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トンネル
tunnel
tunnel
Tunnel
トンネルの語源を探して、ここに来た人がいました。えっ?トンネルはトンネルでしょうと思いましたが、待てよ!英語でもフランス語でも tunnelがどうしてトンネルになったのか? もともとトンネルに近い発音だったのでは?と考え直しました。オンラインのウェブスターの辞書を探し出して調べると、語源はFrench tonnelle a semicircular, wagon-headed vaultとあり、古フランス語では tonnelで tonneという半円形の樽とか桶の小型のものという意味でtonneleになり、形が似ていることからトンネルもそういう名前になったということです。イギリスに来て tunnelになったということのようです。今はフランス語でもトンネルは tunnelですが、逆輸入したのでしょう。それにもう一つ、1トン、2トンのトンですが、この元の tonneという樽の容量が 252ガロンで、1ガロンは3.785 リットルですから 1000リットルにかなり近く、これが トンの語源になっているのです。wagon-headedとありますから、馬車で運ぶための樽で安定のために円形でなく半円形だったのでしょう。馬車の時代の 1トンは相当の大容量だったでしょう。イギリスでは tonneが訛って tunになった大きな樽という言葉が死語になりつつあるけどあるそうです。調べればいろいろ分かるものです。
あとぶしん
後普請

先普請
immediate supporting

普請は建築では建築工事をすることを言いますが、トンネル工事では支保工を組むことを言います。比較的に岩質が良く、掘削してすぐは支保工を必要とせず、切羽が数m進んでから支保工を組むのが後普請です。無普請(むぶしん)は岩質が非常に良好で支保工を設けないことです。掘削したら直ちに支保工を建て込むのは当然、先普請です。先普請は縫地などの掘削の下準備としての普請も含むでしょう。
やいた
矢板
lagging, sheet pile
palplanche
Spundwandbohle
掛け矢板
lagging
blindage
Blech
縫地
forepoling,
forepiling

palissage
返しパッキング
wedge block
Keil
矢返し

先受け工
forepoling, forepilingAGF
All Ground Fatening

土留や止水のために地中に打ち込む木材の厚板あるいは鉄板状の杭です。コンクリート製もあります。使用目的により形はさまざま。普通は垂直に打ち込みますが、トンネル工事では地山が悪い場合、掘削に先だって矢板を支保工地山間にほぼ水平に打ち込んで崩落を防ぎながら掘削します。つまり先普請です。地山が比較的いい場合は掛け矢板と言って支保工の上で少しずつ重なるように、打ち込みますが、悪い場合はもう少し斜め方向に大部分が重なるよう、上下には少し隙間をあけて打ち込みます。これを縫地(ぬいち、ぬいじ)と言います。地山の圧力に耐える力が増します。縫った矢板で地山を支えておいて下を掘っては支保工を建て込むことをくり返すわけです。掘り進んでいくと、矢板の矢尻が覆工する場所に突き出て来るので、切断すると矢板がゆるんだりするので返しパッキングとか、矢返しとかの、くさびを打ち込んで地山を押しつけます。もっと大がかりなのが先受け工で、英語では縫地と同じくフォアポーリングです。フォアパイリングとも言います。竿:ポールを打ち込むか杭みたいなパイルを打ち込むかの違いでしょう。パイルの方が太そうです。5 m以上の長さのは長尺先受工法ということになるようです。掘進する前方の地山をいろいろなやり方で安定させます。矢板とか矢木を打ち込む縫地もそうですし、もっと長い100 mもある鋼管を水平に打ち込んだり、3 m以下くらいなら中空のパイプ状のボルトを打ち込んで地山を改良する注入材などを高圧で噴射して固める注入式フォアポーリングとか、吹きつけで切羽を固めたりするのを総称します。中空ボルト程度でなく曲げ剛性の高い鋼管を並べるように打ち込んで屋根みたいなのを形成して掘削する工法は AGF (All Ground fastening)です。自立式矢板というのがありますが、深く打ち込んで、それだけで擁壁の役目をさせようというものです。これの英語を探して来た人がいましたが、見当もつきません。self retaining pile wallsheet pile retaining wallくらいかな?と思いますが。
シートパイル
鋼矢板
steel sheet pile
palplanche en acier
Stahlspundbohle

