南米の国; 公式名 the Republic of Paraguay (パラグアイ共和国)、国土面積 406,750 km2、人口 5,734,139(2002)。メスティーソ 95%. 言語: Spanish (公用語), Guarani. 宗教: 大部分がカトリック(国教). 通貨: guarani。 サッカーのワールドカップで、ゴールキーパーであり、ポイントゲッターでもあるチラベルトはこの国だったですよね。 その昔を言えば当然ですが、ここもインディオの世界でした。16世紀はじめにヨーロッパ人が来て、アスンシオン Asunciónを開き、これがスペインの植民の中心地になり、アルゼンチン、ウルグアイ、ボリビアにまたがる広大な地域の中心でしたが、あまりに広大なのでスペインはブエノスアイレスとアスンシオンの二つに中心をおくようになります。19世紀に入って独立の動きが盛んになり、お隣のアルゼンチンで、1810年に暫定的な独立政権ができてラプラタ川の流域でまとまるラプラタ連合の構想があったのですが、いろいろあって、別の道を取ることになり、自分たちでスペイン人をうち負かして1811年に独立を宣言しました。 独立当初は富国強兵がうまく行って、中米の強国になったのですが、海に出口がなく、ブラジルとウルグァイを争ううちに、アルゼンチンも敵にまわし、三国同盟を相手に戦争(1865-1870)することになり、国土の半分以上を失い、成人男子の三分の二が戦死するという大打撃を受け、半世紀は立ち直れませんでした。その後、少し立ち直って今度はボリビアと国境の判然としなかったチャコを巡って争い、これは勝って、領土を手に入れるのですが、当てにしていた石油などはまだ出ていないようです。 パラグアイは建国以来、大統領が先頭に立って戦う国だったようで、三国戦争で最後まで戦ったロペス大統領家はパラグアイでは特別の家柄になっています。その後、1993年に民主化の動きがありましたが、軍事政権が続き、クーデターの試みとかあって、一時、副大統領は暗殺され、大統領は亡命するという事態になりました。今のところは挙国一致内閣みたいなのができて小康を得ているようです。 国名についてはインディオの言葉でpara「海、大河」とgua「水」の合成語で、パラグアイ川の名に由来というのがありますが、ブリタニカによるとGuaranインディオの言葉で海を生む川とか、the Real Academia Espanola (2001)辞典によれば、やはりインディオの言葉で paraが海、guaが、源という意味になっているそうです。ウルグアイも似たような名前ですが、最初の quaは水というのが整合がとれています。多分、quaは水でもあり源でもあるのでしょう。かつてはこの国の中央を流れていたラプラタ川の上流であるリオ・プラナ Rio paranaも関係あるはずだと思いますが。 国旗は世界で唯一、表と裏で図柄の一部が異なる珍しい国旗で、左に示したのが、裏側です。表側は Republica del Paraguay つまりパラグアイ共和国と書かれています。赤は独立戦争、白は平和、青は自由と秩序の象徴。中央の紋章は、旗の表が独立記念日の“5月の星”、ヤシやオリーブの葉そして国名などが描かれた国章、裏は自由の帽子とライオン、「平和と正義」と書かれた国章の証印だそうです。 1842年制定の国旗は世界で唯一表裏があり、正義・平和・自由を表す横3色旗に、表は独立記念日の「5月の星」とヤシとオリーブの葉、裏は自由の帽子とライオン、「平和と正義」と記された国庫の証印が描かれている。→パラグアイの歴史 →パラグアイ大使館 →南アメリカの地図