トップページ | 建設用語中辞典(英仏独和) | 技術資料・目次 | 佐藤渡辺通信 | スパム紹介(日記) | |
世界の文化 | 国名・国旗の由来 | 日本の文化 | 自治体リンク(県・50音別) | アクセス解析・公開 | 作者のページ(更新状況) |
スーパーペーブジャイレトリーの締め固め特性と間接引張強度を用いた、わだち掘れの予測
R. Michael Anderson, Donald W. Christensen and Ramon Bonaquist
SHRPの研究はスーパーペーブ配合設計法と解析システムをもたらして終了した。スーパーペーブ配合設計法は容積設計であり、機械的特性試験と供用性予測解析法で支えられるものである。残念ながら供用性予測モデルと、これに入力すべき機械的特性試験のコストと複雑さは、スーパーペーブ配合設計法を適当な供用性予測方法のない単なる容積設計の手順にしてしまった。
NCHRPが主導してアスファルト混合物の供用性の簡易な試験法に関する研究がいくつか行われたが、その一つである NCHRP Project 9-16では、スーパーペーブジャイレトリー締め固め試験機での締め固め中に得られる特性が混合物のわだち掘れ抵抗と関係があるという仮説に基づいた研究を行った。結果は締め固め勾配などは、いくぶん骨材特性(粒度、形状、表面性状および角張り)と関係があるように見られるが、バインダ量やアスファルトの等級(スティフネス)などのアスファルトバインダの特性には影響されなかった。
簡易な供用性に関する別の研究としてペンシルバニア輸送研究所(PTI)と先進アスファルト技術研究所(AAT)はアスファルト混合物の間接引張強度がモール-クーロンの破壊理論における混合物の結合力と相関性があり、つまりは混合物のわだち掘れしやすさと関係することを見いだした。
スーパーペーブジャイレトリー締め固め試験機による特性とは異なり、間接引張強度はアスファルトバインダのスティフネスに影響されていた。
私に言わせれば、ジャイレトリーによる締め固めは、混合と舗設を考えて、どの混合物でも同程度の粘度、つまりスティフネスになる温度で行うので、供用時の温度を想定したアスファルトの等級としてのスティフネスとは試験温度が異なり、バインダによる差は出ないのは当たり前のような気がします。ジャイレトリーでわだち掘れ特性を見ようというのなら、もっと低い60℃とかの温度でやる必要があるように思います。試験器が壊れる恐れがありますけど。例によって熱い議論の詳細がついていますが、この点についての言及はありませんでした。その代わりというか、アメリカでわだち掘れが問題になってきた1970年代、トラックの空気圧がドラマティックに高くなって、それまで 20年も問題のなかったアスファルト舗装がわだち掘れを生じてきた、という紹介が気になりました。ネットで調べると空気圧が 1 kg/cm2低いと燃費が 5%悪くなるようで、空気圧は高い方向になってきたようです。実際に走行しているトラックの空気圧はかなり高くしてあるようです。過積載の時代には空気圧を倍くらいにしないと実際上走れなかったでしょう。