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2004年度・AAPT・アスファルト舗装技術目次へ
技術セッション 22

A Study of Crack-Tip Deformation and Crack Growth in Asphalt Concrete Using Fracture Mechanics

破壊メカニクスを用いたアスファルト・コンクリートのひび割れ変形の発生とひび割れの成長の研究

Y. Seo, Y. Kim, R. Schapery, M. Witczak, R. Bonaquist

Abstract

 本論文は破壊メカニクスを用いたアスファルト・コンクリートのひび割れの成長を総合的に実験的かつ解析的な研究からの知見を述べるものである。本研究の主要目的はひび割れ成長の有限要素法による解析に粘弾性塑性連続体損傷モデル(1)を補足する、クリティカルな情報を提供することにある。モード1の破壊をシミュレートするために、一軸単調および繰り返し引張試験を対称に二つの切り欠きを設けたプリズム型供試体で行った。デジタル画像相関法(DIC)と呼ぶ、全視野・変位/ひずみ計測技術を用いて、破壊過程にあるゾーン(FPZ)のサイズと形状を調査した。
 切り欠きの大きさや試験条件とは無関係に FPZは混合物の寸法、形状と同様であることが観測された。また、ひび割れが発生する直前のひび割れ先端のひずみは、ひずみ速度の減少関数であることが分かった。
 実験データを接着性ひび割れモデルと、応力強度係数 KIに基づくひび割れ成長速度法則などの複数の破壊メカニズム理論を用いて解析した。接着性ひび割れモデルによる解析は破壊エネルギーと、応力-ひずみ曲線のピーク後の動きをひずみの位置の集中を説明する軟化関数を与えるものである。KIに基づく解析から供試体の寸法はひび割れ成長速度法則にあまり影響しないことが分かった。KIに基づく温度を減じひび割れ速度を用いたひび割れ成長速度法則では、温度の影響がはっきり出た。時間と温度の重ね合わせ原理を線形粘弾性領域からのシフト係数を用いて、これらのひび割れ成長の法則に適用すると、異なる温度での曲線を単一の関係にしてしまうことができた。

 プリズム型供試体 珍しい用語が出てきて戸惑います。プリズム型供試体は 40 mm幅, 60 mm 奥行き,150 mm高の三角形の供試体で、ジャイレトリーで作った供試体から切り出したものです。幅は繰り返し試験では80 mm, 120 mmも使っています。セッティングした写真を載せておきます。ひび割れ成長の法則: crack growth rate lawは英語で検索するといっぱい出てきますが、「ひび割れ成長の法則」で検索すると、何と3年前の要約と、2年前の要約だけが出てきました。英語ではParis Law Theoryが参考になりそうで、日本ではパリスの法則として、知る人ぞ知る、とう法則らしいです。ひび割れの成長速度と応力強度を両対数で表すと直線になるというもののようです。接着性ひび割れモデル:cohesive crack modelは、英語で検索すると、たくさん出てきますが、日本語で検索すると洋書の紹介が出てくるだけです。日本では仮想ひび割れモデルと呼ばれるのがそうらしいです。ひび割れは、とにかく引張強度を越えた点で発生しますが、そのあとも、ひび割れの面の間で力の伝達があり、その大きさは軟化関数と呼ばれる、ひび割れの開きの関数らしいです。ひび割れても、ある程度は粘っていると言うもののようです。コンクリート関係ではよく使われているようです。
  この論文に関しては、用語が難解なせいか質疑がまったくありませんでした。