じょうはつざんりゅうぶん 蒸発残留分 residue by evaporation | アスファルト乳剤の濃さを見るもので、加熱して水分を飛ばして残った残留物の重量で、最初の重量に対する百分率で表します。 | ||||||
じょうはつりょうしけん 蒸発量試験 loss on heating test essais de perte de chaleur W�rmerverlustspr�fung 蒸発後の針入度 penetration ratio after heating essais de p�n�tration apr�s �tuvage Penetration nach dem Erhitzen 蒸発後の針入度比 penetration ratio after loss-on-heating test coefficient de p�n�tration apr�s �tuvage | アスファルトは加熱したりするので、揮発分の蒸発や空気中の酸素の影響で変質します。その程度を163℃(混合物を練るときの温度を想定したものでしょう。)の空気中で5時間放置して、減った重量で量ります。この後に計った針入度を蒸発後の針入度と言います。元の針入度に対する百分率は蒸発後の針入度比ということになります。似たような試験に薄膜加熱試験↓があり、この方が条件が厳しいので、現在は薄膜加熱試験が用いられています。 | ||||||
TFOT 薄膜加熱試験 Thin Film Oven Test essai d'�tuvage en film mince D�nnschichtw�rme | 薄膜加熱試験:アスファルトの劣化のしやすさを調べるための試験で、小さな皿にアスファルトを入れて水平に回転させながら、5時間、163℃に加熱して、試験後の針入度などを調べます。この結果が残留針入度 residual penetrationで、もとの試料の針入度に対する百分率で表します。残留針入度は再生の目的で回収したアスファルトについても用いられます。回転薄膜加熱試験↓というのもあります。 | ||||||
RTFOT RTFOT 回転薄膜加熱試験 Rolling Thin Film Oven Test | ![]() ![]() | ||||||
PAV Pressure Aging Vessel | ![]() ![]() | ||||||
しんにゅうどしけん 針入度試験 penetration test essai de p�n�tration Penetrationversuch | ![]() | ||||||
なんかてんしけん 軟化点試験 softening point test essai du point de ramollissemen Erweichungspunktpr�fung 軟化点 softening point point de ramollissementt, TBA (Temperature de ramollissement Bille et Anneau Erweichungspunkt 環球法 Ring and ball method essai bille et anneau Ring und Kugelmothode | ![]() | ||||||
あんていせいしけん 安定性試験 soundness test essai de stabilit� de volume Raumbest�ndigkeitspr�fung | 骨材の凍結融解に対する抵抗性を調べる試験です。実際に凍結させるのは大変なので、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウムにように、水に溶けやすく、少し高温になると結晶する物質を水に溶かして、その中に骨材を16〜18時間、漬けては、105℃くらいで乾燥させることを繰り返すと、骨材の中にしみこんだ硫酸塩が結晶して、凍結の時に水が氷になるときの破壊作用と似た感じで骨材が摩損していきます。こうして損失した重量の百分率で評価します。 | ||||||
しんど 伸度 ductility ductilit� Duktilit�, Streckbarkeit | ![]() ![]() | ||||||
あんていど 安定度 stability stabilit� Stabilit�t マーシャル安定度 Marshall stability test stabilit� Marshall Marshall-Stabilit�t 残留安定度 residual stability stabilit� r�siduelle Reststabilit�t 水浸マーシャル試験 immersion Marshall test 水浸マーシャル試験 essai immerg� de Marshall Wasserbad-Marshall-Verfahren 安定度試験 stability test essai de stabilit� Stabilit�tversuch | アスファルト混合物の一種の強度です。単に安定度というとマーシャル突き固め試験機で締め固めた円筒形の供試体を横置きにして、マーシャル安定度試験機で押しつぶすようにして試験したときのマーシャル安定度を意味し、動的安定度というと、わだち掘れに対する強さをあらわす値を意味します。