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ヴァティカン市国
(Vatican City) .va
国際電話番号 +395
ローマ教皇の支配する ローマ市内の独立国。人口 921人(2004)。国土面積 0.44 km2 で St. Peter's 大聖堂, Vatican 宮殿がある。イタリア人が大部分。 言語: Italian, Latin.。宗教:
カトリック
。 通貨: lira。
イタリアはローマ市の中にある人口、面積ともに世界最小の国です。カトリックの本山で、ローマ法王が住むところです。軍隊は居ませんが、衛兵はいます。なぜかドイツ語をしゃべるスイス兵です。少なくともドイツ語で誓いを立てる必要があるようです。また、
ヴァティカン市国が発行する外交旅券のみで、国民はすべて外交官ということになる
ようです。
この国の公用語はラテン語ですが、日常的に使われているわけでもないようです。また、ラテン語というのは、もともとローマを中心とするラツィオ地方 Lazioの方言で、これがローマ帝国の公用語になったため、西ヨーロッパの各国に広がったものです。そしてヴァティカンで使われているラテン語は、もとの形に近いのかも知れませんがバチカン方言とも言われる変則的なものらしいです。東ヨーロッパの方は東ローマ帝国のビザンチンを中心とした東方正教会がギリシャ語を使っていたらしく、ギリシャ語の影響が強くなったようです。
ローマ教皇と書いたり、ローマ法王と書いたりしていますが、同じです。一般には法王と呼んでいますが、教会関係の人は教皇が正しいとしています。ただし、イタリア語、英語はどちらも Papa、Popeで、もとの意味はパパ、つまり父です。以前は皇帝が法王を兼任したのが教皇だと思っていましたが、違うようです。
国家機関は法王庁です。日本語では、教皇庁、聖庁、聖座などと呼ばれますが、もとは Holy Seeで、Seeは英語のseatと同じですから、訳とすれば聖座が一番正しいのでしょうが、これでは国家機関らしくなくて分かりにくいので、一般には法王庁が用いられているのだと思います。
聖ペテロがキリストに岩の上に教会を建てよ、と命じられたのだそうですが、そのペテロはネロ皇帝に捕らえられて、殉教しヴァチカンの丘に葬られ。後、コンスタンティヌス大帝がキリスト教を公認して、その墓の上に聖堂を建設したということです。これがサン・ピエトロ大聖堂です。
このペテロですが、英語では Peter、日本に最初にキリスト教を布教したのはのザビエルはスペイン人、熱心に布教したポルトガル人、どちらをとっても Pedroです。キリスト教伝来時にイタリア人が布教したはずはありませんが、ペテロという呼び方は Pedroから来たようには思えません。多分、宣教師はラテン語を重視していたので、ラテン名で伝えたのだろうと思います。そこらにいるペドロと同じでは畏れおおいと思ったのではないでしょうか。ラテン語でどう綴るか知りませんが、イタリア語の元というか多分、ローマ地方の方言だったでしょうから似たものでしょう。Pietroからペテロなら理解できます。イエス・キリストの呼び方も同じ伝なのでしよう。おそらく、ラテン語でも Pietroでしょう。
とにかく、聖ペテロは初代のローマ法王とされています。
また脱線しますが、聖ペテロの名前は元からペテロだったわけではなさそうです。調べていくと、元はシモンという名で、イエスがヘブライ語で「岩」を意味するケパと名付けたということで、それがギリシャ語では訳語になって Petroになり、ラテン語では Pietroになったようです。Petroは岩から取れた油、つまり石油 Petroleumの語源でもあります。
さて、
キリスト教を公認したローマ帝国は、教会の影響力を利用して国力の増強を図り、大いに成功します。そして法王の権威も高まり、次から次へと領地を献上され、イタリアの大半は法王の領地になりました。それでもイタリア内には王国がいくつもあったのですが、フランス革命などの影響を受けてか統一の動きが出て、サルディニア王国を中心に統一戦争が起こり、1870年、大部分の法王領はイタリア王国に併合されます。時の法王法王ピウス九世は、王国側が提案した安全保証を拒否して、自らを「バチカンの虜囚」と名乗り、ヨーロッパ全体を巻き込む「ローマ問題」になりました。
イタリア政府と法王が和解するのは1929年、ピウス11世になって、ムッソリーニとラテラノ条約を交わして、相互に主権を認めたわけです。今のヴァティカン市国はこうして始まった
というわけです。
国名のヴァティカンは
聖ペテロの墓があるというmons vaticanus(バチカンの丘)に因むもので、キリスト教以前からの地名です。古来、神聖な場所とされきたということで、エトルスク語 Etruskで「神託、預言」を意味する
とも言われています。これは
辞書でも確かめられる
ようです。
国旗の
黄と白は法王庁の衛兵の帽子の色と同じです。金銀の鍵はペテロの鍵と呼ばれ、イエスが弟子ペテロに言った言葉「あなたに天の国の鍵を授ける」に由来し、霊界と俗界の支配権を象徴する
ということです。
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