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Leutner試験とトルク試験によるインターフェース特性の計測の比較
Andrew Collop, Young Choi, Gordon Airey, Richard Elliott
本論文はアスファルト層間の接着強度を Leutnerせん断試験の改良型、およびトルク試験の試験室型で調べたものについて述べるものである。
Leutner試験のせん断面に 5 mmのギャップを設け、供試体の層間接触面の狂いによる、せん断面にかかわるの端部の損傷が軽減されるようにした。Leutner試験で計測される最大せん断応力は、接着条件とは無関係に、ほぼ最大せん断変位に比例して増大する。
20DBMと28DBMを接合した供試体は、SMAと20DBMを接合した供試体よりも概して、せん断強度は小さく、側面の膨らみは大きかった。せん断強度および最大接線方向モデュラス(せん断の弾性係数みたいなものでしょう。)は温度が高くなると小さくなり、荷重速度を下げても小さくなる。
SMAと20DBMを接合した供試体でのトルク試験で計測される最大トルク値は概して、20DBMと28DBMを接合した供試体よりも大きかった。最大せん断応力は温度が上がると減少するのが見られた。
Leutner試験でのせん断強度と、トルク試験での最大トルクには、かなり良好な相関が見られた。Leutner試験結果からトルク試験の結果を予測する簡単なモデルを作成した。30℃での最大トルクは塑性解析による推定値の約 87%であり、10℃では約 80%であった。
この論文は本文をよく見ないと要約も理解できません。20DBMとかありますが、DBMは Dense Bitumen Macadamの略で、20は多分、トップサイズでしょう。イギリスで使われる用語で、実際のところは密粒混合物と考えてよいようです。マカダムは工法だと思っているので違和感がありますけど。イギリス、アイルランドではmacadam mixtureとという言葉が平気で使われているようです。マカダムの名前を残したいのでしょうか?。マカダム、テルフォードと舗装では有名な人物はスコットランド人です。
Leutnerせん断試験というのはドイツで1970年代にアスファルト混合物の層間のせん断試験方法として開発されたもので、ロイトナーと読むのでしょう。変位速度が 50 mm/minで、マーシャル試験機とかCBR試験機に治具を取り付ければできるようです。写真をつけておきます。
左側の治具は二つに分割されているはずです、一方に荷重をかけて、すり切るようにしてせん断力をかけます。もう1方はがっちり固定されていなければなりません。このせん断力をかける方向と、供試体の接合面とが一致する必要があるのですが、そううまくは行かず、そうすると端部で応力集中による圧縮破壊が起こったりします。そこで、元の試験法では、固定治具と可動治具との間にはすきまは無かったのですが、5 mmのすき間を設けるように修正しています。これによる影響FEMで確かめています。
治具
右側のLVDTは膨れの計測用です。
トルク試験というのはスウェーデンで現場での接着試験用として開発され、イギリスで薄層オーバレイの検査用に使われているものです。コア抜きを途中でやめて、そこに試験器を当ててというか、咬ませて、手で回す力をかけるものです。薄層の場合しか使えないようです。この研究では試験室用のものを開発したようです。写真を付けておきます。