トップページ建設用語中辞典(英仏独和)技術資料・目次佐藤渡辺通信スパム紹介(日記)
世界の文化国名・国旗の由来日本の文化自治体リンク(県・50音別)アクセス解析・公開作者のページ(更新状況)

2000年度・AAPT・アスファルト舗装技術目次へ
技術セッション 17

Consideration of Strain at Failure and Strength in Prediction of Pavement Thermal Cracking

舗装の温度ひび割れの予測における、破壊時のひずみと強度に関する考察

Hussain Bahia, Menglan Zang and Kitae Nam, Geoff Rowe, M.J. Sharrock

 本研究では、アスファルト舗装の温度ひび割れに予測に必要な粘弾性の理論的原理について検討した。既存の舗装のひび割れに関する予測における仮定もしくは単純化などについて検証した。これらの研究では、この現象の複雑性はよく理解されているが、提案された予測方法ではいくつかの単純化が行われていた。また、ひび割れの予測に必要な破壊限界としてはアスファルト混合物あるはバインダの強度だけを想定していた。これらの方法は、破壊時点でのひずみがひび割れを支配する可能性を考慮にいれていなかった。これらの方法の大多数はまた、冷却速度がアスファルトバインダ、あるいは混合物の強度に与える影響について考慮していなかった。さらに、アスファルト材料について知られているガラス遷移の挙動は熱によるひずみ、あるいは結果としての舗装体の応力の計算に取り込まれていなかった。
 この研究では、破壊時のひずみと強度の特性、破壊ひずみと強度の冷却速度への依存性、アスファルトバインダおよび混合物のガラス遷移挙動を取り込む試みを行った。研究の焦点はアスファルト舗装の温度ひび割れの予測における破壊ひずみの役割に当てた。提案した手法による予測の例を一つのストレートアスファルトとポリマー改質アスファルトについて示した。破壊ひずみに基づいて予測したひび割れ温度を従来の熱応力とひずみの考え方によるものと比較した。
 研究の結果では、アスファルトバインダのひずみ許容特性、破壊特性(ひずみ、および強度)の冷却速度への依存性、およびガラス遷移特性は、より信頼性の高い予測モデルに取り込むことができると思われる。また、破壊時ひずみは舗装のひび割れ予測に必要な重要な基準であり、強度よりも低温ひび割れの限界をもたらす可能性がある。これらの結果は実は理論解析と限られた実験データに基づくものではあるが、現場での検証に十分に値するものである。