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2000年度・AAPT・アスファルト舗装技術目次へ
技術セッション 18

Low Temperature Performance of SBS-Modified Asphalt Mixes

SBSで改質したアスファルトによる混合物の低温時の供用性

Simo Hesp, Theo Terlouw and Willem Vonk, Geoff Rowe, M.J. Sharrock

 二つの異なるアスファルトを様々の量のSBSポリマーで改質したもので作成した密粒度アスファルトコンクリートについて、拘束冷却試験(どのようにして固定するのかわかりませんが、供試体が自由に伸縮できないようにして冷却すると、収縮がさまたげられて応力が発生するという試験だと思います。)を行った。標準的な冷却速度の時間あたり10℃では改質した供試体も改質しないものも大差はなかった。アスファルトの原油とか硬さ(針入度等級)あるいはポリマー量もポリマーの効果に何の影響も与えないかのように思われた。しかしながら、供試体から発する音響については改質したものは、非改質のものに比べて一桁低いことが分かった。
 観察では、多くの供試体は文献でよく報告されている破滅的な破壊でなく、次第に破壊した。これは、試験のシステムがひび割れの発生から成長の過程を長くするよう正確に制御されていたためと思われる。音響の発生は、ときに温度応力がピークになる温度よりも5℃ほど高い温度から始まっていた。破滅的な破壊は、最大応力に達してから、かなり後に音響発生が見られると、直ちに生じる。しばしば、-50℃までになっても巨視的なひび割れの兆候が見られないことがあった。
 供試体に切り欠きを作って拘束冷却試験をして、おおくの重要な観察結果が得られた。第一は、供試体に切り欠きをつけると、最大応力に達する時点と、音響発生の始まりとが近ずき、ひび割れ発生の過程の大部分がバイパスされるようである。第二は、切り欠きの存在は強度の減少が、非改質のものの方が改質のものよりも際だっていることである。
 各種の改質バインダのビーム曲げのスティフネス(S)、つまりクリープ曲線の傾きと引っ張り破壊ひずみ(εf)との、拘束冷却試験結果との相関をとってみた。εfが1.3%に達したときの温度が切り欠きをつけた供試体の拘束冷却試験で得られた、最大荷重時の温度と最も相関がよかった(傾き 0.95、オフセット 10.2℃、r2)。切り欠きをつけた供試体については、最大応力に達する温度の予測には、SHRPのパラメータ(または、それと組み合わせた)は、あまり満足できるものではなかった。SHRPのパラメータのいずれも、切り欠きをつけない供試体の拘束冷却試験の結果との相関はあまりなかった。
 非改質のものとSBS改質のものとでは、供試体を次第に低温にする温度サイクルで試験したときに、有意な差が見られた。非改質の供試体は破滅的な破壊をすることが多いのに対して、改質したものの供試体は巨視的なひび割れの形成に、より抵抗性が見られた。切り欠きをつけた供試体の温度疲労サイクルについては、アスファルトのタフネスが供用性に与える影響を見ることができた。重量で5%のSBSで改質した非常にタフなものだけが、-50℃という低温まで破滅的破壊の兆候をみせず、厳しい温度サイクルに耐えることができた。通常のアスファルト(アスファルテン分の多い)で調製した供試体はすべて、従来の熱応力拘束供試体試験(TSRST: Thermal Stress Restrained Specimen Test)で最大応力に近い応力レベル達するとかなりの数の破滅的な破壊を見せた。低温破壊に対するタフネスとバインダの破壊エネルギーが舗装の低温における供用性を予測するための重要なパラメータであると思われる。