アスファルトは温度によって硬くなったり軟らかくなったりするので、60℃で試験することになっています。マーシャル突き固め試験機とマーシャル安定度試験機とは、セットでマーシャル試験機で、どちらも単にマーシャル試験機で通るようです。また、残留安定度というのは、水の影響度を試験するために、水中に一定期間、浸した混合物について行うマーシャル(安定度)試験を行ってその強さの比で表わします。(この試験が水浸マーシャル試験です。) 外国の文献でmoisture susceptiblityとかmoisture sensitivityという言葉がよく出てきますが、日本語にすると水分感受性といった感じですが、多分、この水浸マーシャル試験のことでしょう。安定度を計る試験法は、日本では現在、使われていませんが、ほかにもいろいろあるようです。全部ひっくるめて安定度試験です。
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フロー値 flow value fluage Flieァwert フロー試験 flow test essai de fluage Flieァpr�fung | アスファルト混合物のマーシャル安定度試験↑において、最大荷重を示したときの供試体の変形量(1/100cm)のことで、大き過ぎるものはわだち掘れを生じやすく、小すぎるのものはひび割れしやすく、適度な範囲であることが必要です。20 - 40くらいが良いとされています。もう一つ、コンクリートの方では、セメントの試験にも、フロー試験というのがあって、フロー値がありますが、これは練ったものを入れた容器をとんとんと衝撃を与えて、その広がった直径をフロー値とするようです。フロー試験では石粉にも水で練っておいて、やはり衝撃をあたえて、広がりを計り、200 mmになる時の水の重量百分率を求める試験があります。 | ||||||
ホイールトラッキング試験 Wheel Tracking Test essai de trace de route Radeindruckpr�fung 動的安定度 dynamic stability stabilit� dynamique dynamische stabilit�t | アスファルト混合物の、わだち掘れのしにくさを試験する試験です。専門家の間ではWT試験と略して書くこともあります。30 cm角、厚さ5 cmの板を作って、夏の高温を想定した温度で、その上を小さなタイヤで往復させ、1 mmのわだち掘れができるのに何回往復したかを調べます。これを動的安定度と呼びます。よく略してDSと呼ばれます。1分間あたりのわだち掘れの深さをRD (Rate of Deformationの略)と言いますが、最近はアスファルト混合物が丈夫になったせいで、数字が小さ過ぎるのと、DSと、一定の関係があり、同じ情報なので用いられなくなっています。ここに説明した試験法は日本独特のもので、国によって違います。試験機の名称もイギリスなどは日本と同じですが、アメリカは標準的なものが、APA(Asphalt Pavement Analyzer)、フランスだと、wheel trackerとか、French Rutting Tester(FRT)(英語の読み方で同じものです。商品名としてはORNIEREURのようです。)、ドイツだとHumburg-Wheel-Tracking Deviceになり、それぞれ、供試体の大きさなどが違います。 | ||||||
すなとうりょう 砂当量 sand equivalent �quivalet de sable Sand�quivalent | 細骨材に中に含まれている粘土やダストなどの好ましくない成分の量を示す数値です。細骨材をシリンダ内のある試験溶液の中で激しく振り、そのまま置いておくと、砂の成分は沈澱しますが、その他のものは浮遊します。液面と砂の堆積面との高さの比を砂当量とします。この試験はASTMで規定されており、日本では、これに関する規定はありません。略語はSEになります。 | ||||||
そせいへんけいりんすう 塑性変形輪数 | 平成13年7月に日本道路協会から発行された「舗装の構造に関する技術基準・同解説」では塑性変形輪数という新語が出てきます。よく見ると動的安定度↑と同じのようで、これが正式名称になった感がありますが、よく見ると、この輪数はホイールトラッキング試験だけで求めるのではなく、現地で実車を使って試験する方法と、現地と同じ舗装構造を作って60℃で試験する方法提示されており、本来は別の試験法が望ましいと考えられているようです。確かに現在のように丈夫なアスファルト混合物が製造されるようになると、ホイールトラッキング試験では、測定誤差のような小さな値の逆数をとるような試験になり、精度に疑問が出てきていますが、さりとて、この解説にもほかの方法の実施方法、評価方法が示されているわけではなく、実現も極めて困難なようです。 | ||||||
