6 95.9 96.2 97.0 97.0 97.4 | 0.6 0.0 0.4 -0.2 -0.4 0.0 -0.1 0.0 |
SMA | 40 71 101 132 153 174 194 215 | 2.348 2.412 2.446 2.487 2.484 2.487 2.484 2.520 | 2.506 2.560 2.578 2.604 2.600 2.610 2.606 2.626> | 1.067 1.061 1.054 1.047 1.047 1.049 1.049 1.042 | 91.2 93.7 94.9 95.7 96.1 96.5 96.8 97.1 | 92.7 94.6 95.4 96.3 96.1 96.5 96.4 97.1 | 1.5 0.9 0.5 0.6 0.0 0.0 -0.4 0.0 |
密粒度混合物の場合には、骨材の骨格(粗骨材の比率が比較的少なく、そのため表面のテクスチャが滑らか)のため、表面の凹凸が少なく、結果として試験機で計測した値と正式に供試体から計測した値は広い範囲であまり違わない。補正率の変化率はジャイレトリー回転数の増加とともに減少することが見てとれる。
表−4ではまた、各ジャイレトリー回転数で締固めた混合物の締固率を示している。図−7は密粒度混合物についてのジャイレトリー回転数と締固率のプロット結果である。この図では2種類の点がプロットされている。1方は(空中重量と水中重量から求めた)正式のかさ密度から得たものであり、他方は最大回転数・Nmaximumで得られた(修正したプロット)補正係数によってかさ密度の推定値を補正して得たものである。
図−6 補正係数とジャイレトリー回転数
密粒度混合物のプロットされた点のうち、最初と3番目(27回転および66回転)の点は修正されたプロットの約0.5 %上にプロットされている。これは空隙率の計算では0.5 %の誤差となる。つぎの2点(97回転および109回転)は修正されたプロットのわずかに下にきている。のこりの3点は修正されたプロットの多少、上にきている。表−4はまた、空隙率の計算での誤差を示している。表−4にはSMA混合物の最大回転数・Nmaximumでの補正係数に基づいて得られた締固率と正式に測定したかさ密度も示している。 図−8はジャイレトリー回転数と密度の関係をプロットしたものである。最初から4番目まで(40、71、101および153 回転)の点はすべて修正された点の上にきている。これは、これら4つの回転数における正式の密度の計測値が修正されたプロットから推定した値より大きかったことを意味する。
図−7 密粒度混合物の締固率と回転数
データのプロット点と修正されたプロット点との座標差は1.5〜0.5 %になっている。表−4で見られるように、ジャイレトリー回転数が少ない場合は計算した空隙率の誤差ははかなり大きめになる(最大誤差は1.5 %)。各回転数における空隙率の誤差(逆算したものと正式の計測との差)を図−9 に示す。誤差は回転数の増加とともに減少する。しかしながら、回転数が少ないときは有意な誤差がある(最大誤差は0.6 %)。図−7と図−8から密粒度混合物とSMA混合物の両方について最大回転数・Nmaximumで得られた補正係数から得られた回転数と締固率がジャイレトリー回転数が少ないときに低めの推定になっていることが見てとれる。ある種の混合物についてはこの差は重大であり、ある種の混合物についてはあまり重大ではないかもしれない。
図−8 SMA混合物の締固率とジャイレトリー回転数
どの混合物でも正しく空隙率を求められる方法が必要である。
推奨する手順
この限られた研究から最大回転数・Nmaximumでの補正係数から逆算して締固率を得る方法は表面テクスチャの粗い混合物については、空隙率の誤差を招くことがわかった。示唆としては配合設計の手順において、試験サンプルを異なるアスファルト量で設計回転数・Ndesignまで締め固めてみることである。こうすることによって、最も重要なポイントである設計回転数・Ndesignにおける正確に容積特性が得られることになる。
図−9 空隙率推定の誤差とジャイレトリー回転数
最適アスファルト量はそれから、空隙率が4 %になるアスファルト量として求められる。配合設計の後に最大回転数・Nmaximumにおける空隙率をチェックするためには、サンプルを最大回転数・Nmaximumまで締め固めて空隙率が最大回転数・Nmaximumの基準を満足するか否かを評価してもよい。また、初期回転数・Ninitialにおける空隙率は設計回転数・Ndesignにおける補正係数に基づいて計算しても良い。このようにすれば、少ない回転数と最大回転数・Nmaximumとの間の補正係数の重大な差は最小限にでき、初期回転数・Ninitialにおける空隙率の推定は実際の空隙値に近くなるであろう。
結論
この限られた研究では異なる種類の骨材と骨材の配合がジャイレトリー試験機で締固めたときの容積特性におよぼす影響と、異なる回転数レベルに対する補正係数を評価し、次の結論を得た。
REFERENCES