タジキスタン　（Tajikistan） .tj

　中央アジア西部, 中国･アフガニスタンに接する国です。 公式名 タジキスタン共和国, 人口 6,863,752人(2003)。国土面積 143,100 km²。言語は Tajiki-Persian タジキ・ペルシャ語です。1929-91 年 Tadzhik 共和国の名でソ連邦構成共和国でした。1929-1961の間は首都の名前はStalinabadでした。
　この地域には紀元前 4,000年前には人が住んでいたようです。いろんな帝国がここを支配した歴史がありますが、一番長いのはペルシャです。キリスト教以前にはギリシャ人の国として栄えたバクトリア 帝国 Bactria（古代バクトリア遺宝展）の一部でした。7世紀になるとアラブ人がイスラム教を持ち込み、サーマーン帝国が入れ替わりますが、 結局、トルコ人が取って代わります。後にはモンゴルがこの地域を支配し、次にペルシャ帝国のブハラ首長国 Bukharaの一部になりました。（ブカラとするサイトもありますが、東欧から中央アジアにかけて、Kの音がほとんど発音されないことが多いようです。ジンギスカンになったりジンギスハンになったりするのもそのためです。）
　19世紀に入って1860年代にロシア帝国が中央アジアに拡張を始め、タジキスタンも版図に入ります。1917年、ロシア革命のときには、独立を試みましたが、鎮圧されてしまいます。モスクワ政府はこの地域を大事にしたわけではないので生活水準、教育、産業の面で遅れた状態になっていました。1970年頃から地下で抵抗運動があったようですが、結局、独立したのはソ連邦崩壊後の1990年です。
　そこでメデタシ、メデタシとはいかず、様々な部族と結びついた党派間で内戦状態になります。これに一応、治まりをつけたのが、現大統領 エモマリ・ラフモノフ Emomali Rahmonovで、二回の選挙を経ていますが、内戦時には、民族浄化を行ったと疑いを持たれています。
　国防面はアフガニスタンの有事に備えてロシア軍が国境に展開しており、9.11のニューヨーク・テロの後は、アメリカ軍の駐留を許しています。
　国名ですが、イラン系タジク人の名にペルシア語の地名接尾語-stanで「タジク人の国」ということです。タジクは「冠」の意味だそうで、これは他のサイトでも確認できて、Tajikというのは、Crownを意味するTajからきたもので、7世紀に来たアラブ人がペルシア語を話すタジク人をトルコ人と区別するために使ったということですが、その理屈まではわかりません。バクトリアの時代には金銀細工が盛んだったようですから、関係があるかも知れません。その昔の中国ではイスラム帝国のことを大食(タージー)と呼んでいたそうですが、ペルシャ語でタージークはアラブ人を指していたというサイトもあってちょっと混乱します。
　国旗1995年に制定された新しい国旗で、赤は労働者、白は知識人、緑は農民の、それぞれの階級を象徴する。中央の冠と星を組み合わせた紋章は、国家の主権を守り、国民が一致団結し、隣国との友好関係を築く事を表すということです。なぜ冠なのかは国名と関係があるのでしょう。 白は綿花の生産を、緑はそのほかの農業を表すというのもあります。色の組み合わせ、配置がイランの国旗とよく似ています。タジキスタン人はペルシャ人と自認していてペルシャ語を話し、イランに親近感を持っているのかも知れません。
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