すり減り減量 abrasion loss perte par abrasion Riebverlust ロサンゼルス試験機 Los Angels abrasion testing machine appareil d'essai Los Angels Los Angels Abriebpr�fungsger�t ドバル試験 Deval testing machine appareil d'essai Deval Deval-Trommelm�hle 破砕試験 crushing strength test essai de concassage Brechfestigkeitpr�fung PSV Polished Stone Value valeur de la pierre polie | 骨材のすり減りやすさをあらわす指標で、骨材を鉄のドラムの中で鉄の球と一緒に回転させるロサンゼルス試験機にかけ、すりへった重量の率で表わします。すり減り量を調べる試験法にドバル試験というのがあります。ドラムが小さいだけで試験法も似たようなものですが、現在ではほとんど使われません。ちょっとやり方が違いますが、同じような目的の試験で破砕試験というのがあります。直径15 cmくらいの鉄製円筒に骨材試料を詰め、40トンくらいの荷重をかけて押しつぶすようにすると骨材の丈夫でない部分は破砕されます。これを2.5 mmふるいでふるって通過した分を百分率で表し、破砕値といいます。イギリスの試験法で、ロサンゼルス試験の簡易版といったものです。タイヤによる摩耗を想定した試験法があって、円筒の周りに試料を貼り付けてタイヤの下で回転させて、ポータブルテスタで摩擦係数に相当するPSVを求める試験法がイギリスにあります。 | ||||||
カンタブロ試験 Cantabro test | スペインのカンタブロ大学で開発したというか、アスファルト混合物の骨材が交通による飛び散るのに対する抵抗を評価するために、供試体にマーシャル試験のものを用い、ロサンゼルス試験機↑を利用して、鉄球は用いずに供試体だけをドラムの中でゴロゴロとさせるものです。排水性舗装では、特に問題になるのでこの試験を行ってアスファルト量が少なすぎないかチェックします。 | ||||||
ラベリング摩耗量 ravelling loss ラベリング ravelling ecaillage Abbr�ckeln フレッティング fretting usure par frottement Abrieb, Abnutzung von Asphalt アブレージョン abrasion | ![]() | ||||||
ポリッシング作用 polishing action action de polissage Nachbehandlung, Nachschleifen PSV Polished Stone Value valeur de la pierre polie | 車両の走行や人の歩行などで舗装面がみがかれる作用のことです。すり減りをかっこよく言ったものです。石灰岩などの軟らかい骨材を用いた舗装では、ポリッシングによりすべりやすくなるおそれがあります。タイヤによる摩耗を想定した試験法があって、円筒の周りに試料を貼り付けてタイヤの下で回転させて、ポータブルテスタで摩擦係数に相当するPSVを求める試験法がイギリスにあります。すり磨きという言葉がありますが、これは、ひび割れたコンクリートで、分かれたコンクリートがお互いにこすれあってすり減ることです。橋の床版のように繰り返し荷重がかかるところでよく起こります。水が入るとさらに急速に進み、ひび割れが上から下まで貫通すると、並列梁構造化と言って、床版が一体でなく分割された梁になってしまい、毛利元就の三本の矢ではありませんが、弱くなります。 | ||||||
とうすいけいすう 透水係数 coefficient of permeability coefficient de perm�abilit� Durchl�ssigkeitskoeffizient 透水性舗装 permeable pavement rev�tement perm�able durchl�ssige Straァendecke 透水性アスファルト混合物 permeable asphalt mixture 排水性舗装 drainage pavement | 土や粒状の物質のの中での水の透りやすさの指標で、単位の圧力のもとで水の流れる速度で表わします。透水性の大きい舗装が透水性舗装で、それを作るには、透水性アスファルト混合物、透水性コンクリートが用いられます。透水性舗装と排水性舗装は見た目は同じですが、透水性舗装は舗装の下の路床まで水が透っていきます。路床に水が入ると一般には悪影響がありますので、歩道のような軽い交通のところか、重交通の道路に用いる場合は路床から水が入ってもいいような設計にする必要があります。この場合、急激に水が浸透するして路床が軟弱化するのを防ぐため、フィルター層というのを設けます。排水性舗装では透水性の舗装のすぐ下に水を透さない層を設け、側方に排水します。この透水係数を計る方法が透水試験ですが下の項で説明します。 | ||||||
