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加熱混合アスファルトの破壊メカニズムを用いた水分による損傷の評価
Bjorn Birgisson, Reynaldo Roque and Gale C. Page
加熱アスファルト混合物(HMA)の水分による損傷は舗装体中に水が浸透するとおこる。混合物の空隙中の水は、主としてアスファルトバインダと骨材の付着を失わせるか、アスファルトバインダの接着力を失わせることにより加熱アスファルト混合物の早期の損傷の原因となる。付着が失われると、はがれや飛散につながる。接着力が失われると間隙水圧により舗装体は弱くなり、早期のひび割れにつながる。材料、荷重、あるいは環境によるが、舗装体の中にはこれらの水分による損傷メカニズムの一つ、あるいはすべてが存在、あるいは支配的であり得る。
しかしながら、いかなる混合物あるいは試験法を評価するにも、水分による損傷に寄与する、それぞれの支配的なメカニズムを分離して定量化することが必要である。
本論文の研究では、二組の混合物を用いている。一組は細粒度(禁止ゾーンの上)と粗粒度(禁止ゾーンの下)のフロリダ州でよく用いられる石灰岩の混合物であり、粒度と骨材の配合割合、アスファルト量を変えて複数の空隙率、透水性のものが含まれる。もう一組はやはりフロリダ州でよく用いられる花崗岩をベースとした三種類の混合物である。
混合物中の間隙水の影響を特定して分離するため、水浸したものについて非破壊試験を行った。非破壊試験の結果に基づいてスーパーペーブの間接引張試験のクリープ、レジリエント・モデュラスおよび引張強度を、間隙水の影響を簡明にするため、水浸および非水浸の混合物について試験した。
結果は水分による損傷が混合物の破壊特性に与える影響および骨材の種類と粒度特性が水分による損傷のしやすさを説明するものである。 混合物中での水分による損傷は骨材の構造?と骨材の種類によって複雑であり、個々の混合物の特性は様々に影響を受け、様々な程度になる。
この研究の結果によれば、混合物中の水分の影響を整合するよう評価するには、単一のパラメータだけで水分による損傷性を評価するのは疑問である。むしろ、主要な混合物の特性の変化を説明する単一の統合されたフレームワークが必要である。
本論文では、フロリダ大学で開発されたHMAの破壊メカニズムのフレームワークを、混合物の主要な特性に様々な影響を与える水分による損傷を水浸による混合物のひび割れ性の変化を繁栄する一つの数値(破壊にいたる載荷回数の水浸前と水浸後の比)としてまとめた。
結果から、HMAの破壊メカニズムは単一でない、各種のパラメータの変化を説明する合理的なフレームワークを与えることがわかる。ここに示したアプローチは水分による損傷を水浸手順とは関係なく評価するのに用いることができる。水分による損傷の様々な異なる有害な影響を評価する、整合のとれたフレームワークは、より全体的な評価にも使えるであろう。
異なる試験結果を得た人が居て、議論はかなり白熱したようです。間接引張試験よりもどんなのかわかりませんが、半円形の曲げ試験の方が損傷による差を識別しやすいという説も紹介されています。水浸という訳語を使いましたが、これはconditoningで、空隙に水を完全に含ませるもので、真空圧をかけて強制的に水を吸わせるもののようです。これをやること自体が供試体を損傷する可能性の指摘があり、発表者も同意し、最低限の真空圧でやるべきだ、ということのようです。議論の中で、透水性は空隙率の4乗に比例するというのが出てきましたが、ほんとなのでしょうか?ちょっと試算したところでは合いそうにはありません。
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