鋼管矢板

steel pipe sheet pile
palplanche
 tubulaire en acier

Stahlrohrspundbohle
正式には鋼矢板と言って、矢板↑の一つです。形は端を少し折り返して、折り返し部分をかみ合わせるこはぜ継ぎのようになっており、かみ合わせながら打ち込みます。普通は U字形ですが、直線形で端にちゃんとかみ合わせのついたもの、Z形というものあるようです。このほかにも丈夫から、杭の役目もするボックス形鋼矢板とか鋼管矢板などがあります。ちゃんと繋がるように継ぎ手金物をつけてあります。
やぎ
矢木 spile
Pfahl, Pfandbrett
トンネル工事で土質が悪く矢板では強度的に間に合わないときに用いる丸太や角材のことです。矢木を土留として用いることを矢木掛け(やぎかけ)と言います。
まくいた
幕板 skin plate
tle de coffrage
Blechhaut
横長の板で、コンクリート壁の型枠などの側面に使う板、トンネル工事の支保工の側面に設ける土留の板も幕板です。
ざくつ
座屈 buckling
flambage, flambement
Knickung
柱などの細長い部材に力をかけていくと、最後に突然はらみ出すように曲がっておれます。これを座屈と言います。バックリングとも言います。座屈しやすさは長さの自乗に比例しますので、柱の途中に振れ止めのような支え(座屈止めというようです)があると、柱が短くなったのと同じになり、がぜん強くなります。円形の鋼管の柱が座屈すると象の足みたくグニュグニュとアコーディオンみたいにシワがよる場合があります。英語はelephant foot bucklingで、直訳は象の足座屈、別名、ちょうちん座屈<とです。どうしてこういう座屈が発生するのかは、理論的に難しいものがあるようです。
じやま
地山 ground
sol, terre Baugrund
トンネル工事と限りませんが、掘削などまだ手を加えていない山、土地を指します。英語にするとnatural groundでしょうか。図は法面のところに一応あります。
アーストンネル
soft ground tunnel
tunnel en terrain ductile
Tunnel in weichen Boden
岩になりきっていないような地山↑に掘削するトンネルのことです。
ジャンボ
jumbo
jumbo, chariot de forage
Jumbo, Bohrwagen
削岩機
rock braker, rock drill
Bohrmaschine
ドリフタ
drifter
コンクリートブレーカ
concrete braker
brise-bton
Betonaufbruchhammer,
Betonbrecher

ガントリージャンボ
gantry jumbo
ガントリークレーン
gantry crane
ゴライアスクレーン
goliath crane
ドリルジャンボ
drill jumbo
jumbo pour garelies,
perceuse tarnsportable

Jumbo-Bohrwagen
トンネルの断面いっぱいになるような移動式の足場にドリフターと呼ばれる強力な削岩機がずらりと並んだトンネルの掘削機です。手持ちの削岩機はドリルで、コンクリートブレイカーは、その親戚です。たいていは空気圧で動きます。エンジンや電動もありますが。ジャンボのもともとの意味は削岩機とは関係なさそうです。ただ、でかいというか、イギリスの動物園がアフリカから買った象の名前が Jumboだったのです。これが世界的に人気者になって以後、アメリカでもジャンボバーガーとか大きいものは何でもジャンボをつけるようになったらしいです。ではジャンボは英語なのか?どうも出身地のズールー族の言葉で多分、スワヒリ語かと思いますが大きな荷物とか家とかを意味する Jumbaから来ているらしいです。(wikipediaではJamboから来た言葉でHelloというあいさつです。さらにネットで調べたら日本では圧倒的に「こんにちわ」ということになっています。まあ、同じでしょう。多分、「こんばんわ」に使ってもいいのでしょう。大きいという意味が含まれているのは Jumbaの方のようです。ここに Helloという言葉を使ったので「英語のHelloの語源は?」というキーワードでこの項目がヒットしました。Webster辞典で調べましたが、14世紀には使われていた言葉で意味までは遡れないようです。)とにかくトンネルの世界ではジャンボと言えば巨大な削岩機で、フランス語の辞典でもそうなっています。ガントリージャンボも同じ意味です。ガントリーというのは移動式の足場でロケットの移動に使うのもそうです。ガントリークレーンはクレーンを乗せた足場が動くわけです。ゴライアスクレーンは、その別名で、ダビデが倒した巨人・ゴリアテの米語風発音でしょう。ドリルジャンボというのは、ジャンボを誤解のないようにより正確に表しただけで同じだろうと思います。ジャンボの英語は jumboですが、実はユンボと語源が同じなのです。
トンネルボーリングマシン
tunnel boring machine
(TBM)

