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技術セッション 14

The Virginia Smart Road: The Impact of Pavement Instrumentation on Understanding Pavement Performance

バージニア州のスマート道路:舗装の供用性を理解するための、舗装の測定機器導入の効果

I. Al-Qadi, A. Loulizi, M. Elseifi, S. Lahouar

Abstract

 本論文はバージニア州のスマート道路と称する試験路でたわみ性舗装の荷重に対する応答を計測するために使用した計測機器に関して、その概要、較正方法、設置方法、供用性について述べるものである。また、舗設中のHMA混合物中で鉄輪ローラ(振動の有無も)で生じる水平ひずみおよび長手方向ひずみについて述べるほか、走行車両による垂直応力パルスに関するデータを示す。また、温度、速度およびタイヤの空気圧が舗装の下面で垂直圧縮応力および水平横断方向ひずみに関するデータも示す。これらのデータと線形弾性理論で求めた計算値と比較した。
 転圧時、特に振動有りの場合にHMAに非常に大きな水平ひずみを生じることが分かった。また、走行車両の正規化した垂直圧縮応力パルスの波形はハーバーサインがよく合うことが分かった。ハーバーサインの時間幅は地中 40 mmの位置で、速度70 km/hでは0.02 sであり、地中 597 mmの位置で速度10 kmでは1.0 sであった。予想どおり、温度はHMA下面の垂直圧縮応力と水平横断方向ひずみに大きき影響することが分かった。車両速度は垂直圧縮応力の大きさには影響していなかったが、水平ひずみはHMA下面の水平ひずみに大きく影響することが分かった。タイヤの空気圧については 552 kPaから 724 kPaまで変化させてもHMA下面での垂直応力にも水平ひずみにも影響は無かった。
 計測した応答と線形弾性理論を用いた三次元有限要素法で求めた値とを比較したが、弾性理論は低温域では舗装の応答の予測は高くはずれ、高温域(といっても40℃くらい)では低くはずれる。要素モデルに要素間の接着条件を取り入れ、HMAを粘弾性物質として取り扱うことによって、計測データとよく一致するようになった。

 論文の半分は土中に埋めるセンサーの説明です。確かに目新しいのが使われています。圧力センサーは直径150 mm、厚さ12.5 mmの液体を満たした中空の円盤で、液体にかかる圧力を管で取り出して、より下の部分で圧電変換しています。水分センサーは通信関係で断線の見知に使う、パルスが反射してくる速度が水分により変わることを原理としたもの、ひずみセンサーは、ワイヤにかかる張力によって振動周波数が変わることを利用して、周波数としてデータを送信するもので、減衰の心配がないというものです。また、地中に埋めるセンサー類は破損しやすく、何を計っているのか分からなくなることがよくありますが、設置直後、1年後、2年後、3年後と破損率が示されています。
 質疑ではブラウン教授が、車両の速度が垂直応力に関係しないのはおかしい、いや、垂直応力は関係ないと信じている、センサーの感受面をここでは下に向けているが、上に向けるべき、いや、固い骨材の当たりを防ぐために下に向けるべきだとかの応酬がありました。