ドーナツ(建築)、キャラメル(建築)、うま、まんじゅう、腰掛け、さいころ(賽子)(建築),スペーサー
 「鉄筋と型枠の間隔を保つための円形のもの」とあります。鉄筋コンクリートの鉄筋を所定の位置に配置するためには型枠との間に何かを置く必要があります。鉄筋にドーナツ型のものをはめてやると、輪の巾は以上には型枠に接近できません。建築の方で主に用いられます。キャラメルというのは「鉄筋と床との間隔を保つための2センチ程度のもの。」とあります。これはさいころとも呼ばれるようです。腰掛けというのはキャラメルが腰掛けの形になったものです。同義語でうまというのも有って、これは、下に置きます。三味線、琴などに駒という、弦と棹の間の間隔をとる部品があって、これとの連想でうまになったと思われます。まんじゅうは「鉄骨建て方の時柱の高さ調整用のモルタルのだんご」とあります。これらはまとめてスペーサーということになります。設計図にはド−ナツだのうまだのは出ていませんが、現場では必要なものです。いろいろありますが、英語はすべてspacerです。あちらでもきっと、職人言葉があっていろいろな言い方があると思いますが。
 うま(建築)には、もういくつか意味があって、少し高いところの作業に使う、「ステップの付いていない脚立」を指すこともあります。さらに、機器などを仮置きする際に、直接地面や基礎の上に置かないようにするための枕木のことを指すこともあるようです。その現場では、一つの意味に使われていると思いますが。いろいろ知ってると具合があることもあるかも知れません。

殺し(建築)
 何とも殺伐な言葉です。「永久に取りつけたままの状態にする事」とあります。上記のド−ナツ、うまなどは埋め殺し left in concrete,になります。土のなかならleft in groundでしょう。はめ殺しというのもあって、型枠をそのまま、はずさずに残すことを前提に、設計の強度を持たせ、表面は化粧してあるものを、そのままはめ殺すわけです。どれも実際には生かして使っていることになります。材質もちゃんと吟味したものを使います。埋め殺すべきでないものを埋め殺したのが、山陽新幹線のトンネルのコンクリート剥落で問題になりました。はめ殺し窓というと、開け閉てできないけど外の景色が見えるように窓を設けたものでシャレてビクチャーウィンドウともいうようです。


スペーサー spacer pièce d'écartement, écarteur Abstandhalter
埋め殺し left in concrete, left in ground laissé en place, abandonné en place

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