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だいくようご
大工用語
大工さんの用語はここでは紹介しきれないほどあります。リンクを紹介しますので、そちらをご覧下さい。
大工用語集:http://www.imix.or.jp/bookmen/xindex1.html
LDK居間と食堂、台所を兼ねた部屋のことです。3LDKなら、他に3部屋あるということ、2DKなら2部屋の他にダイニングキッチンがあるということです。私が若いころ住んでいたのは2Kとか3K、それでも狭いキッチンに小さなテーブルを置いてDKとして使っていました。ただの1とか2とかは言いませんが、学生の下宿、今ではマンションにはそんなのもあるかもしれません。普通は流し台と調理台は壁にくっついていますが、高級な台所では島のように作るアイランドキッチンがあったりします。
あくあらい
灰汁洗い
古くなったり、汚れのついた木を苛性ソーダなどの薬品でごしごし洗うと白木のような状態にすることができます。これが灰汁洗いです。
あまじまい
雨仕舞
雨水が入るのを防ぐようにすることです。仕舞というのは何であれ仕上がりがきちんとしていることのようです。
あげうら
上げ裏
軒先の板は建てる時は裏のようだけ、下から見ると実は表です。このように下から見上げると見える裏のことです。軒裏(のきうら)とも言うようです。
みえがかり
見え掛かり
見える部分のことです。建築で化粧用の材を見え掛かり材とも言います。見える面は見え掛け面です。
けんどん
倹鈍
垂直に上げ下げすることです。けんどん窓、けんどん扉などは垂直に開け閉てします。この言葉の語源ですがなかなかわかりません。きしめん考というサイトに、『本朝世事談綺』によりますと「江府瀬戸物町, 信濃屋といふもの, 始めてこれをたくむ。そののち所々にはやりて, さかい町市川屋, 堀江町若菜屋, 本町布袋屋, 大鋸町桐屋など名をあらそふ中に, 鈴木町丹波屋与作といふものぞ名高かりしなり。これをけんどんとなずくるは, 独味して人にあたへざる心, また給仕もいらず, あいさつするにあらねば, そのさま慳貪なる心, また無造作にして倹約にかなひたりとて倹飩と書くと云ふ。この説よろし」とあります。どうも丼ものを運ぶ箱がけんどん窓になっていたようです。しかし、いかにも当て字風で、元は中国かな?と思えます。kengdongで検索すると、中国の地名としていくつか出てきます。少なくとも 2ヶ所はあります。地名として倹飩はなさそうですが、坑洞というのがあります。意味としては空洞みたいです。「坑洞 中国」で検索すると無数に出てきます。
ゆきみしょうじ
雪見障子
障子の下半分に透明ガラスを入れ、上げ下げできる小障子を取り付けて、上げると外が見えるようにしたものです。即物的に上げ下げ障子とも、また、摺上げ障子ともいいます。こうした小障子を使うものに障子の一部に猫が出入りできる猫間障子(ねこましょうじ)を設けるのもあります。大ジャンプしなければ届かない高さにあっても猫間障子です。雪見障子と猫間障子の違いですが、まずはサイズです。雪見障子は障子の半分近くを上げ下げします。猫間障子は猫が通り抜けられる大きさということになります。猫間の場合は引き違いになっているものが多いようです。猫間障子にも関東猫間障子(引き違いで障子の真ん中が開く)と関西猫間障子があるようです。昔、うちにいた猫は大きい方の障子を難なく開けていましたけど。また、障子の破れをみつけてジャンプ一番、輪抜けしていました。そのくせ、人がいると開けろ、という横着な猫でした。
ついでに障子の呼び名も少し付け加えます。
伝統的な標準という感じのが腰付障子、その腰をなくして90°回転した感じのが水腰障子横子↓を倍くらいに増やしたのが横繁障子竪子↓を増やしたのが竪繁障子です。
さらに竪子の間隔に変化を持たせたのが吹寄せ障子、間隔をあらくした感じのが荒間障子で、洋風にもマッチするので最近ではこれが多いと思います。中ほどにガラス窓を入れた額入障子、手の込んだ模様にしたのは変り組障子といろいろあります。
くみこ
組子
障子がどんな部品でできているか知ってますか? 障子の(さん)はどれですか? 桟は枠を構成する部品で上のが上桟、下のが下桟、下の方に腰板があれば、その上に中桟(なかさん、本式の読み方は なかざんのようです)、枠の両脇はです。では中の細いのは? 組子です。桟といっても誰も咎めはしないと思うけど、そうなんです。作る方にとっては組子ですが、素人には桟でしょう。縦方向のが竪子(たてご)、横方向のが横子(よこご)てす。もう一つ、ていねいな造りでは枠に接して付子(つけご)というのがあります。これがあると障子紙が枠にはみ出さずに貼れるということでしょう。
