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世界の新技術(World Highways May/June 1998より)

Powerful Mix:反応性粉末コンクリート(Reactive Powder Concrete: RPC)

 フランスのブイグ(Bouygues)グループは極微細粉末のみを用いた超高強度コンクリートを開発した。強度は800MPa(8,000kg/cm2)に及び、配力筋を要しない。材料は珪砂、セメント、石英、シリカなどと、高強度の微細鋼繊維である。RPCは空隙が少なく、水密および気密であり、耐薬品性である。値段は当然高いが、それに見合うということである。下の写真はケベックの歩道橋に適用したもので、トラス部材もすべてRPCコンクリートである。


急斜面道路

 イギリスのモ−タ−ウェイM6の自然環境を重視する道路で、氷河渓谷の自然をできるかぎり残すため、盛土、切土の斜面を急にする必要があった。このため、斜面の角度は40°(1割2分程度)で20 mに及んでいる(日本では珍しくもないか?)。
 このため、ソイルネールを3 m間隔の格子で12 mまで削孔してグラウトし、表面はジオグリッドで覆い、さらにその上に土を置き、保護マットを置いて植樹できるようにした。


新ポットホール補修材:PH-100

 アメリカの土木研究財団(CERF)は、熱硬化性樹脂の粉末と顔料、それに特許の添加剤を加えたコンパウンドによるポットホール補修材の評価を開始した。これはポットホ−ル修繕の寿命を伸ばすことを意図している。PH-100は溶かしたものをポットホールにスプレイして、ポットホール底面を不透水性にし、水の浸入を防ぐものである。また、パッチング材料との良好な接着面を形成させる。これまでの4年間でアメリカ、カナダ、フィリピンで試験されている。


ファイバーコンクリート用の新ファイバー:3Mが開発

3Mは長さ50 mm、径0.63 mmのポリマー繊維を水溶性のテープで束ねた新しいファイバーを開発した。従来品は混合時の分散性から、1 m3中に1.8 kg/m3しか添加できなかったが、この新製品は15 kg/m3まで添加できる。この新製品を用いたデモとして、インターステート20号で層厚10 cmのわだち掘れのできたアスファルト舗装を切削してホワイトトッピングをスリップフォームペーバーで施工した。このコンクリートは30時間で170 kg/cm2の圧縮強度になった。これにより、層厚100 mmのホワイトトッピングが最小限の横断目地を設けるだけで施工できた。


道路排水の環境問題

 イギリスでは道路排水中の有害物質に着目した調査をしている。従来は問題になっていなかったが、長期的には環境に影響するということで、特に自然の希釈があまり期待できない場合、あるいは微量の有害物質でも影響を受ける植物相などがある場合には影響があるということである。通常の道路排水は泥土などを除去する仕組みを有しているが、これはある程度有害物質の除去に寄与している。
 調査は環境庁が各種の道路排水の仕組みについて有害物質の除去効果を長期的に調査するものである。

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