fraiseuse
Tunnelbohrmachine
トンネルワークステーション
tunnel work station
(TWS)
大きな回転板にカッタがいっぱいついたやつをグルグル回転させて前方の岩石を削り取って全断面掘削する機械です。トンネルワークステーションとなると、移動式台車の上に穿孔機だけでなく、支保建て込み、コンクリート吹き付け、ロックボルト打設など、いろいろなものを載せた掘削機械です。TBMには工事現場でまったく別の意味があります。
ふかし(発破)ふやかす意味のふかしのようです。本格的に発破↓して、破砕するのでなく、予備的に岩盤をゆるめるための発破です。その後、本発破するとは限らず掘削機械で作業することもあるようです。建築関係でふかしと言うと、これも ふやかす 意味でしょうが、構造としての壁と柱との間に段差ができるのを、壁の前にもう一つ化粧というか見かけだけの壁を作ってごまかしたりすることのようです。構造部としての壁が必ずしもきれいな面になっていないのを修正する意味もあるでしょう。
はっぱ
発破 blasting
sautage, charge d'explosive
Sprengung
火薬を爆発させて、掘削したり、石材を採ったりすることで、単なる爆破と違うのは、効率よく掘削できるよう、いい形に採れるよう、火薬の詰めかた、配置、爆発の順序に工夫があることです。発破はふつう岩石に対して仕掛けますが、相手が土だと土発破ということになります。一回の発破でどれだけ掘削が進んだかを一発破進行長というようです。発破を行うのには発破技士という資格が要ります。発破技士は、爆薬どこにどれだけどんな角度で仕掛けて、どれを雷管付にしてどんな順番で爆発させるか、発破パターンを指示します。
かんむりあな
冠り穴

心貫(しんぬき) relieving cut, cut
bouchon, empitage
Einbruch, Kernsprengen
装薬孔
charge hole
無装薬孔
dummy hole
ウェッジカット
wedge cut, german cut
ピラミッドカット
pyramid cut
バーンカット
burn cut
ノーカット no cut
スネイクホール
snake hole

トンネル工事の発破↑で、切羽の一番上方に穿った発破孔のことです。中央のものは最初に爆発させる一番大事な孔で心貫(しんぬき)(心抜き、芯抜き孔)です。これは発破の効率を良くするために、壊れやすい自由面を作るためのもので、ウェッジカット(二つの穴を先端で一致するようにV字形に掘る)、ピラミットカット(4(3)つの穴を先端が一致するように掘る)、バーンカット(中央に掘るばか穴のようです。)、ノーカット(全部の穴を壁面に垂直に掘る。cutは先端が交わって切り取る感じなのでしょう。)など、種類があります。両脇は払い(穴)、下部のものは踏前穴(ふまえあな)と言い、重量を持ち上げて爆破するので火薬量が多くなります。爆薬は詰めないが爆破を助ける目的で設ける孔を助孔(すけあな)払い助、あるいは単にすけばかあなと言います。正しい用語は無装薬孔のようです。爆薬を詰めるものは当然 装薬孔で芯助けというと、これは芯抜きの次に芯抜きを助けて起爆するものです。払い助がその次、次は払い孔、次が踏前孔、最後が
隅踏前といった感じです。踏前というのは切羽の一番下の部分のことで、その左端、右端が隅踏前ということになります。この項の説明図は鹿島建設の現場のホームページにあったものを参考にしたものです。ばかあなには、ボルトなどを通す穴が大きすぎるのもそうらしいです。役に立つばかと役に立たないばかがありそうです。産廃・リサイクル・環境用語辞典に図があります。すけというのは補助的なものにつけられるようで、足場とかで、ちょっと危ないかな?というときに添える柱は助柱だそうです。スネイクホールというのは盤下げなどのために、ほとんど水平に掘る発破のための穴です。
あんこ
餡子
(1)発破のとき、孔に爆薬を詰めて、残りの部分につめるもののことを言い、粘土、砂をビニール袋に入れたものなどを用います。込め物とも呼びます。(2)左官工事で塗る厚さが厚い場合にレンガ等をあんこにして仕上げます。
おやだい
親ダイ
発破に際して、雷管を装着してあるダイナマイトのことです。その他の増しダイと呼ばれるダイナマイトは雷管↓がなくとも誘爆で爆発します。
らいかん
雷管
detonator dtonateur
Detonator, Znder, Sprengkapsel
導火線 safety fuse
fusible de scurit
Sicherung
制御発破
controlled explosion
爆薬↓本体を爆発させるためのもので、導火線(みち火ともいうようです)を使って起爆する工業雷管と、電気で起爆させる電気雷管があります。中は結構複雑になっていて脚線というリード線からの電流で白金線で加熱して添加薬に点火し延時薬で時間を調整して起爆薬が爆発、添装薬で威力を増すという仕掛けです。全体が爆発すると 5万気圧とかの圧力を生じ、管の破片とともに火薬本体を爆発させることになります。延時薬が無ければも瞬時爆発する瞬発電気雷管ということになります、延時薬によって 0.0何秒とか遅らせて爆発する段発電気雷管があります。これは何のためかというと、爆破の時間を少しずつずらせて自由面を作りながら爆破すると効率よく火薬量を節約できるのと、一回の爆発の規模を小さくして周辺への騒音、振動を抑えるためです。こういう発破を制御発破といいます。精巧な制御発破では、以前、テレビでよく紹介していたビルが一瞬のうちに周囲に散らからずに内側へ内側へバラバラになって壊れるというのができるわけです。
かやくるい
火薬類

