カレヴァラはロンルート Rnnrotという人が1828年から1839年の間に、地方に散らばる伝承の詩の収集を続けて、それらの、すでにまとまりが失われた詩を、ある程度、つじつまの合う形にまとめたものです。収集した詩は全部で、17万行にもなったそうです。 そのうちから、1833年にヴァイナモイネンを中心にした5,052行からなる「ヴァイナモイネン詩集」を出版しました。これが世に言う原カレヴァラです。ついで、1835年に12,078行からなる「カレヴァラ、またはフィンランド民族太古よりのカリヤラの古詩」を出版しました。これが世に言う「古カレヴァラ」です。さらに、1849年に22,795行からなる「カレヴァラ」を出版しました。これが世に言う「新カレヴァラ」です。最後に1862年には「縮約カレヴァラ」を出版しました。 世に言うカレヴァラという言葉をこれまで再三、使いましたが、大まかに言えば、新カレヴァラを指しています。私が主として参考にした下記のサイトの詩は、どうも、私が調べた新カレヴァラの抜粋の本、そのほかの参考にした縮約版とおぼしきものを掲載しているサイトのものとも、翻訳の差は無視しても、ぴったり合うものがありません。このサイトの著者が独自に編集したか、原資料である17万行の中にあるのかは定かではありません。その辺のところは、あまり拘泥せずに、カレヴァラがどんな内容を持ったものであるかを紹介したわけです。 参考になる本 1. | 高橋静男「カレヴァラ物語」筑摩書房、世界の英雄伝説 1 1987年 図書館で児童図書の部に陳列されていました。装丁も確かにそうですが、内容的には高学年、成人向けです。4000行を抜粋して全訳してあります。 このほかの本はすべて、この「カレヴァラ物語」の巻末に記されていたものです。 | 2. | 松村武雄「フィンランド宗教神話研究の覚書」(『神話学論考』所収)同文館 1929年、研究・紹介 | 3. | 松村武雄訳・解説『芬蘭神話伝説集』(『神話伝説大系第12巻』 近代社 1929年、再版『フィンランドの神話伝説』 名著普及会 1937年 | 3. | 松村武雄訳・解説『芬蘭神話伝説集』(『神話伝説大系第12巻』 近代社 1929年、再版『フィンランドの神話伝説』 名著普及会 1937年 | 4. | 森本覚丹訳『カレワラ』 日本書荘 1937年 | 5. | 森本覚丹訳『カレワラ』 岩波書店 1938年 | 6. | 森本ヤス子著『カレワラ物語』 教材社 1940年 | 7. | 森本ヤス子著『魔法の歌』 霞ヶ関書房 1943年 | 8. | 桑木務著「カレヴァラ」(『少年少女世界文学全集 古代中世編二』所収) 講談社 1961年 | 9. | 臼田甚五郎「湖の国の民族叙事詩カレワラ」(『国文学解釈と環礁』昭和41所名7月号-42年3月号連載) 至誠堂 | 10. | 森本ヤス子著『霧のカレワラ』 北欧文化通信社 1973年 | 11. | マルッティ・ハーヴィオ著 坂井怜子訳『カレワラ・タリナ』 第三文明社 1974年 | 11. | 小泉保訳 『カレワラ』上・下 岩波書店 1976年 | |
ネット上の参考資料 http://www.finnishmyth.org/ これが私が主として参考にしたサイトです。 http://www.gov.karelia.ru/gov/Different/Kalevala/selection_e.shtml ロシアのひょっとしたらカレヴァラの発祥の地かと思われるカリラヤ共和国のサイトです。 行数から見て縮約と思われるものが、英語版で提供されています。 グーテンブルクのeブック これも英語版の縮約です。 意味がとりにくいときに、こうしたサイトと比較して、微妙な翻訳の違いから、推定したりしました。 |