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2003年度・AAPT・アスファルト舗装技術目次へ
技術セッション 13

Investigations on Bitumen Rejuvenator Diffusion and Structural Stability

アスファルト若返り剤および構造安定性の調査

Robert Karlsson and Ulf Isacsson

Abstract

 本論文は旧アスファルトと新バインダ(若返り剤)のアスファルトリサイクルにおける混合プロセスおよび再生したバインダの構造安定性についての研究をとりまとめたものである。
 FTIR-ATR (減衰全反射率フーリエ変換赤外スペクトロスコピー? Fourier Transform Infrared Spectroscopy byAttenuated Total Reflectance) を用いて若返り剤の分散をモニターした。全般的に分散速度は温度、分散する分子の大きさと形および分散が行われる溶媒の粘度に影響される。アスファルトの老化はかなりの粘度の増加をもたらすので、分散プロセスでの、その影響を調査することとした。ここに発表する研究の結果では分散速度を支配するのは、アスファルトの全体としての粘度よりもマルテン相の粘度であることと、アスファルトの老化は分散プロセスにそれほど影響しないことがわかった。
 レオロジー的な検知方法でも分散をモニターし、FTIR-ATRを使った化学的な方法で観測された分散速度とかなりよく相関関係がある。
 古いアスファルトと新規アスファルトのアスファルト混合物の構造安定性を三次元濁度滴定装置で、分散、極性および水素結合成分などのHansen溶解パラメータ三次元的に視覚化した。この研究はアスファルトのリサイクル過程での古いアスファルトに新規アスファルトを混合することに関する否定的な結果がないか調査するために始められた。結果は新旧のアスファルト混合に関しては新旧のアスファルトがなじむのであればアスファルトのリサイクルを制約するものではないということであった。

  ここで構造といっているのは、新旧のアスファルトの混ざり具合をいっているようです。若返り剤 rejuvenatorと言っているのは単に軟らかいアスファルトのようです。FTIRというのは、赤外線が分子の電子対結合で吸収されるが結合のタイプによって強度、周波数が違うのを検出するということのようです。さらにATRというのは下の図の真ん中の灰色がバインダで、その下はプリズムになっていて、赤外線がバインダ層に当たっては跳ね返って、減衰が大きくなったところで、検出部に出ていくという仕掛けのようです。

 質問でポリマー改質アスファルトについては研究したのか?とあって研究はしてないということでしたが、さらに予想としてはどうだ?と問われて、分散すれば問題はないだろう、みたいなことを言っています。
 劣化してきた舗装面に若返り剤を撒くというのはどうだ?と質問があり、発表者はスウェーデン人でスウェーデンではやっていないが、興味深いと言うと、Davis氏、多分、アメリカだと思いますが、何年も前からひび割れが広がる前にやっていて、数年間は新しいアスファルト舗装のように見える、といったことを言っていました。