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第二次世界大戦が終わり、日本に進駐してきた米軍が、「日本には道路用地はあるが道路はない。」と言ったとされています。もちろん誇張ですが、「文明国にしてこれほどに道路を無視してきた国を知らない」と言わしめたほど戦中は道路の整備は無視されていたわけです。ちゃんとした舗装があってはじめて道路ということになります。 その舗装とはどこを指しているのでしょう。表面の5cm〜10cmが舗装だと思っている人が多いのではないでしょうか? ちょっと右のアスファルト舗装の場合の舗装の構造図を見て下さい。上から表層が5〜10cm、基層:(バインダコースというのがカッコいい言い方です。イギリスだとベースコースです。) もやはり、5〜10cm、その間に中間層というのが5cmくらい入ることがあります。その下に上層路盤が5〜20cmくらい、下層路盤が10〜20cmくらい、ここまでが舗装技術者の言う舗装です。このような舗装の構成を舗装構成とか断面構成と呼ぶことがあります。路盤の英語はアメリカだとbase course、イギリスだとsubbase course です。基層がアスファルト混合物だとアスファルト基層です。ということはコンクリート基層もあるわけです。これらの構成要素の全体を含めて舗装体と呼びます。その下、約1mが路床(ろしょう)、その下の盛土部分を路体(ろたい)と言っています。 なぜ、そんなに分けるの?、どうして厚さがそんなに違うの? どうして分けるのかというと、舗装をできるだけ安く作るためには上から下まで高品質のもので作ると高くつくからです。車にしろ、何にしろ、荷重というものはある厚味のある材料があると、分散していきます。上から針のようなもので突いたとしても10cm下では直径20cmほどの面積に荷重はひろがります。これですと荷重はひどく小さくなりますが、実際の荷重は広がるのと同時に重なりあいますので、そううまくはいきません。でもタイヤの踏むところが直径20cmとすると、10cm下では直径40cmほどにひろがり、上から押す力に関して言えばおおよそ4分の1程度になります。実際には水平方向に引っ張る力は下の方が大きくなったりしますが、おおまかには、一番上は強い材料で作って、下にいくにしたがって、少し弱いが安い材料を使うのが経済的というわけです。荷重が特に大きい場合には中間層というのも意味があるわけです。かといって、あまりに細分しすぎても今度は各層ごとに施工の手間がかかりますから、かえって高くつきます。そのへんの妥協で最適な構造を選択するのが舗装技術者の役目です。舗装の厚さは高速道路のような場合は約1mくらいあるでしょう。簡易舗装と呼ばれる農道などで使われる舗装では上層路盤、下層路盤の区別などなく、表層、基層の区別もないのが普通です。この場合は15〜20cmということになるでしょう。 表層 surface course couche de surface Deckenschicht 基層、バインダコース、ベースコース(英) binder course, base course(英) couche de base Tragschicht? アスファルト基層 asphalt binder course couche de base bitumineuse Asphalttragschicht 中間層 intermediate course couche intermdiaire, couche d'assise Zwischenschicht, Bettschicht 上層路盤 base course, subbase course(英) couche de base Tragschicht 下層路盤 subbase course couche fondation untere Tragschicht 路床 subgrade sous-sol Untergrund 路体 filled up ground terrain remblay aufgeflltes Gelnde, Auftrag | |||||||||||||
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