なんど
納戸
和風の家でタンスなどを仕舞っておく物置です。今風だとクローゼットといったところです。その昔は寝室として使い、重要なものを格納していたということです。納戸がちゃんとあればタンスにおでこをぶつけなくてすみます。納戸として作ってあっても旦那の書斎になっていたりします。英語はクロ−ゼットclothes closet, boxroom, lumber roomなどが対応します。単にclosetと言わないのはwater closet (WC)と区別するためでしょう。クローゼットは押入れ程度のものもそうで、人が出入りできるのはウォークインクローゼット walk in closetだそうです。
うすべり
薄縁
畳の形をした薄っぺらな敷物のことです。畳表と同じ藺草(いぐさ、稲科の植物でその茎を使います。国内産は少なくなったということです。)で出来ています。床の間に畳が敷いてある感じのは、この薄縁をしいた薄縁床(うすべりどこ)です。
ひきや
曳家
建物を解体しないで、そのまま場所を移動させることです。それを行う業者が曳屋になります。
つらづけ
面付
ある面へ直接、付けることです。どんな場面で使う言葉なのか?金物相談 取手・引手が参考になるでしょう。
笑う

幅木
skirting,
skirting board,
mopboard,
base board

すき間ができてはならないところにすき間ができることを言います。その特殊な場合がちりが切れるで柱と壁の間にすき間ができることです。ちりは隅っこのことのようです。出入口の枠と壁の接するところ、壁と幅木(はばき)(床の接するところに比較的小さな板をつけたもの)、などをちりまわりと言い、左官がちりまわりの仕上げに使う、刷毛をちりばけと言います。
ピロティ
pilotis
フランス語で支柱、杭のことですが、建物の1階部分を柱だけにしたものをピロティ建築と言います。西洋式の高床式建築というところでしょうか?。
むくり
起り
camber
上に反っていることです。神社の屋根はむくり屋根 :camber roofです。
いりがわ
入側
主室の周囲の縁側のような細長い室。住宅でタタミ廊下がこれにあたります。
いりずみ
入隅
凹んだ隅のことです。反対語は出隅(でずみ)です。「出隅 英語」とかで検索して来た人がいましたが、私ならinner corner(入隅)とか outer corner(出隅)としますね。それで分からなければ相手の頭が悪いのだと諦めます。
つりこみ
釣込み
建具を現場で構造物に取りつけることです。
さしがね
指矩
carpenter's square
指曲、指金といった書き方があるようです。大工さんが使うL字型の物差しで、裏側(裏目)は表目の√2倍の目盛りになっているそうです。指矩の小ぶりのもので長さが15 cm程度のものがあり、これはスコヤと呼ばれます。どうやらsquareが訛ったもののようです。こちらは裏表ともメートル法の目盛りです。また、大工さんが使う大型の三角定規みたいなのは大矩、大曲(おおがね)です。
きょうま
京間
中京間とも言います。畳の大きさが6尺x3尺、つまり180cmx90cmです。田舎間、あるいは江戸間というのは畳の大きさが175cmx87.5cm です。以前、京間は柱と柱の間の内法(うちのり)、つまり内側を測った距離が6尺で、田舎間は柱の芯と芯との距離が6尺と聞いて、納得していましたが、大まかにはそれでいいのですが、柱が2間間隔だったりすると畳の幅がばらばらになりそうです。ネットで調べたらうちのり内寸法と書かれることの方が多いようです。点字翻訳をしている人から、内々寸法の読み方を訊かれて、ちょっと困りましたが、うちのり でいいのでしょう。点訳で漢字が見えないことを考えると、うちうちすんぽうでも、わかりやすくて良いのではないでしょうか? うちうちで測るという言い方もしますし。柱の間隔をしんしんで測るときは柱の中心から中心までです。内法の反対は当然外法、外側から外側までの寸法です。つまり家具などで言えば外形寸法になります。内法寸法とか外法寸法とかも言います。法には寸法の意味も含まれているようですが。内法高と言えば高さについての内法です。敷居から鴨居までの高さなどです。
うちのりざい
内法材
内則材とも書きます。敷居、鴨居など、主に建具を入れる場所に使用する木材を言います。
ジョイナー(工法)
joiner
建物の外装、内装で装飾とか断熱、防音の目的で布とか板みたいなのを貼るとき、あらかじめジョイナーという接合あるいは取り付けの金具をとりつけておいて、そこにはめ込むようにして施工する工法です。その形とかでハット型とか、いろんな名前がついています。
