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オーバレイ
overlay, resurfacing
rechargement Überzug
ミリングマシン
milling machine
既設の舗装がひび割れたり、凸凹になったり、あるいはすべりやすくなって傷んだとき、表層だけの舗装を重ねて行う工法です。普通は3 cm以上の厚さです。工事の所要時間や費用は少なくて済みますが、何回も繰り返すと次第にその道路だけが高くなって、沿道の建物などとの関係がおかしくなります。2.5 cm以下で重ねるのは表面処理と言い、構造の強化にはなりません。普通はアスファルト混合物でオーバレイしますが、コンクリート舗装の上にコンクリートを重ねることもあります。下地のアスファルト舗装の凹凸が激しい場合は、ミリングマシンという切削機で凸部を削ってからオーバレイします。これを切削オーバレイと言います。平坦性が確保できていない場合は、レベリング層で平たんに均します。07/05/24 カットカバーというキーワードで来た人がありました。知りませんでした。ネットで探すと入札公告とか道路工事保安施設設置基準(案)、記者クラブへの配布資料など公的文書に出てきます。はじめは切削オーバレイのことか、と思ったのですが、よく見ると、切削オーバレイとカットカバーを使い分けている文書もあります。使い分けている方を見ると、報BOX設置工事にともなって掘り返しの跡の復旧のことを言っているようです。しかし、近畿地方整備局の大手前記者クラブに配布された文書を見ると2層カットカバー工(10 cm) 17,000 m2とかあって、これは切削オーバレイを指しているように見えます。どうも官サイドでも混乱があるようです。いくつかのサイトで見るとカットカバーは切削オーバレイには違いありませんが、切削機の後をフィニッシャが追いかけて施工する慌ただしいやり方のようです。交通止めを最小限にしようという智恵のようです。2層というのはレベリングも同時にやるということかな?と思います。英語でcut coverとかcut/cover開削工法、あるいはオープンカット工法を指するようです。共同溝みたいなのもトンネルの仲間でしょう。
ホワイトトッピング
white topping
近年、この言葉が聞かれます。アスファルト舗装の上にコンクリートでオーバーレイ↑する工法のことです。黒い舗装の上に白でトッピングするというわけです。雑誌「舗装」のVol.37 No.6に出ていたのですが、ultra thin white toppingというのもあって、これは5 - 10 cm厚だということで、では普通のwhite toppingは、どのくらいの厚さか気になります。1980年代にスチールファイバーを入れたものが施工されるのを見たことがあります。最近、注目されているのは ultraの方のようで、日本語にすると、薄層ホワイトトッピング工法、あるいは薄層付着型ホワイトトッピング工法になるようです。とにかく、アスファルト舗装とコンクリートとの間の付着が重要だということです。
うちかえこうほう
打換え工法
replacing, reprocessing
reconstruction

reconstruction de chausée
Straßenwiederaufbau
舗装の修繕で、状態が悪く、表面処理オーバレイでは間に合わない場合に、舗装の全部または大部分を取り去って、改めて舗装を行う工法です。ひび割れが線状に発生している場合、これに沿って打ち換える線状打換え工法というのがありますが、姑息な方法で狭い幅のところをちゃんと転圧するのは無理で、どうしても特に端の部分はきちんと締め固まらず、水道などの引き込みで掘り返して復旧した場合と同様に後に沈下したりします。
クラックシール crack seal舗装のひび割れに瀝青材料を詰めて、水が入らないようにし、それ以上の損傷が進まないようにする補修方法です。瀝青材料としてはストレートアスファルト、ブローンアスファルトなどが用いられます。アメリカでは、その方法にもいろいろあって、技術資料のページで紹介しています。日本では見栄えが悪く、乗り心地も悪いのであまり好まれませんが、最近は緊縮財政の中で適用する例が増えています。
ライフサイクル
life cycle

