アジアという地名は、アッシリア人がBC2350−2180にバビロン北部に栄えたアッカド(Akkad)時代のアッシリア人がアッカド語(Akkadian)で「陽が昇る土地」という意味で言ったasu が語源で、それが古代ギリシアに伝わり(ASIA)、ローマ時代のラテン語(ASIA)を経て、Asia なったのだそうです。07/04/01 この説明を見たサイトはリンク切れになっています。英語版 Wikipediaを見ると、ギリシャ語に由来することは間違いなさそうですが、ヘロドツス(BC 485-BC 425)は、ヨーロッパとアジアとリビアの、一繋がりの陸地がどうして三人の女性名を与えられているのか訝っています。アジアは女性名と考えていたわけです。(リビアはアフリカを指していたようです。) Asiaはプロメテウスの奥さんと考えています。しかし、今のトルコの西部にあたるリディア人は Asiasという男性名と考えていたようです。また、それより前、ホメロスはトロイ軍に味方したヒルタクス Hyrtacusの息子が Asiosだか Asiusだということを知っていてασιοVを地名みたいに使っていたようです。ギリシャ語の元はヒッタイト語の Assuwwから来たもので goodを含んだ言葉らしいとしいうことです。
プロメテウスの奥さんというのは無視していいでしょう。神話というのは、新しい土地が見つかると、その体系の中に取り込んでしまうという習性がありますから。プロメテウスには連れ合いがいないようだからちょうど好いということになったのでしょう。一応、その息子がデュカリオン Deucalion、名前は分かりませんが娘もいるようです。クリスマスローズについてプロメテウスの娘の狂気を治した薬草という話がありますから。"daughter of Prometheus"で検索すると、木星の衛星のテーベ Thebeとあるのは、その一人です。また、幸運の女神・タイケ Tykhe, Tyche、秩序の女神・ユーノミア Eunomia、説得の女神・ペイト Peithoもそのようです。しかし、彼と彼女らの母については Wikipediaで見ると、デュカリオンについてはプロノイア Pronoiaとか、テーベについてはメトペ Metopeの娘、タイケとペイトについてはオケアノスとテティスの間の娘、ユーノミアについてはゼウスとテミス Themisとの間の娘など、別の女神の名前も挙げられています。神話というのはご都合主義のところがあって必ずしも整合性は取れていません。
説得の女神は変わった名前ですが、美と愛の女神・アフロディテの侍女神です。愛の成就には持参金を含めて相手の両親の説得が欠かせません、そこで彼女の出番があるわけです。彼女がうまくやってくれれば、逆持参金付きで想いの人をものにできようというものです。愛は育ったが、これから結婚に漕ぎつけようという人はペイトに祈りを捧げる必要があるでしょう。お供物は高価なものの方がいいでしょう。不肖、私がお取り次ぎします。クリスマスローズについては Wikipediaではアルゴス王 Argosの娘達がはだかで泣き叫びながら町中を走り回るのを治したとあります。
Wikipediaにはもう一つの説も記されていて、これは古代・アッシリア人とかバビロニア人が話していたアッカド語で「陽の昇る」方向を指して「昇る」という意味というものと、フェニキア語で東のことを asaと言っていたというのがあります。しかし、アッカド人やフェニキア人は古代にアジアと考えられていた今のトルコ・アナトリアより東に住んでいたはずで、なぜアジアが東なのかが説明できません。彼らが地中海を航海していてグローバルな見地から東と思ったのかも知れませんが。トルコの地名「アッソス」に由来する(トルコの地図に位置を示しておきました。)というのもあります。トルコのある半島を小アジアと呼びますが、元来はこの地域がアジアだったようです。後に、その東の方全体をアジアと呼ぶようになったということです。小アジアの英語は Anatolia:アナトリアと Asia Minorとがあります。アナトリアも、「東」とか「太陽が昇る地」を意味するようです。
→世界のドメイン名 →世界各国の国旗と国勢 →トップページへ|