とうすいしけん 透水試験 permeability test essai de permeabilit� Durchl�ssigkeitsversuch 現場透水試験 in-situ permeability test Durchsickerungsversuch am Bauplatz 定水位式透水試験 constant head permeability test perme�am�tre � charge constante Durchl�ssigkeit mit gleichbleibendem Wasserdruck 変水位透水試験 falling head permeability test essai de perm�abilite � niveau variable, essai de perm�abilite � charge variable Durchl�ssigkeitversuch mit abnehmendem Wasserdruck | 舗装の場合、室内で行うものと現場で行う現場透水試験があります。どれも水を実際に流してやるのですが、現場で行うものは透水係数↑を求めるわけではなく、円筒を路面に押しつけて横漏れしないようにゴム粘土のようなもので塞いでおいて、中に一定量の水を入れて何秒で路面に吸い込まれるかを計って、15秒あたりに換算したものを浸透水量と呼び、一番よく行われます。室内で行うものは3種類あります。水を自然流下させるのに2通りあって一つは水位を一定に保つように水を補給しながら、行う定水位式透水試験。もう一つは一定量の水を流下させて水位が変化する変水位透水試験ですが、普通は定水位式透水試験でやります。ここまでの透水試験は水の透りやすさを見ると言う試験ですが、防水能力を問題にする橋面の舗装などで水の透りにくさを計るには圧力をかけて強制的に水を透させる加圧式透水試験があります。これらでは透水係数が求められます。 | ||||||
アスファルト抽出法 asphalt extraction 抽出試験 extraction test essai d'extraction Extraktionprobe ソックスレー法 Soxhlet (extraction) test m�thode d'extracton Soxhlet Soxhlet-Extraktionsmethode 遠心分離法 centrifugal extraction method m�thode d'extraction centrifuge Schleuderverfahren 燃焼法 ignition method, combustion method m�thode d'ignition Brennmethode アブソン法 Abson extraction test, Abson method essai d'extraction Abson Abson-Extraktionspr&uujl;fung 四塩化炭素 carbon tetrachloride t�trachlorure de carbone TetrachlorKohlenl�slichkeit 三塩化エタン (トリクロロエタン) trichloroethane) trichloro �thane Trichlor�than 二塩化メチレン methylene dichloride トリクロルエチレン ethylene trichloride プロピルブロマイド propyl-bromide リモネン limonene | ![]() ![]() | ||||||
ぶんりゅうしけん 分留試験 distillation test essai de distillation Destillationspr�fung | 蒸留試験とも呼ばれます。カットバックアスファルトや舗装タールに含まれる溶剤分、揮発性油分が蒸発する速さ(蒸発することによってアスファルトとして働くようになります。)、残留物量を計ったりする試験です。 | ||||||
あらいしけん 洗い試験 decantation test washing analysis essai d'entra�nement Sedimentationsversuch | 骨材に混じっている、粘土、シルトなどの好ましくない成分の量を計る試験です。0.088mmのフルイの上に目詰まり防止のため、1.2mmのフルイを重ねた上で骨材を水洗いすると0.088mm以下の細粒分が流されます。残った試料の重量と再処理重量との差から、この細粒分の重量%を求めます。細粒分が多いと、コンクリートでは、単位水量が余分に必要になったり、セメントと骨材の付着が悪くなるなどの悪さをします。 | ||||||
ねんど 粘度 viscousity viscosit� Viskosit�t 絶対粘度 absolute viscousity viscosit� dynamique dynamische viskosit�r 動粘度 kinematic viscousity viscosit� cin�matique kinematische Viskosit�t ポアズ poise poise poise セイボルトフロール度 Saybolt-Furol viscousity viscosit� de Saybolt-Rurol Saybolt-Furol-Viskosit�t エングラー度 Englar viscosity viscosit� Engler Engler-Viskosit�t 滑板式粘度計 sliding plate microviscometer マイクロビスコメータ microviscometer microviscosim�tre Mikroviskosimeter | 液体の粘っこさで、アスファルトの性質を表わす重要な性質です。絶対粘度と動粘度とがあり、単に粘度と言えば絶対粘度を指し、ポアズ(g/cm・sec)で表わします。毛管式粘度計など数種類の計測方法があります。![]() ![]() | ||||||
