サンピエール エ ミクロン
St. Pierre & Miquelon

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ということで、ある怪しげな解読が、つぎつぎに連想を生んでこの伝説になったようです。とにかく、この話は教会筋でも受け入れられていて聖ウルスラの名前を冠したキリスト教関係の学校、もちろん女学校ですが、日本にもかなりあります。また、絵になるというので、多くの絵画があります。英領ヴァージン諸島の旗の紋章にはこの聖ウルスラが画かれています。
　サンピエール St. Pierreの方はフランス人がつけた名前です。なぜかは調べませんでした。この島はフランス人とイギリス人の漁師が基地として使っていたようですが、イギリス人は Eleven Thousand Virginsを使っていたのでしょう。07/11/22 よく調べたらサンピエールは聖ペテロと同じです。漁師たちの守護聖人とされています。フランス語のpierreは ラテン語の peteroと同じで岩を意味し、キリストが Simonという漁師だったペテロにお前を「岩」と呼ぼうと言ったとされています。もともとはユダヤ語で"Cephas"と呼んだようです。これがラテン語に翻訳されてペテロになり、フランス語では Pirreになったというわけです。ちなみに英語ならSt. Peter セント・ピーターです。有り難みが減りますけど。
　ミクロンの方は、何の意味かしりませんが、バスク地方の漁師がつけた名前です。バスク地方というのはスペインとフランスにまたがっていて、この地に来たのはフランスの方です。
　17世紀からフランス人が入植し、アメリカの独立を支援した復讐とか、フランス革命の混乱に乗じてイギリスがたびたび攻撃しますが、結局1816年に返還されます。この島々は、かつては北米一帯を支配していたフランスの唯一の名残として、フランスの海外県になっています。また、この島はアメリカの禁酒時代、アル・カポネやビル・マッコイなどのギャングが密輸基地として使われていました。
　国旗はもちろん、フランス国旗ですが、島の旗があって、左側が上から三段に分かれていて、入植した人々の出身地にしたがって、一番上がバスク地方 Basqueの旗、中段がブレトン地方 Bretonの紋章、一番下が ノルマン地方の紋章です。そして右側が彼らが乗ってきた船というわけです。
　ところで、Bretonですが、ブリテン Britainとも　ブルターニュ Bretagneとも似ていて、いったいどうなっているのか調べてみると、ブルターニュが地名でフランスの北西部でイギリスに向けて突きだした半島です。そしてブレトンはブルターニュに住む人、ブルターニュ人あるいはブルターニュ語を意味するようです。ブリテンとの関係ですが、この地域は紀元前にローマ人が占領していたのですが、6世紀にローマ軍は引き上げ、そこにイギリスからアングロ・サクソンとスコットランドのケルト族 Britonが侵略して住み着いたというわけです。そして国の体裁になっていたようですが、1488年にフランスがブレトン軍を破って併合されたということです。Brittanyというのも、この地域を指す言葉ですが、これは小さな Britainを意味し、Great Britainと対になっているということです。というわけで、この地の人々はケルトの祭りやダンスを大事にしているようです。
→>北アメリカの地図↓サンピエール エ ミクロンの地図