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オランダ領アンティル
(Netherlands Antilles) .an

旧称 Dutch West Indies, Netherlands West Indies

首都 ヴィレムシュタート(5 万)
Willemstad (Curaao 島)

 国際電話番号 +599

 西インド諸島東部の数島と南部の数島、大きな島はキュラソー(Curaao)、ボネール(Bonaire), セント・マールテン(St.Maarten)、セント・ユースタティウス(St.Eustatius)、サバ(Saba)などから成るオランダの自治領。面積 960 km2。人口 218,126人(2005通貨、Netherland Antilles Floryn、いや、これは研究社CD辞典の記述で、現在は Netherlands Antilles Guilden ギルダーのようです。フローリンはGuildenとも書くという記事もあります。この記事には、お金 moneyの語源が記されています。Wikipediaの記述とはかなり異なりますけど。

 素直に読めばアンティレスなのですが、アンティルとフランス風に読むようです。元はスペイン語かポルトガル語でしょう。首都の名前は明らかにオランダ風ですけど。ウィレムシュタッド、ヴィレムシュタットとか人によって読み方が違いそうです。
 この島の名前は中世のヨーロッパで大西洋の西にあるとされていた想像上の土地、Antiliaから来ています。コロンブス1492年にアメリカ大陸を発見してこの地に来たとき、これがそうだ、と思ったからだそうです。ですが実は、この島々がそう、というわけではなくて、カリブ海に浮かぶ島々全体を総称してアンティレスと呼ぶようです。その中にも分類があって、グレイター・アンティレスはキューバ、ドミニカ共和国、ハイチ、ジャマイカおよびプエルト・リコなど。レッサー・アンティレスはアンティグア・バーブーダ、アルーバ、バハマ、バルバドス、それからこのオランダ領アンティルを構成するボネール、キュラソー、サバ、セント・マールテン、セント・ユースタティウスなど、ケイマン島、ドミニカ、グレナダ、グアドループ、マルテイニク、モントセラト、レドンダ、セント・バーソロミュー、セント・キッツ・アンド・ネヴィス、セント・ルシア、セント・ヴィンセント・アンド・グレナディン、トリニダード・トバゴ、トゥルク・ケイコス島、米領バージン島などとなっています。グレイターとか、レッサーとかいうのは島の大きさのようです。1513年にトルコのPiri Reismが描いた世界最古のアメリカ地図に、その位置が示され、そこには白、赤、緑、黒のインコが居て、住民はインコの肉を食べる、頭飾りは全部インコの羽で出来ているとか、ガラスビーズで、金や真珠を買う話、人食い人種がいるとか、まゆつばと事実をない交ぜにしたメモがトルコ語で書いてあるようです。
 一番大きな島がCuraaoで、想像はつきますが、読み方はキュラサオ、いや、キュラソー、深い青色をしたオレンジの香りのリキュールと同じです。元来はここで採れたダイダイを使って作ったのだそうです。ダイダイも英訳するとただの OrangeではなくてCuracaoのようです。Curaaoはポルトガル語で、元の意味は心臓だということです。ですが、今では、ポルトガル語でも、深い青のことをCoraaoと呼ぶようになっているということです。この島に最初に来たのはスペイン人で、それをオランダ人が17世紀に奪取してアフリカからの奴隷の輸入基地として使い、それなりの繁栄をしたということです。しかし、1863年に奴隷制廃止になり、奴隷基地としての繁栄は終わりを告げました。原住民のアラワク・インディアンはスペイン人によって病気もあるでしょうが、絶滅に瀕していたようです。資源としては石油も出るようですが、採算に合わないのか、オランダ資本と島民との利害調整ができないのか、本格的に採掘はされていないようです。それよりもベネズエラから出る石油の精製基地として繁栄を取り戻しているということです。
 国旗の五つの星は主立った五つの島を表しているようです。アルーバが分離するまでは6つあったのだろうと思います。セント・マールテンにも分離の動きがあるそうで、そうすると星は4つになるかも知れません。
 アンティルの文化に関しては、佐納康治というの大学の先生の旅行記があるので紹介しておきます。コンピュータとか情報の教授のようですが、世界中、旅をされています。
西インド諸島の地図 この地図に出ていないのでもう一つ大きい西インド諸島の大地図

↓オランダ領アンティルの地図