トップページ | 建設用語中辞典(英仏独和) | 技術資料・目次 | 佐藤渡辺通信 | スパム紹介(日記) | |
世界の文化 | 国名・国旗の由来 | 日本の文化 | 自治体リンク(県・50音別) | アクセス解析・公開 | 作者のページ(更新状況) |
骨材間隙率(VMA)が粗粒度、および細粒度アスファルト混合物の機械的特性におよぼす影響
R. Michael Anderson and Ross A. Bentsen
骨材中の空隙の百分率 (VMA)は1950年代の後半から、加熱混合アスファルト (HMA)の設計に用いる、アスファルト混合物の容積特性の評価のための付加的なツールとして提案されてきた。しかしながら、SHRP以前は混合物設計のパラメータとして決定的なものとしては、あまり扱われていなかった。 1985年にいたっても、VMAを混合物設計の特性として用いる州は3分の1未満であった。
スーパーペーブ混合物のVMAの要求を達成するのは難しく、そのため、いくつかの研究が行われてきた。 その一つである Kandhalらの研究では、粗粒度アスファルト混合物と細粒度アスファルト混合物とでは、VMAの基準は変えるべきである、としている。これは、スーパーペーブの VMAの基準は VMAは小さいがバインダの膜厚は適切にとれている粗粒度の混合物を不当に評価しているというものである。
我々の行った実験は VMAの変化が粗粒度および細粒度のアスファルト混合物の供用性に関連する特性に与える影響を評価するためのものであった。特に、中温時 (疲労クラックへの抵抗)と高温時 (わだち掘れ抵抗)について VMAを増すことが混合物の特性に与える影響についてである。
試験結果は、中温時のスティフネスと疲労試験および付随する解析から見ると、VMAが13%と15%の混合物について、疲労特性については統計的に有意な差はなかった。また、粗粒度混合物と細粒度混合物の疲労特性についても、同じ VMAとして、統計的に有意な差はなかった。
高温時の試験では、異なる VMAの混合物および異なる粒度 (粗粒度と細粒度) では、いくつか有意さが見られた。
最後に、せん断試験のデータによれば、 VMAを13%から15%に上げると細粒度混合物についてはせん断疲労特性が50%改善とかなり改善され、一方、高温時のスティフネスとわだち掘れ特性については30%以下の減となった。対照的に粗粒度混合物について VMAを13%から15%に上げると、その供用特性にたいして有害であるようである。この結果は、粗粒度混合物において VMAを大きくすることは必要はなく、むしろ供用性が悪くなる可能性があるという業界の危惧を裏付けるものである。本研究では細粒度混合物については VMAの変化はあまり大きくなかった。