おだれ庇(ひさし)などの水切りをよくするために庇の先端の下面につけたふちのことです。
ごまがら
胡麻殻
柱などの表面に化粧として縦方向の凹凸の溝を互い違いにつけてひだを作ることです。胡麻の茎の形に似ています。
もくざいのとうきゅう
木材の等級
この小辞典では説明していません。たまに上小などの等級を探して迷い込まれる人もあるようなので木材製品の化粧材・面の等級(グレード)の見分け方のページを紹介しておきます。図入りで説明があります。
トップコート
top coat
塗装などの表面を丈夫にしたり汚れがつきにくくするために塗る仕上げの塗料です。マニキュアにもありますけど。舗装でも排水性舗装などではトップコートをして目詰まりを少なくすることがあります。
ダクト
duct
conduite
Luftschacht
空調とかの空気を送る管です。パイプでも構わないでしょうが、ブリキ細工でも問題ないのでダクトというと四角い形をイメージします。パイプは形を言っていて、ダクトの方は導く機能の方を強調した言葉でしょう。
ドレイン
drain
drainは排水する、という意味と排水するための溝とかも意味します。ドレインパイプというように、何で排水するかを特定するのが本来でしょうが、ドレインと言えば排水管を意味する世界もあります。
たいしんへき
耐震壁
地震に耐えるようにするため、建物の要所々々に設ける特に丈夫な壁のことです。耐力壁(たいりょくかべ)というのもありますが、これは、ところどころでなく、ほぼ全体ですべての力に耐えるようにしたものです。耐火壁というと、建築基準法施工令で決まっていて、鉄筋コンクリート、かぶり 3 cm以上の鉄骨コンクリートとか、厚さ 7 cm以上無筋コンクリートなどと決まっています。
ぬき
和風の壁を作るときに柱と柱、あるいはとの間をつなぐ板です。壁の中に塗り込められます。木舞竹を固定したりします。使う場所によって柱の根元に通したものを地貫とか足元貫、途中の胴にあたるところのは胴貫、腰にあたるところなら腰貫筋違に使う少し太めの幅が柱と同じくらいのものは大貫です。小屋束が倒れるのを防ぐ感じで設けるのは小屋貫、天井近くのは天井貫、鴨居の上で壁を支えて鴨居が垂れ下がらないようにするのは
内法貫、柱のてっぺんに溝を切ってはめ込むのは頭貫です。水貫は、ちょっと別で丁張のときに高さの基準線を示すように張り渡した板です。
つりき
釣木
天井とかを支えるために上の梁などから吊るように取り付けた小さな木材=小材です。
こしかべ
腰壁
wainscot, back
要するに腰の付近まである壁のようです。建物の室内なら床と窓枠の間の壁、これがwindow back、あるいはwainscot、建物の土台としての壁、これはpodium、堤防でも腰より少し高くてbreast wallというのがあるようです。こちらは胸壁の方がぴったりくるようですが。
おしいた
押板
とこさし
床指
さしどこ
指床
さおぶち
竿縁
二つ、意味があります。床の間の床には見栄えのいい板を使いますが、これが押板です。もともと床の間のない時代は、普通の床に置いて花を活けたりしていたようです。それが後に少しだけ壁を凹ませて決まったところに置くようになり、今のような形になったようです。ところで普通の床の間は一番手前にという、横木があって一段高くなり、その奥に畳とか押板があるわけですが、高くならず、床と面一になっているのは蹴込み床というようです。何かを蹴飛ばしたら入るということでしょうか? 押板にはもう一つ、押して開けるドアの手の触れる場所が汚れないように銅板とかを貼ったものがあり、英語ではfinger plate, push plate, hand plateらしいです。またドアのつま先で蹴飛ばしそうなところにはkick plate 蹴板でしょうか?をつけたりします。床の間に関連して床指とか指床とかいう言葉があります。これは天井板と関係します。天井板を上に押しつけるように桟みたいな細い板がありますが、あれは竿縁というのだそうです。これが床の間に対して直角方向に向いているのが床指しとか床刺しなんだそうで、嫌われています。理由を考えると、床の間には床柱がありますが、竿縁が床柱の中心にピッタリ合えばいいのですが、そうでないと何となく見苦しく、と言って竿縁の間隔は等間隔にしないと見苦しいというのでそうなったようです。しかし、室町時代の書院造りにはそういうのも多く、気にしなければそれだけのことです。竿縁がない天井でも、かならず、目すかしというのがあるので、やはり、天井板は床の間と平行に貼るということになります。このことは畳の向きとか、壁紙の柄に方向がある場合についても言われるようです。
