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 フィンランド・神々の国の住人をご紹介します。


 この神々の国には、もちろん、人もいるわけですが、神と人との間には、妖精がいます。妖精といっても十把ひかからげではなく、三つ、あるいは、それ以上の人種があります。ファンタジー小説などに現れてくる仲間です。その役割は、みな違うと思いますが。ここで参考にしているのは、主として下記のサイトです。
http://www.finnishmyth.org/

神々の国の住人

エルフ Elf (トントゥ)

 フィンランド語でエルフと言うわけではなさそうです。どうも調べてみると Tonttu トントゥというのがそれのようです。英語の辞書では elfは、わるさをする小妖精ということになっているようです。フィンランドのエルフは、人が作ったものに住み着く妖精です。家のエルフ、納屋のエルフ、粉ひき小屋のエルフ、かまどのエルフといった具合です。日本だと、家の神様、かまどの神様と八百万の神の仲間ということになりますが。神と違って、家のエルフはその家に最初に住んでいたひとの霊、かまど、なら、その竈で最初に火を炊いた人の霊だということです。
 エルフたちはだいたいにおいて、いいことをします。家のエルフは家を守ったり、家族の健康を守ったり、挽いた粉の出来具合をよくしたり、納屋の動物たちを守ったりします。だけど、エルフを怒らせると大変です。うるさく音を立てたり、物を投げ散らかしたり、狩りの獲物の運を無くしたりします。必要とあらば、人を殺すこともできるようです。行儀が悪かったり、ビールを飲み過ぎたり、動物につらくあたったり、意地悪をしたりすると、怒らせることになります。
 男のエルフも女のエルフもいますが、女のエルフは特に怒りっぽいということで、気を付けねばなりません。私の家にも一人いますけど。ときどき、お供えを食べ物とか、お金とかをお供えしてあげる必要があります。エルフたちは小さくて、普段は恥ずかしがり屋だということです。着ているものは灰色のマントと赤い帽子です。

 マーヒネン Maahinen (複数だと マーヒセット Maahiset)は、地下に住むエルフです。ちょっと小さいだけで普通の人と変わらず、上品な生活をしていて尊敬される存在らしいです。森の中のきれいな泉の近くがお好みということで、ときに、そこに住み着く男がいたということです。マーヒセットの娘、これがまた、すごい美人で、それに惹かれてのことのようです。

ノーム Gnome

 ノームも英語の辞書に書いてあるのとは違うと思います。エルフがいい妖精なら、ノームはだいたい同じところに居て、悪役を引き受けているらしいです。今、読んでいる資料には、家などにはエルフのほかに、性悪のノームもいるとだけ書いてあります。

精霊 Spirit

 自然に中には、精霊、木の精とか、湖の精とかが住んでいます。エルフとかノームもいますけど。湖の精は長い髪を垂らした、はだかの美しい女性です。彼女の姿を見たものは、普通は溺れ死んだりします。湖には男のノームもいます。ベテヒネンという名のノームは長く黒い髪と髭をしています。こちらのノームは、そう悪くはなくて、魚を追い込んでくれたりします。だけど、あまり当てにはならないようです。特に悪いのはネッキ Nkkiというノームで、子供を溺れさせます。どうやってかというと、別の資料ですが、水辺で子供の好きな動物の姿に化けていて、子供が、その背にまたがると、水の中に引き込むんだそうです。絵は見たことはありませんが、河童に似た顔をしているかもしれません。
  sounatonttuというノームは、Saunatonttuというサウナのヒーターの商品名というよりは一般名称になっているようですが、言うまでもなくサウナのお守りをします。というよりは、大きな石を焼いておいて、それに水をかけて蒸気を出すのですが、その石のことのようです。東大の言語学の先生によると、tonttuというのはこうした精霊の語尾につく言葉で、Saunatonttuはサウナの精ということになります。ほかにも peikkoとか、trollとかいうのがあって、日本生まれのムーミン、(いやフィンランド生まれでした。昔、テレビで見た記憶から勘違いしてしまいました。)は Muumipeikkoなのだそうです。peikkoの方は妖怪の方に近いらしいのですけど。
 サウナにはもう一人、妖精がいて、これはリョウリュ Lylyとかロユリュとか読むようですが、かける、お水の方です。妖精であるからには、ただの水であるわけはなく、英語のサウナの作法にその作り方が書いてあります。 ここまで、サウナのことにふれたら、ついでに。サウナで使うタオルはヘチマが一番らしいです。これも英語のページですが、loofaという、ズッキーニの大きいという感じのものとありますから、間違いないでしょう。

 森の精はちょっと変わっています。彼女は、それは美しい女性なのですが、後ろを向くと古木みたいに見えるのです。彼女は狩人たちに恋をし、狩人たちも彼女に恋をしました。森のキャンプファイアでは、彼らが残した子孫のことが語られていました。とにかく、彼女はキャンプファイアに引き寄せられて、多分、火と狩人を守ってやっていたのかも知れません。そして、男を目覚めさせ、恋をなし、あとで、良い獲物で報いていたのでしょう。

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