ルクセンブルグ(Luxembourg) .lu
首都 ルクセンブルク (7.5 万) (Luxembourg)
ベルギー・フランス・ドイツに囲まれた内陸国です゜。 公式名 ルクセンブルク大公国:Grand Duchy of Luxemburg, 40 万。フランス人とドイツ人の混血が大半。 公用語: French, German つまりフランス語とドイツ語:これは研究社のCD辞書からですが、実はルクセンブルグ語: Luxembourgishというのがあって、これが国語です。下↓でまた、説明します。 宗教: カトリック。 通貨: franc。
国名の多分、フランス語系の人だとリュクサンブールと呼ぶと思います。中世の高地ドイツ語の lutzel:「小さい」と よくある burg 「城壁、城下町、城」で「小さな城壁」という意味だということです。ルクセンブルグの礎は 963に始まり、1815年には大公国: grand duchyになってオランダの元での自治国になっていましたが。1839年には国土の半分以上をベルギーに譲り、代償に自治権を拡大しました。中立国でしたが、第一次大戦、二次大戦とも、ドイツに侵攻され、1948年に正式に中立を廃止してベネルックス課税統合に加わり、1957年にはEC経済共同体の設立の六カ国に列し、1999年にはユーロ通貨圏に加入しています。ルクセンブルクは欧州のほぼ中心に位置し、欧州市場へのアクセスが良いという地理的条件に恵まれていること、1970年代からの利子源泉課税ゼロといった税制上の優遇措置により、国際金融の中心地となっていて、持ち株会社や銀行、保険会社などが集まっています。
国旗の赤白青の3色は、13世紀の大公の紋章に描かれている青い縞模様のある銀の台の上のライオンに由来するということで。赤はライオン、白と青が銀の台を表わす
んだそうです。紋章はものすごく立派です。実は左のものは中型ということで、もっと大型のものもあります。
ルクセンブルグの言語についてですが、在米大使館(2016/09/06 Carolineさんの指摘でリンク切れとわかりました。代わりに http://washington.mae.lu/en/を紹介しておきますが、以前に比べて情報が少なくなっています。)の説明を見るとなかなかに複雑で研究社の辞典でルクセンブルグ語が出てこないのも頷ける事情があります。まず、現在、ルクセンブルグ語は存在して国語:national languageです。フランス語とドイツ語は administrative languageということになっています。この三つをひっくるめて公用語 official languageとなるようです。
実は1984年まではルクセンブルグ語なるものは公式には存在しなかったようです。それまでは1830年代の大公令というのでしょうか?布告でフランス語、ドイツ語のどちらでもよいとされていたのです。元をたどると、フランス語が明らかに優勢で14世紀には公式用語として定められていたということです。この事情は支配者がハプスブルグ家になったり、スペインになったりオーストリアになったりしても変わらなかったようです。
ですが、政治の世界、法律の世界での書き物は、みんなに解るようにか、意味を明確にできるのか、ドイツ語で注釈する習わしでした。そして小学校ではドイツ語が教えられていてフランス語は第二外国語という扱いでした。1839年にロンドン条約で自治が認められても事情は変らず、1843年には小学校でもフランス語を教えるようになり、バイリンガルの傾向はさらに強まりました。ルクセンブルグ語、これは基本的にドイツのモーゼル地方の方言でフランス語の語彙をチャンポンにした言葉のようですが、これが教えられるようになったのは1912年のことです。
1948年の憲法改定で言語の体制を法律で定められるようになり、(それまでは憲法で決めていたのでしょうか?)、1984年にルクセンブルグ語の独自性が初めて認められ、国語:国家言語と規定されたのです。法律では”できるかぎり”この三言語を用いること、となっているそうです。法律そのものはフランス語ということになっています。それは法律体系がナポレオン法典に基づいているからだそうです。
かくしてルクセンブルグはバイリンガルどころかトリリンガルの国になりました。この大使館の記述では、この状態はロマーンス文化(ラテンといってもいいでしょう)とドイツ文化の接点であることを象徴するものだとし、またルクセンブルグ語なるものの存在を認めることが、バイリンガルの伝統を強めるこになる、としています。
今、学校の教育はどうなっているか、というと、ルクセンブルク語は幼稚園での先生のしゃべり言葉で、小学一年からドイツ語の読み書きを教え、二年生からフランス語の読み書きを教え、ルクセンブルグ語は中学校の低学年で週に1時間程度教えられる程度だそうです。このほか、英語教育も熱心で、学校教育の時間の50%は語学に費やされるということです。
→ルクセンブルク大使館 →ヨーロッパの地図 (番号で表示してありますので、右上の表を見てください。) ↓ルクセンブルグの地図
|