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アスファルト混合物の低品質骨材の実験室評価
G. Airey, A. Collop, N. Thom, S. Zoorob, A. Shiratori
持続できる開発の必要性をしっかり理解すれば、道路あるいは空港でのアスファルト混合物における原骨材の使用は限りある天然資源の無駄使いと見られる。したがって原骨材の再使用や粗悪材料(二級品)の利用は社会の利益に叶うと見られる。いろいろな廃棄物の中で、鉄鋼製造業の副産物(高炉スラグ、鉄鋼スラグ)および破砕ガラス(カレット)はアスファルト混合物製造用の骨材資源の代替品と考え得るものである。これら二級品の骨材は従来の原骨材とにたような物理性状であり、破砕、ふるい分けなどの処理により表層用あるいは基層ようアスファルト混合物の製造に用いるのは用意である。
本論文は、基層用および表層用材料として、2種類の原骨材(石灰岩および粗粒砂岩)と3種類の二級骨材(転炉スラグ、高炉スラグおよびガラス・カレット)を粒径や配合率、組み合わせを変えて、その機械的供用性と耐久性を評価したものである。アスファルト混合物の機械性性状は、ノッティンガム・アスファルト試験機(NAT)で、できる、スティフネス・も銅鑼、永久変形抵抗および疲労ひび割れ抵抗などの一連の試験で計測した。原骨材と二級骨材を用いた混合物の耐久性は長期間の試験室エージング試験を一般に用いられている試験手順で評価した。
ガラスカレットの細骨材を28 mmの連続粒度の基層として用いた場合、二級骨材を用いた混合物のスティフネス・モデュラスの減少はわずかであった。水分による影響はガラスのような滑らかな表面を持つ骨材についても、はく離防止剤を用いても用いなくても予想される程には影響はなかった。原骨材をガラスカレットで置き換えた場合も、混合物のエージングに対する感受性はかなり減少し、永久変形抵抗も原骨材を用いた混合物には劣るが、疲労に対する供用性は比較用混合物と比べても許容できるものであった。
転炉スラグおよび高炉スラグを用いた場合、混合物の密度とスティフネス・モデュラスは原骨材を用いた混合物と比較してかなり大きくなった。これら、二級骨材を用いた混合物は、スラグ混合物でエージング硬化に対する感受性が増すものの、水分に対する感受性は比較用混合物と同等であった。全体としてスラグを用いた混合物の永久変形と疲労供用性は石灰岩および砂岩の基層および表層の比較用混合物と同様な傾向を示した。
質疑で、ガラスを表層材料に使うと、紫外線が、その下まで通って劣化し、ガラスがはく離、飛散するため、基層だけに使用していることが分かりました。また、エイジングに関してはカナダのケネポール氏から、スラグの中には無水マグネシウム、カルシウムが内包されていて、これが、動的載荷と同様の凍結融解に似た働きをして、5年くらい経って、石灰岩に達して、問題を起こす遅れエージングという現象があってカナダで3億ドルの損害をもたらしたという紹介がありました。
こうしたことから、二級骨材を使うのは大いに進めるべきだが、実験室で結果が良くても、徐々に使用率を上げるという取り組みをすべきだろう、というのが質疑の結論みたいです。
AAPTの会議は会員が少ないこともあって、出席者は錚々たるメンバーが、互いにファーストネームで呼び合う中で、質問者も自分の持っている経験情報を出し合うので、聞き逃せないという感じです。