かいてんねんどけい 回転粘度計 rotary viscometer viscom�tre giratoire Rotationsviscosimeter 回転式粘度計 (ブルックフィールド粘度計) rotational viscometer (RV), (Brookfield viscometer) | ![]() ![]() | ||||||
いんかてん 引火点 flash point point d'inflammabilit� Flammpunkt 燃焼点 fire point point de flamme Brennpunkt | 通常のアスファルトの引火点はだいたい240〜320℃らしいです。カットバックアスファルトの場合は、揮発性の強いオイルで割ってありますので、30〜50℃くらいのようです。引火点は、試料を容器に入れて温度を上げながら小さな炎に近づけて最初に引火したときの温度です。それからさらに加熱していって、5秒間以上、燃焼が継続するようになる温度を燃焼点といい、引火点より20℃以上高くなります。燃焼点は品質規格には通常は含まれていません。 | ||||||
はくりしけん はく離試験 stripping test essai de d�senrobage Abl�sungsversuch 静的はく離試験 static immersion test essai en immersion statique statischer Eintauchtest | 骨材と瀝青材料との接着の良さ、あるいは水に接したときのはく離のしにくさを調べる試験です。瀝青材料で被覆した骨材を決められた温度の水に一定時間浸けて、瀝青材料がはがれて骨材がむき出しになった面積などで評価する静的はく離試験、振とう式はく離試験、水浸前後の安定度の違いで評価する水浸マーシャル試験などがあります。 | ||||||
なんせきりょう 軟石量 soft particle content teneur en pierres tendres weichem Gestein | 粗骨材の中の好ましくない、つぶれやすいか、欠けやすい軟石の量のことです。石を一定の力を加えて黄銅の針金でひっかいて、ひっかき後ができたり、一部が欠けたりした粒が軟石でその重量百分率で表します。5%が限度ということになっています。石材の場合の軟石は圧縮強さが100 kgf/cm2のものを言うようです。 | ||||||
ようせきせっけいほう 容積設計法 volumetric mix | この用語は正式なものではありません。SUPERPAVEの新しいアスファルト混合物の設計法に、私が、日本語で言うとすれば、と勝手につけた名称です。要はアスファルト量を決めるのに、まず、骨材だけを締め固めると空隙が残りますが、その空隙をアスファルトと空気で埋めるという極く単純な考え方でアスファルト量を決める方法のことです。空隙率は0ではまずい、4%くらいが良いというのがSUPERPAVE以前からの定説です。なぜかははっきりしませんが、多分、荷重を受けたときに緩衝作用をするのでしょう。とにかく、経験的にあまりに空隙が少ないとわだち掘れが生じやすいことが知られています。↓ | ||||||
禁止ゾーン resticted zone | ↑SUPERPAVEの混合物設計法の特徴の一つは骨材の粒度に禁止ゾーンがあるということです。技術資料の加熱混合物のジャイレトリー試験機による締め固めの評価の図-1 粒度範囲および実際の粒度に見るrestricted zoneというのがそれで、粒度範囲の真ん中に、そこを通ってはならないという禁止ゾーンがあります。これまでの経験から、そういうことになったいうことです。通常は粒度範囲が定められていれば、その真ん中を通るように設計するのが普通でしたので、奇異な感じを受けます。実際のところは反論もあるようで、真ん中で何ら問題ないという報告も散見されており、修正の動きがあるようです。 | ||||||
SST(試験機) Leutner test torque test normal load | Superpave Shear Tester、日本語にすればスーパーベーブせん断試験機ということになります。SUPERPAVEのアスファルト混合物設計法による混合物の評価にはこのSSTが用いられます。垂直荷重と横方向の繰り返し荷重のほかに側圧もかけられ、さらに供試体の高さを一定にしながら試験する方法(RSCH: Repeated Shear at Constant Height)、周長を一定にしながら試験する方法など、複雑な機構を持つ試験機で、日本では独立法人・土木研究所にあるほかは、ないように思います。あるかも知れませんが。アスファルト混合物についてせん断強度を計るというのは、かなり難しく、これまで聞いたことがありませんでしたが、ドイツで開発された Leutner試験機というのが見つかりました。アスファルト混合物のコアを輪切りにするように、すり切る力をかけるものです。もう一つ、これは現場用として開発されたものですが、コア抜きを途中でやめて人手でねじ切るトルク試験というのがあります。