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アスファルト・コンクリートの疲労供用性予測のための二段階でウェイブルを用いる方法
B. Tsai, J. Harvey, C. Monismith
本論文はワイブルの現象学的の方法論をアスファルトコンクリート混合物の疲労による損傷をひび割れの発生段階とひび割れの発展段階の二段階で適用して疲労破壊を説明しようとするものである。このいずれについてもパラメータの推定はラグランジ-ニュートンのアルゴリズムで可能である。このアルゴリズムから、ひび割れが発生するまでの繰り返し回数とひび割れの発展とを明確に分離することができる。
デモンストレーション用の例として WesTrackの試験結果を用いた。この WesTrackの混合物は細粒、極細粒、および粗粒と、3種類ある。それぞれの粒度について、ひずみのレベルをいろいろ変えて、10、20、30℃の3種類の温度でビーム曲げ試験を行った。一連の試験で分離がおこる繰り返し回数のすべてを収集したのち、最小自乗法によりひび割れの始まりと発展に関するワイブル積分の回帰式が得られる。現場と試験室との境界条件の違いを修正するための二段階ワイブル法での修正係数についても述べる。
最後にひび割れ発生および発展に関しての積分回帰式と修正係数によって、WesTrack試験路の疲労供用性の推定を「損傷硬化」と呼ぶ、疲労損傷の累積メカニズムによってシミュレートした。この二段階ワイブル法は、推定結果をより広範な現場データ、特に現場の舗装のスティフネスの減少履歴のデータで検証すれば、疲労供用性の推定、回帰分析の有望な方法である。
ウェイブルと書いたり、ワイブルと書いたりしていますが、Weibullというスウェーデン人の名前です。その人の強度の確率分布に関する考え方が、寿命、故障までの時間でも応用されています。この論文ではスティフネス、つまりレジリエント・モデュラスと同じだと思いますが、その減少を捕らえています。二段階というのは、アスファルト混合物の場合、マイクロクラックが発生する段階と、それが繋がりあってひび割れの発展とで、ワイブル分布が少し違って、回帰式が直線に乗らないので、あるところで分けて二つの回帰式にした、ということのようです。
発表者がモニスミスで質疑はノッティンガム大学のブラウン教授と錚々たるメンバーの議論です。とにかく、このアプローチはこれからもっと追いかけるべきだろうと言うことですが、実験室では繰り返し試験で確かにスティフネスの減少が見られるのですが、現場のデータ、FWDの逆解析から得られる弾性係数だと思いますが、それには供用年数による減少が、ブラウン教授もモニスミスも確認できていないようです。Erland Lukanenという、ミネソタ大学の舗装研究所音から、basin fit parametersという、多分、一番へこんだところの曲率半径に関係するもの?だと、劣化がよく見られるだろうと示唆してます。また、Frederick Hugo教授もStellenbosch大学の名誉教授という偉い先生ですが、表面波のスペクトル分析(地質学とか、地震解析で使われる方法です。表面波が一番減衰が少なくてノイズが相対的にすくないのだそうです。)をすれば、FWDよりも感度が高いのではないか、という示唆がありました。モニスミス教授もやりかけたことがあるとのことで、どの波形が計測対象のものか、境界からのものか分からないので放棄したということです。これについてもHugo教授は北カロライナ州で使っているし、自分も南アフリカで使ってうまく行ったと言っています。表面波に関してはネットで東京電機大学の松井教授の論文が見つかりました。