タークス アンド ケーコス諸島 (Turks & Caicos Islands) .tc首都 グランドターク (?) (Grand Turk) 西インド諸島の Bahama 諸島南東部の英国植民地。人口 19,500(2003)。面積 91 km2 タークス アンド ケーコス諸島というのは、Turks Islandsと Caicos Islandsの二つのグループの島になっています。小さい島を合わせると50くらいありますが、人が住んでいるのは8島だけです。 紀元前にアラワク・インディアンが住んでいたという証拠があるそうですが、スペイン人に発見されて(1492年にコロンブスが発見したのはこの島々だという説もありますが、1512年にPonce de Leonが発見したというのが確実なところです。)、奴隷狩りの対象になって全島にわたって無人になったようです。 スペインはこの島々をフランスに売り渡し、また、それがイギリスに渡されるといったことがありましたが、誰も植民しようとはしませんでした。利用したのはスペインの船を襲う海賊たちだったようです。1681年にバーミューダにいたイギリスの塩の採掘者が、採掘の容易な Grand Turk島に住み着きました。そしてイギリスの支配するところになり、今日に至っています。 1780年代にはアメリカ人が奴隷を連れてきて大規模に綿の栽培をしたということですが、ハリケーンにやられて1820年には退散し、残された奴隷たちは漁と採集をして暮らすことになりました。 1799年に同じくイギリス領のバハマに属することになりましたが、何の事情か住民の要望で、これも同じくイギリス領のジャマイカに属することになりました。そのジャマイカが1962年に独立してイギリスの直轄領になりました。 塩の採掘と海綿、アサの輸出が島の経済を支えていましたが、1960年代にアメリカの投資家がホテルを建て、ぼつぼつと観光客が訪れるようになり、1980年代には滑走路も整備されて観光客が増え始めました。今や、この島で結婚式を挙げるのは定番になりつつあります。 独立の動きもあって、人民民主党というのがイギリスと選挙で勝てば独立を認めるというところまで行きましたが、選挙の結果は敗北でした。守旧派の進歩国民党が勝ったのですが、その指導者たちが密輸にからんで、アメリカから手配されるなどで、今は人民民主党が主流になっているそうです。 島の名前の由来ですが、タークスの Turkは トルコ人 とか トルコの とかいう意味ですが、別にここにトルコ人が来て住んだということではなさそうです。Turk's Head cactus あるいは fez cactusとかいうサボテンがこの島にあるのです。で、fezはトルコ帽、バケツを逆さにしたような赤い帽子ですが、そういう形の花座というのがてっぺんに出来て、そこから花が咲くというものです。写真を見つけました。学名は Melocactusです。横姿もありました。こちらにいろんなのがあります。ケーコスの方はスペイン語で cayos 意味は小さな島という意味です。つまり、小島という名前の小島ということになります。トルコ帽ではTurk's capという百合もあります。トルコ帽ですが、もともとはモロッコのフェズ Fezという帽子だったのですが、トルコの歴史を調べていたら1925年に禁止されたそうです。近代化の一つの手順だったのでしょうが、今は復活しているかも知れません。今は公務員は禁止とあり、一般の人は禁止ではないのかも知れません。 島の旗の紋章には特産物が描き込まれています。左上はクイーン・コンチという巻き貝、その右が伊勢エビ、下が例のサボテンです。クイーン・コンチ(コンクと呼ぶのが正しいようです。)は"Queen conch"で画像検索すると多数みつかります。普段はただ大きな巻き貝という感じですが、裏返すと本来は人に見せないところが美しく、おまけに美味ときているので乱獲されて絶滅の危機に瀕しているようです。おっと!絶滅する前に食っておこうというのは誰? →西インド諸島の地図 →西インド諸島の大地図(フロリダの南東のバハマの南東、ドミニカ共和国の北) ↓タークス アンド ケーコス諸島
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