トップページ | 建設用語中辞典(英仏独和) | 技術資料・目次 | 佐藤渡辺通信 | スパム紹介(日記) | |
世界の文化 | 国名・国旗の由来 | 日本の文化 | 自治体リンク(県・50音別) | アクセス解析・公開 | 作者のページ(更新状況) |
容積に基づく、ひずみによる中空シリンダー引張試験の簡易化
W. Buttlar, M. Wagoner, Z. You, S. Brovold
中空円筒型の引張試験法(HCT: Hollow Cylinder Tensile tester)を開発した。これにより、低温から中程度の温度におけるクリープ許容量、引張強度、動的モデュラスなどアスファルト舗装混合物の基礎的特性を得ることができる。内側の円筒に圧力をかけることにより、引張あるいはフープ応答が生じる。以前の研究では内側周面での引張ひずみの計測にストレインゲージを用いていたが、結果は満足出来るものではあったが、ストレインゲージを貼るのは時間がかかり、値段も張って大変だった。幸いなことに、HCTに固有の利点として内空の容積の変化が、充填した液体に圧力をかけるためのピストンの動きから推定できるということがある。この容積の基づいてひずみを計測するシステムによりセンサーを貼る必要がなくなって供試体の調製は楽になり、より実用的な試験法になる。本論文は、このシステムにおける内空に圧力を掛けるためのメンプレンによるシーリング方法ほか、封入された液体にかかる圧力の影響を除去するなどのコンピュータ解析方法などに関する開発結果を述べるものである。
この容積に基づくひずみ計測のシステムをデルリンプラスチック(弾力性のあるプラスチック)でストレインゲージによる結果と比較して、次いでアスファルトバインダと混合物による試験を行った。この研究の目的ではなかったが、HCTによるクリープ許容量とビーム曲げレオメータで得られるものとは、よく一致していた。
一度、アスファルトコンクリート供試体と圧力封入メンプレンの間に補足された液体が無くなれば、中空円筒型供試体での容積に基づくひずみはストレインゲージでの結果と遜色は無かった。
本論文ではまた、HCTのような試験室規模の試験における材料中の不均一性の影響を理解するために行った最近の解析結果についても述べる。一連の二次元要素モデルを実際のアスファルトコンクリートのミクロな構造に基づいて作成し、複素モデュラスのシミュレーションに用いた。この解析では不均一の骨材と空隙の分布が、様々な肉厚の供試体においてモデュラスの推定に及ぼす影響について、かなりの知見を与えるものであった。結果は今行っている実験室で行っている破壊シミュレーションと組み合わせれば、将来的にHCT供試体の寸法、特に肉厚の最適化のために役立つことになる。
どんな供試体で試験するのか、下に示しておきます。
多分、ジャイレトリーで作成してくり抜いたものでしょう。専用のコアカッターが必要になりそうです。中に液体を入れた風船を入れて圧力をかけるみたいな感じです。質問では、この試験法では供試体の材料が不均質であっても、均等に力がかかるのではないか?という疑問が出ていました。面白いのでは、現場でコアを採った後の穴にストレインゲージ貼って試験することも考えられるのでは?というのがありました。土ではフランスにそんな試験法があるそうです。右の下はアクチュエータ、上が供試体が入る保温槽です。もう一つ、チューブがいっぱい繋がっていますから、どこか別に加圧装置とかヒーターとかがありそうです。