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2004年度・AAPT・アスファルト舗装技術目次へ
技術セッション 19

A Distinctive Fatigue Failure Criterion

明確な疲労破壊の判定について

G. Al-Khateeb, A. Shenoy

Abstract

 本論文は新しい、簡単かつ、ユニークで、しかも明確なアスファルト舗装用の混合物の疲労破壊限界を提起するものである。ストアス、改質を含む11種のアスファルト混合物について19℃、1000マイクロのひずみ制御でくり返しビーム曲げしけを実施した。真の疲労破壊点を決定するために各荷重サイクルの荷重-変形の生データを解析した。
 シヌソイダル波形のひずみを供試体に与えれば、アスファルトコンクリートのような不均一な材料にあっても、シヌソイダル波形の応力応答が得られるもの予想される。このような場合、スムーズなよく見られる荷重-変形(応力-ひずみ)のヒステリシスが予想される。これは材料に疲労による損傷がない間は正しい。荷重をくり返してかけるうちに、供試体は疲労してマイクロクラックが生じはじめる。このマイクロクラックが応力の動きに不連続をもたらし、応力応答はゆがみ始める。これが反映して荷重-変形のヒステリシスもゆがんでくる。疲労ひび割れが繋がりあって、荷重-変形の波形を見ていると、もはやひずみの入力に従属しないという同様なゆがみが見られる。このヒステリシスループのゆがみを追えば、いつ、最初のマイクロクラックが発生し、それがどのようにして完全な疲労破壊にまで至るのかを明確に知ることができる。

 この論文については、まず、ひずみ制御での繰り返し試験では、次第に応力が小さくなり、計測値のノイズは一定なので計測が難しくなるはずだ、何かおかしい?という感じという指摘があり、次には事前に用意された資料付きの質問があって、引用されている先人の研究をよく理解していないとかの指摘がある、という異例の質疑になっています。多分、用意された質疑の先を越していち早く質問があったのでしょう。これに対して後にe-メールでの反論も載せてあります。まったく異例の展開です。
 事前に批判の質疑を用意するというのは、この論文は議論の価値があるということなのでしょう。さも無ければ、審査ではねられるでしょうから。多分、先人の研究の理解がどうこう、ヒステリシスで位相が変わるとか変わらないとかいうことはあっても大筋ではおかしくないのでしょう。