トップページ建設用語中辞典(英仏独和)技術資料・目次佐藤渡辺通信スパム紹介(日記)
世界の文化国名・国旗の由来日本の文化自治体リンク(県・50音別)アクセス解析・公開作者のページ(更新状況)

2000年度・AAPT・アスファルト舗装技術目次へ
シンポジウム 6

Development and Implementation of a New Australian Asphalt Mix Design Procedure<

オーストラリアにおけるアスファルト混合物配合設計法の開発と実施

John Oliver

 オーストラリアでは、道路管理者とARRBの輸送研究部およびアスファルト業界との共同研究計画によって新しいアスファルト混合物の配合設計手法が開発されてきた。この手法は供用性と関連づけたもので、サービス特性を改善し、実用可能であり、また速く、容易に使用できるものである。
 この手法は促進載荷試験機(ALF: Accelerated Load Facility)の助けを借りて、整合のとれた研究計画のアウトプットに基づいている。研究から、動的クリープ試験はかなりの欠陥があることがわかり、ホイールトラッキング試験が、拒否密度試験(refusal density test→下注)とともに導入された。ホイールトラッキングで評価した混合物のわだち掘れに対する供用性の順位は実大のALFによる順位付けと同じであった。骨材の詰め方(骨材片の向きで示される)に関する研究が、適切な室内締固め機の選定の補助として行われた。
 この新しい配合設計の手法は3段階のレベルになっている。レベル1の試験では、適切な容積特性を持つ配合比が、まず目標粒度と材料の組み合わせを選定し、次にジャイレトリーコンパクタを用いて、予想する範囲のアスファルト量で一連の混合物を調製して特定される。候補となる混合物は混合物の用途と交通量レベルに関連づけた基準で評価する。重交通で供用される混合物についてはレベル2の試験が、特に重交通の場合はレベル3の試験が行われる。これにはホイールトラッキングと拒否密度試験とがある。オプションとして疲労試験および水分感受性試験(日本では、この用語に直接、相当する言葉はありませんが、水浸マーシャル試験による残留安定度試験が、水分に対する抵抗性を評価するという意味で、相当します。実際にも、これを言っている可能性があります。多分、そうだと思います。
 この配合設計手法は現在、導入の段階に入りつつあり、すべての州および業界の支援を得ている。新しいレベル1の試験は既存のマーシャル試験やハバードフィールド試験に取って代わりつつある。レベル2およびレベル3の試験についても全国的な合意に達しているが、定常業務での規格化までには至っていない。導入が進んでいけば、手法、手順の微調整が必要になるものと予想される。
 オーストラリアはいち早く、SUPERPAVEを換骨奪胎して実用化を始めたようです。レベル1からレベル3までと、SUPERPAVEと同じに見えますが、中身は簡略化され、実用的になっているようです。
 拒否密度試験というのは、これ以上は締まらないという密度を言っています。実際にはジャイレトリーコンパクタで350回転して締め固めた状態を言っています。これで空隙率が3%以上あれば合格というわけです。空隙率が少なすぎると密粒混合物の場合、すぐにわだち掘れになるということは専門家なら先刻承知です。空隙率が少なくてもいい砕石マスチックなどもありますが。