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2001年度・AAPT・アスファルト舗装技術目次へ
技術セッション 20

IDENTIFICATION AND VERIFICATION OF A SUITABLE CRACK GROWTH LAW

適切なひび割れ成長の法則の確認と検証

Zhiwang Zhang, Reynaldo Roque, Bjorn Birgisson, Boonchai Sangpetngam

Abstract

1) 交通荷重の繰り返しによる疲労ひび割れはアスファルトコンクリート舗装の主要な損傷の一つである。混合物のひび割れの発生および成長に対する抵抗がアスファルト舗装のひび割れ挙動に影響する。したがって、アスファルト舗装のクラック発生のメカニズムをよりよく理解し、混合物のクラック発生および成長に対する抵抗を求める実用的で信頼できる方法を得ることが必要である。
2) アスファルト舗装のひび割れ発生のメカニズムを基礎から正確に、よりよく知るための手法が必要である。しかしながら、この調査で資料にあたったところでは、現在のところアスファルト舗装で見られる、ひび割れを総合的に十分に記述する法則はないようである。
3) 従来の疲労からのアプローチは、アスファルト混合物の破壊挙動に影響があることが知られている、自己治癒と、応力の再配分のような複雑性を考慮していないため、適当ではないようである。研究の作業において、従来の破壊メカニズムのアプローチは、材料の欠陥やマイクロクラックに起因する応力再配分の影響を考慮する合理的な方法であり得るということがわかった。しかしながら、現場で起こっているひび割れのメカニズムが字らの破壊メカニズムで適正に記述しているかは、疑問である。 粘弾性と連続体の損傷からのアプローチが、現実的な荷重条件のもとでのひび割れ挙動とアスファルト舗装の自己治癒を解析し、より基礎的なアプローチになるということが、注意を惹く。しかしながら、このアプローチはアスファルト舗装中のマイクロクラックのみを考慮し、マイクロクラックが、連続的に成長することを想定している。
4) したがって、アスファルト混合物のひび割れのメカニズムを理解し、アスファルト混合物のひび割れ挙動をより合理的に解析するアプローチが、明らかに重要である。本研究では、スーパーペーブ・間接引っ張り試験 (IDT)を用いて、破壊のパラメータを求めるために、完全な試験、データの取得と解析のシステムを開発した。しかしながら、測定したひび割れと現場での供用性との間には乖離が見られた。この乖離を調査することが、ひび割れのメカニズムをより良く理解し、適切なひび割れ成長の法則を求めることにつながった。このひび割れ成長の法則は次のような特徴を持っている。(1) 全般の荷重条件と自己治癒が考慮できる。(2) 閾値という考え方を導入し、不連続で段階的なひび割れの成長を扱える。(3) ひび割れの発生にも成長にも対応している。(4) ひび割れの発生および成長に対する閾値として、消散クリープひずみエネルギーが、確定された。 (5) 閾値はスーパーペーブ間接引っ張り試験 (IDT)を用いた単純クリープ追従試験および強度試験によって求められることがわかった。
5) 最終的に、HMAの破壊メカニズムモデルを、このひび割れ成長の法則に基づいて開発した。予備的な評価では、本モデルはアスファルト混合物のひび割れ成長を合理的に予測できることが示された。したがって、さらに、荷重履歴や自己治癒などの影響を取り込んだ、モデルの改良と評価を行うことが望ましい。