ライフサイクルコスト
Life Cycle Cost

予防的維持
preventive maintenance

命あるものは、生まれて成長し、養生しながら老化して一生を終え、次の世代と入れ替わる、これがライフサイクルですが、物については、成長の過程はありませんが、養生していっても、いつか機能を果たさなくなって買い替えるということになります。養生すれば金がかかるけど、寿命は延びる、そのトータルを考えたコストがライフサイクルコストということになります。略語としてLCCが用いられます。舗装の場合に、これを考えて、予防的維持という考え方が出てきています。普通はある程度、傷んだら、補修するということをしますが、ほんとに傷む前に予防的に維持、つまり軽い補修をして損傷がでるのを遅らせた方がライフサイクルで得策だ、という考え方です。そううまく行くか、検証はこれからでしょうが、家電のように修理するより買い替えた方が安いということはないでしょう。言い換え語として生涯過程のほか、一生涯、循環過程などが提案されており、お役所用語として使われるかも知れません。
ヒーリング healing人の傷が自然に治るように治癒するという意味で、ヘルスと関係ある言葉ですが、工学では自然治癒といった意味に使われることが多いようです。アスファルトみたいなのは石と石との間にあって接着の役目をしていますが、強い力ではがされても、また、ぐにゃぐにゃ、じわじわと接着を回復する性質があると考えられています。そうした現象のことです。金属でも鉛みたいな軟らかい金属はそういう性質があると言われています。
さびじる
錆汁
鉄筋コンクリートで、鉄筋が腐食したものが、表面にしみ出してきて、みっともない模様ができたもののことです。
ひろうはかい
疲労破壊 fatigue failure
rupture de fatigue
Ermüdungsversagen
静的疲労 static fatigue
時間-破壊試験 time to failure
ハーバーサイン
haversine
針金を手だけで切るのは難しいことですが、何度も折り曲げているうちに、ぽきっと折れます。これが疲労破壊です。一回の載荷試験での強度よりも小さい力でも繰り返していくといつかは壊れます。構造物の設計に用いる材料の設計強度は、これを考慮して定められています。昭和50年代に高速道路などで橋のコンクリート床の底が抜けるということがありましたが、これは過積載車の影響で疲労寿命が縮まったためです。これを試験するのが疲労破壊試験です。普通は一定の力でなく、ある波形を持つ力を掛けて試験します。矩形波とか、サイン波とかありますが、一番よく使われるのがハーバーサイン波です。これはサイン波と似たものですが、定義ではほかの波形の上にサイン波を重ねたものらしいですが、普通はほかの波形というの一定の力で、サイン波だとプラスとマイナスがあるわけですが、底上げしてマイナスがないものが使われます。交通による荷重もこれに似ているようです。 じっと力をかけているだけで、材料の強度が落ちてくるという現象もあるようです。静的疲労と言うらしいです。これの試験法もあって、微少な傷をつけておいて、一定の力で引っ張っておくと、時間とともに強度が落ちて、いつか破壊するというわけです。この破壊に至る時間をtime to failureとして静的疲労に対する強さみたいなのを計るようです。応力集中も関係しているように思われますが、微少な傷は必ずあるものと考えれば、やはり疲労なのかな?と思います。まあ、破壊というのは微少な破壊の拡大なのでしょうから。一応、時間-破壊試験としておきます。こんな言葉、見たことはありませんが。
ひろうはかいりんすう
疲労破壊輪数
平成13年7月に日本道路協会から発行された「舗装の構造に関する技術基準・同解説」で、この言葉が出てきました。以前は特定の名前がなく、多層構造理論で求めたアスファルト混合物層の下面に生じる引張応力から大型車が何回通ったときにアスファルト混合物層が破壊するかを算定する式がありましたが、特別の名前はありませんでした。これに正式名称を与えたわけです。舗装計画交通量と疲労破壊輪数の関係を右の表に示します。 
従来の
区分
舗装計画交通量
(台/日)
疲労破壊輪数
(回/10年)
D交通3,000以上35,000,000
C交通1,000以上1,000未満7,000,000
B交通250以上1,000未満1,000,000
A交通100以上250未満150,000
L交通100未満30,000
アスファルトコンクリート廃材
reclaimed asphalt mixture
revêtement de béton
 bituminaux recyclé

regenerierter Asphaltdecke
再生用に古いアスファルト混合物を回収したものです。これで再生合材↓を作るわけです。
さいせいごうざい
再生合材
recycled hot mix asphalt
mélange
 bitumineux recyclé