おどりば
踊り場
footpace, halfpace,
landing, half landing,
platform,
resting place, run
階段の踊り場は誰にでも分かる言葉ですが、英語ではいろいろと言葉があるようです。ちょっと使い分けはわかりません。直訳で dancing placeとしたら受けるかも知れません。キュートな女の子が舞うように降りてきて踊り場でクルリと一回転という図を連想するのはどうでしょう。
けあげ(だか)
蹴上げ(高)
rise
蹴込板
riser
階段の蹴上げは一段あがる高さの部分です。蹴上げ部に用いる板は蹴上げ板、あるいは蹴込板(けこみいた)です。ひょっとすると、木造の階段で、蹴上げ部が、何かを蹴り込めるような感じのものがありますが、それが蹴込で、そこの板が蹴込板かもしれません。この蹴込板のない、向こうが見える高級梯子みたいな階段はささら階段とかオープン階段とか呼ばれます。ささらというのは短い棒とか板をいうのでしょう。人が踏むところは階段に限りませんが、踏面とうめんです。ふみづらとも読ませます。住宅の中では、階段が急になることが多く、蹴込みがないと踏面の幅が足りなくて足が乗り切らず昇り降りが大変になります。階段を支えている桁は側面がギザギザになりますが、これをささら面というようです。
なかにわ
中庭 light court,
courtyard, court, cortile

cour, courette(小さいもの)
改めて説明するものでもないと思いますが、英語は courtだけでも中庭ですが、ライトコート light courtと言えば、明かり取り用の意味が加わってはっきりするようです。建物に完全に囲まれていなくてもコの字形でも中庭です。
おやばしら
親柱
newel (post) 橋でいうと、橋の両脇に立っている装飾的な太い柱のことで、男柱(おばしら)とも言います。建築でいうと、階段の両端などで手すりを支える柱のことです。英語はnewelだけでも親柱のようです。
かなばかりず
かな計図
建物の主要な部分の詳細図のことで床、柱、壁、窓、戸、天井、屋根、地盤面などの材料、寸法などを大縮尺で示します。
アルコーブ
alcove
壁の一部をへこませた空間とか、大きな部屋につながる小さな部屋のことです。ちょっと似たものに壁龕(へきがん) nicheがあります。こちらは、やはり壁の一部をくぼませたものですが、そこには彫刻とか花瓶などを置いて装飾に使います。寺院などでは尊いものを安置することもあります。アルコーブは人が出入りできる空間です。日本の床の間はどちらでもあるようですが、使い方としては壁龕でしょう。
グルニエ
attic, garret, mansard, sky parlor
grenier
グルニエのある家というとしゃれた感じですが、要するに屋根裏部屋です。フランス語ですね。英語はたくさんあります。どれがどう違うかわかりませんけど。
おやことびら
親子扉
double door
portillon

スイングドア
swing door,
swinging door

引き戸
trap door

両開きの扉で、片方が小さいもののことです。両方とも同じ大きさなら観音開き、即物的にいうと両開き戸です。両開きの片方は英語では wingのようです。一枚の扉でどちら側にも開くのがスイングドアです。引き戸で一枚だけのものは片引きです。引き戸は開き戸の反対語ということになるでしょう。
じぶくろ
地袋
出窓の下などを利用して作る床面に接する戸棚をこう言います。押入と天井の間を利用して作るのは天袋です。戸袋は雨戸を収納するものです。この雨戸のように順番に繰り出す戸のことを操戸(くりど)と言います。
よくそう?
浴槽縁
解説は要しないのですが、点訳をしている人から、この読み方について質問がありました。ネットで探すと、浴槽縁ということばは、多数、出てきますが、読み方が示されているものは皆無です。漢字を読めばわかる分かるので読み方など気にしないのが私たちですが、漢字を抜きにして音だけで、よくそうえんでは、分からないような気がします。よくそうのふち、としてはいかがか?と申し上げましたが。関係ない言葉ですが、この質問のときに、手すりの出端とあるものの読み方についても訊かれました。ネットで調べると、歌舞伎役者の出端とか、出端をくじくとか、いろんな場面で使われていますが、読み方としては、でばな、以外にないようです。手すりの出端は専門用語とも思えませんが、意味的には、取り付きの先端部のことなのでしょう。番茶も出端か?、と思いましたが、これは広辞苑で、番茶も出花とあります。でも出端とかけた言葉だろうと思います。