火薬
gunpowder
poudre
Schiesspulver
爆薬
explosive
explosif
explosiv
火工品
pyrotecnic
pyrotecnic
pyrotecnic

火薬類には黒色火薬を代表とする燃焼ガスの膨張で破壊する単なる火薬と、燃焼の速度が音速を超えるくらい速く、ダイナマイトに代表される衝撃で破壊する爆薬とがあります。爆薬の中には含水爆薬と言うのがあって水を含んで液体状のエマルジョン型とドロドロのスラリー型とがあります。雷管、信管みたいに、これらを組み合わせて金属の管などに詰めたものは火工品ということになります。花火も金属の管ではないけど火工品です。信管というのは雷管と起爆してから本爆発の時間を調整したり、爆薬までの距離を稼いだりします。火薬類は、火薬、爆薬は火薬庫に、火工品は火工品庫と別々に保管するのが原則です。量が少なければ隔壁で仕切って保管することもできます。小さな現場で扱う量が少なければ火薬取扱所で保管できます。いよいよ使う段になったら別の設けた火工所親ダイに雷管↑をとりつけたりします。取扱所と火工所は特に盗難、火災などの危険を防止する必要があり、見張り所 を設けたりします。こうした火薬類を取り扱うには保安責任者発破技士の資格を持つ人が従事します。それを監督するのは保安責任者免状を有する火薬類取扱保安責任者で正・副・代理の三人が必要です。
うきいし
浮き石
spalling, flaking
浮き石押え工

こそく(作業)
せん孔
削孔

穿孔機

発破のあとや掘削面などで、ゆるんで落ちそうになっている岩石です。右の図のようにコンクリートによる浮き石押え工で固定します。取ってしまえばいいようなものですが、実は落ちそうに見えるだけで、どこまで入っているかわからないので、下手すると将棋の山崩しみたいになる恐れがあります。実はその前に浮き石を除去するこそく(作業)というのがあります。多分、こそげるようにして除去するのだと思います。危険な作業です。トンネルのように次の発破をかけるための火薬を詰める孔を削岩機せん孔(穿孔)する作業のときに危険なので取り除くのです。せん孔と削孔(さくこう)は同じことです。穿という字がものものしいので最近は削孔がよく使われます。同様に穿孔機と削岩機も同じようなものですが、せん孔機の方はただ掘ればいいというものではなく、正しく孔を掘れるのでしょうが、削岩機の仲間には違いありません。ジャックハンマーさく孔用の削岩機らしいです。
ささら棒(1)発破のための爆薬を詰める孔を掘ったとき、あなの中の屑を取り除くための棒です。普通、9mm鉄筋の先端をまげて耳かきのようにつくります。きゅうれん耳かきとも言います。(2)転ばしを参照してください。
あなじり
穴尻(孔尻)
hole end
孔壁
bore wall
発破をかけた後に残った爆薬孔の先端部を言います。いや、爆薬を詰める(装填)ためにあけた穴の先端部のことです。爆薬が孔尻まで詰まっていないと、爆発力が逃げて不発の原因になります。この孔の周りは孔壁(こうへき)と言いますが、これが地山の亀裂などで孔荒れ(あなあれ)したりしているとそういう心配があります。
さきなり
先鳴り
制御発破発破するとき、予定より先に鳴る(爆発)することです。予定より後に鳴るのは後鳴りということになります。2個以上の爆薬がほとんど同時に爆発するのを合鳴りといいます。発破したのに音だけ鳴って岩石が崩れないのは空鳴りです。予定通りに鳴らないと、効率が悪くなり、不発があったりすると、あとの作業が危険になります。不発がないように雷管どうしの結線について導通確認をし、全体の結線に漏れがないか、結線の種類ごとの抵抗、雷管の抵抗などから計算した抵抗値が実測と合っているか確認します。その前ですが、工事で使用する照明、機械などからの漏洩電流がないかチェックする必要があります。暴発の恐れがありますから。
あとがす
後ガス
after-gases, fume
gaz et fume d'exploit,
fume de tir