この二つはいずれも純粋にせん断強度を試験するものです。せん断力だけを純粋にかけるのはなかなか難かしく、力をかける都合で押しつけると、摩擦力が働いてややこしくなります。押しつける力を変えては試験して、摩擦力を逆算して、差し引いたりする必要があります。この押しつける応力は英語では normal stress、日本語では垂直応力、直応力と呼びます。垂直応力度が正式でしょう。normal stressの意味としては考えている面、(せん断面)などに対して垂直ということで、引張りでも同じです。直訳すると正規応力ですが、これは聞いたことがありません。当然、normal load、直訳すれば正規荷重、垂直応力の伝でいけば、垂直荷重になりますが、あまりに当たり前すぎるのか聞いたことがありません。荷重は普通は上から垂直にかかりますから。 | ||||||
BBR Bending Beam | 日本語にすると、ビーム曲げ粘弾性試験ということになりますが、聞いたことはありません。アスファルトが低温でひび割れにくいか、を調べる試験です。アスファルトをようかん、みたいに成形して、これに荷重をじわっとかけて、変形の様子から、硬さ、つまりスティフネスと、m値とかいうのを計ります。SUPERPAVEのアスファルトバインダの選定に使用される試験です。この辞典で説明できるのはこの程度です。ワシントン大学の資料に動画がありましたので紹介しておきます。[Run Animation]をクリックすると動きます。 | ||||||
DTT Direct Tension Test | 日本語にすると直接引っ張り試験で、どこにもありそうですが、これもSUPERPAVEのアスファルトの試験法の一つです。これも、ようかん状に成形したものを低温で、両側から一定速度で破壊するまで引っ張って、そのときの伸びを問題にします。主として改質アスファルトの試験に用いられるようです。 | ||||||
DSR Dynamic Shear Rheometer | 日本語にすれば動的せん断試験機ですが、聞いたことはありません。これもSUPERPAVEのアスファルトの試験法の一つです。円板の間にアスファルトの膜を挟み込んでやるところは、滑板式粘度計とよく似ていますが、回転は一定速度で行きつ戻りつで行われて、そのときの必要な回転力と回転量と回転力をグラフにするとずれるのを位相角として、いわゆる複素弾性係数を求めるものです。SUPERPAVEでは60℃粘度とか針入度に代わってアスファルトの試験に用います。複素弾性係数は60℃粘度に似たところがあり、位相角は針入度と似たところがあるのだそうです。 | ||||||
そくしんさいかしけん 促進載荷試験 accelerated load facility | 舗装の耐久性を試験するのに、実際の交通より速く、たくさんの車が通ったのと同じ状態を作り出す試験機です。実際の車を通す必要はなくて、それに相当するタイヤが通るような仕掛けを作ってやればいいわけです。オーストラリアのALFが代表的で、これは20 m以上の長さの橋桁みたいものの中に、タイヤが往復する仕掛けのついたものをトレーラーで引っ張って行って、現地でも試験できるようになっています。普通は舗装の方をいろいろと打ち替えて、同じような場所でやるようですが。最近、土木研究所で作ったもので、トラックの台車みたいなのを電動で往復させるものも、その一つと考えていいでしょう。また、土木研究所で20年以上使っているものに、俗に「ぐるぐるまわし」といっているものがあります。これは実際のトラックが円周型の試験道路を自動でぐるぐるまわるものです。人が運転したのでは目がまわると思います。車の数が少ないのが難ですが、もっと多ければ究極の促進載荷試験でしょう。フランスにあるものは、中心から四本の棒を出して、これに車に相当するものを取り付けて、これをぶんまわすというものです。直径が200 mくらいあって、すごいものです。規模は小さいけど、これに類するものは昔から日本でもありました。ホイールトラッキング試験ミニミニのタイヤで同じようなことをするので、広義には促進載荷試験でしょうが、普通は実物大で試験するものを言います。 | ||||||
トモグラフィー tomography | CTスキャンが一般に知られている代表です。電磁波とかを発射する位置、受信する位置を変化させて、受信した信号をコンピュータ処理することによって断面の画像が見えるようにするものです。CTスキャンは医用ですが、最近では弾性波を使って地盤の構造の把握に使われていますが、舗装関係でもアスファルト混合物の中で破壊が進行する状況を観察する試みもあります。リング孔間トモグラフィによる地下画像を得ることができるシステムです。 CTは Computed Tomographyの略のようです。 | ||||||
RAC車 | 路面とタイヤの間で発生する騒音を評価するための騒音測定車です。Road Acoustic Checker の略のようです。近年、代表的には排水性舗装ですが、騒音を低減する舗装が性能規定発注で発注され、性能を満たしているかを確認するための標準の測定車ということになっています。全国で数台しかなく、舗装業者は RAC車と相関の高い自前の測定車をつくるべく努力しているようです。まあ、かなりのものが出来るようです。 | ||||||