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2004年度・AAPT・アスファルト舗装技術目次へ
技術セッション 05

The Effect of Vertical Inhomogeneity on Compressive Properties of Asphalt Mixtures

アスファルト混合物の圧縮特性に対する垂直不均等制の影響

H. Azari: Turner-Fairbank Highway Research Center,
R. McCuen: Professor, University of Maryland, K. Stuart: Research Engineer, Turner-Fairbank Highway Research Center

Abstract

 垂直不均質性とは、もとの混合物の設計粒度が供試体の深さ方向に、より細かく、粗になることを指する言葉であるが、試験室で締め固めたアスファルト混合物の供試体によく見られるものである。この現象は粗骨材がモールドの底に沈み込み、結果として細骨材は沈み込みを阻害されることによる、と信じられている。また、締め固めによるニーディングもより大きな骨材をモールドの底に押し込む働きをする。こうして不均一性は存在するのであるが、これがアスファルト混合物の機械的特性に与える影響については知られていない。
 この影響を研究するために均一な混合物と不均一な混合物を作成した。不均一性の程度を表すために X線CTスキャンを行って供試体の断面の画像を得た。スキャンした画像から不均一性の程度を評価する指標を考案した。この指標により、均一と不均一を明瞭に識別できた。
 混合物の圧縮モデュラスを21℃および45℃で周波数スイープ簡易供用性動的モデュラス試験によって計測した。軸方向永久変形に対する抵抗は、で計測した。垂直不均質性が供試体の圧縮特性に与える影響を二つの温度で調査した。いずれの温度でも、また、垂直方向の永久変形についても動的モデュラスには有意な差は見られなかった。圧縮特性と不均一性指標との間には相関はあるにはあるが、全体的にはほとんどなく、相関は45℃におけるよりも、21℃での方が高かった。(45℃の方で高くなければ、わだち掘れに関係するとは言えないでしょう。
 本研究の結果からは簡易供用性試験は極度の垂直不均質性に対しても感度は低い。元の混合物から分離して粒度が粗になったり細かくなったりしても平均的な特性は均一な供試体で計測されるものと対等と考えられる。このことから、試験室で作成した供試体について簡易供用性試験で計測した圧縮特性から実道路での供用性を予測しても信頼できるのではないだろうか?

 frequency sweep simple performance dynamic modulus test: 一般的用語ではなさそうです。著者独自の命名? 図、写真がこの論文には見あたりません。周波数を変えて計測したと思われるデータもありません。調べてみたらhttp://www.tfhrc.gov/pubrds/05jan/07.htmにSimple Performance Testerとして写真がありました。ようやくSSTに代わるスーパーペーブの簡易な供用性試験機が出てきたようです。周波数スイープを出来るようにすることは簡単なので、そういう機能もあるのでしょう。実際にやるのは大変だと思いますが。多分、付属の加圧装置、制御、記録装置などが別にあると思いますが、本体はテーブルの上に乗る手軽な感じです。概略図も見つかりましたので下に示します。NCHRP Report 513にありました。最終的な仕様がまとめられているようです。フロー値試験も試験でき、これは繰り返し荷重で動的にやるのと、静的にやるのと両方できます。動的モデュラスは計測方法が違うだけでレジリエントモデュラスと言っているものと同じだと思います。一応、設計検討に使える値だということです。