Rückgewinnungsheißmischung
再生材 recycled material
matériau recyclé
Rückgewinningsmatrial
再生骨材
recycled aggregate
agrégat de carrière
Rückgewinnungsgesteinmasse
再生用添加剤
rejuvenator
agent de recyclage pour
 revétement bitumineux

Rückgewinnung
RAP
Reclaimed Asphalt Pavement
古い舗装からリサイクルしてきた材料に必要に応じて新しい材料を加えて作った合材です。正式には再生加熱アスファルト混合物でしょう。再生材というと路盤材料まで含めて回収した廃材のことになります。再生骨材は回収してきた舗装材を機械的に砕いたり、熱、蒸気などでばらばらに解砕したもので、元のアスファルトも含んでいます。このアスファルトは老化して硬くなっているので再生用添加剤あるいはもっと端的に若返り剤を添加することもあります。アメリカでは回収したアスファルト舗装をRAPと略称します。用語の使われ方を見ると再生骨材と同義のようです。 余談→再生骨材には古いアスファルトが付着していて、日本ではこれも抽出試験で量を調べて、当たり前のように、アスファルトと勘定しますが、アメリカでは、再生骨材は単なる黒い石と考えるのか、アスファルトの付着した石なのと、という議論があったようです。技術資料のAAPTの論文集の要約に載せておきましたが、結論は単なる黒い石ではないということのようです。
いじしゅうぜん
維持修繕

維持
maintenance
entretien
Aufrechterhaltung
修繕
repair,
rehabilitation

réparation
Ausbessurung
改築
improvement
investissement routier
Ausbesserung,
Straßenumbau

何によらず、長持ちさせるためには維持と修繕が必要です。一口で言うと維持修繕になりますが、舗装関係で言う維持は機能を維持するための表面の小さなポットホールやひび割れなどをパッチングクラックシール、あるいは表面処理で補修することです。水道管の破裂などで非常に局部的に下まで悪くなった時には局部打換維持工事に入ります。修繕工事は、維持工事では間に合わないくらい傷んだときに、下が傷んでなければオーバーレイ、下から直す必要がある場合は打換工法が採用されます。道路の機能を現在よりよくするための工事、つまり踏切除去のための立体交差工事や橋梁架換、バイパスの新設などは改築と呼ばれます。
維持管理
maintenance and
  administration

entretien et
  administration

Aufrechterhaltung und
  Verwaltung
道路などの施設が所定の目的を果たすよう、見張って維持修繕↑することです。
QRP工法NETISに登録された急速舗装修繕工法 Quick Repair Pavementのことです。修繕ですから路盤も含めて入れ替えるわけですが、その上層路盤、基層、(中間層)を一発で施工してしまうというものです。いわゆるシックリフト工法の一つでもあるわけです。こうしてまとめていっぺんに施工すれば速いのは確かですが、問題は普通の舗装用のアスファルト混合物を使ったのでは、厚みがあるだけになかなか冷えず、いつまでたっても車が通るとブクブクと沈み込むということになりかねません。そこでアスファルト混合物に工夫して大粒径の骨材を使って、骨材どうしの噛み合わせで荷重に耐えるようにしようというわけです。普通はアスファルトが石と石の間を接着させて持たせていますが、これですとアスファルトが冷えてしまわないと接着力が十分ではありません。そこを改良したというわけです。