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アスファルトの改質における酸性/塩基性の化学
Gayle King, S. W. Bishara, Glenn Fager
スーパーペーブの出現により、十分なモデュラスを有してわだち掘れに抵抗でき(Th)、しかも温度クラックを防げる限界スティフネスの温度限界(TI)が広いアスファルトを必要とすることになった。酸性および塩基性の改質剤が、アスファルトのスティフネスを改善し、Thを、TIをそれほど損なうことなくアスファルトのスティフネスを向上させることが示されてきた。これらの改質剤はポリマーなど、アスファルトの感温性の改善に用いられる、ほかの改質剤にくらべて、低コストであり、供用性等級(PG)のアスファルトバインダに焦点を当てた競争環境において、他を圧する勢いで使用されている。アミン系はく離防止剤(ASA)は、長らく水分の有害な影響を軽減するためにアスファルト混合物に添加されてきた。アミンのはく離防止性は、一般に水の存在下において、骨材表面と強い親和性を示す、窒素の単独電子対によるものとされている。
このような塩基性の添加剤が酸性材料で改質されたアスファルトに添加されたときにどうなるのか?化学の基本的な法則として、酸性の改質剤と塩基性のASAは相互に反応してアミン塩を形成することがあり得る。これは、いくつかの問題を提起する:
・ | 酸性の改質剤が中性化するとわだち掘れ抵抗性は落ちるのか? |
・ | 活性の電子対が酸の陽子(H+)によってブロックされてもASAの水分に対する抵抗性は保たれるのか? |
・ | 化合物として生成された塩化物は、アスファルト膜の透水性を高めたり、熱、水分や交通のもとでアスファルトを乳化させたりして、水分による損傷を招かないのか? |
・ | リン酸添加剤は高温域においてアスファルトのスティフネスをかなり向上させる。酸がもっと高濃度になれば水分による損傷が生じる可能性がある。 | |
・ | この調査で用いた混合物については、ホイールトラッキング試験でも、KT-56でも、ASAは水分による損傷を一貫して減少させた。 | |
・ | リン酸はASAと反応する。この両方の添加剤を同一混合物に用いた場合、バインダのThはかなり低下し、ASAの活性は低下して、有機塩が形成される。KT-56もホイールトラッキング試験もかなりの水分による損傷を予測させる。 | |
・ | ASAの添加が必要な場合は、バインダのThはアミンを添加したのちに決定して仕様化する必要がある。 | |
・ | ホイールトラッキング試験は酸性あるいは塩基性の改質剤を含む混合物のはく離性に関する情報を得るのに有効である。 | |