Sprengabgas
トンネル工事など、坑内で発破をかけた後には一酸化炭素とか二酸化窒素などの有害なガスが残ります。これを換気してからでないと坑内には入れません。その排気と新鮮な空気の送り込みのためのパイプを風管(ふうかん)といいます。吸い込むか、吹き出すかで構造が違います。吸い込む方はつぶれないような強度が必要になります。
インバート invert
radier en voute
Sohlgewlbe
トンネル工事において、地山が弱いとき、路盤より上に逆アーチのコンクリートを打設したものを言います。下水道のマンホールで、流下をなめらかにすめために、底部に設ける逆アーチの曲面を指すこともあります。仮インバートというのもありますが、上半など加背割↓して施工しても地盤が悪くて掘ったあとから変形したりするときに、仮にインバートを作って、あとで撤去するということがあるようです。
うわせんこうほう
上線工法
トンネル工事において、上下2段に軌条を敷設し、上線をコンクリート打設用に、下線を掘削して生じたずりの搬出用に使う工法です。
かせ
加背
section of heading
section totale
Ausbruchquerschnitt
加背割

上半
top heading,
upper section

Oberhlfte des Tunnels
下半
bench, bottom section
stross
Unterhlfte des Tunnels
スプリングライン
起拱線
spring line
linge de naissance
Kmpferlinie
スプリンギング
起拱点
springing
naissance
Kmpferpunkt, Kmpfer
大背
bench
Strossen
中背

土平
tunnel wall
pidroit
Ulme

トンネルの掘削断面のことです。地質によっていっぺんに掘削できない場合は分割・加背割します。まず、上半(じょうはん)が上半分でアーチ部分のことです。下半分が下半(かはん)、大背(おおぜ)は下半の中央部分です。このほか、部分の言い方として鹿島建設様の新府能トンネルでみつけた左肩、右肩などがあります。↑上図。上半と下半を分ける線がスプリングラインです。略してS.L.です。日本語は起拱線です。アーチの始まる点はスプリンギング、日本語では起拱点(きこうてん)です。中背(ちゅうぜ)というのはトンネル掘削のとき頂設導坑の下、底設導坑があるときの中央の部分、丸型の下を言います。土平は下半の中の側壁になる部分です。
SL材を検索して来た人がいますが、この SLは self levellingの略で、水平な床面を作りたいときに、材料を流し込むだけで自分で水平になる材料で、セメントをベースにしたもの、石膏をベースにしたもの、エポキシなどの樹脂・レジンを使ったものがあって総称して SL材です。セルフレベリング材とも呼ばれます。セメント系のものは水を多くすればいいようなものですが、多すぎると強度が落ちるので流動化材を加えたりします。
きりは
切羽
face, cutting face
front de taille
Ausbruchsort
トンネル掘削工事の最先端部の掘ったばかりの面のことです。切端とも書きます。切羽は正面、側面とありますが、正面をと呼びます。先輩が鏡がどうのこうの、と言いますが、見当はつくものの分かるまでは不安なものです。その鏡の地質が悪いとき、鏡止め土留めします。切羽の後ろでいろいろ保守点検したり整備をしたりする作業員は後向き(覆工を施工する作業員もそうらしいです。)と呼びます。という言葉は建築でも使われていて、正面とか人によく見える面を意味するようで、そういう面には鏡板といって姿のいい一枚板を使ったりします。鏡板張りとかいいます。鏡板天井は床の間は別として、まさか一枚板ではできないでしょうが、姿のいい幅広の板を使って桟などは見えないようにしたものです。土木の中でも鏡はいろんなところで使われていて杭打ちでは杭にキャップを被せてハンマーの打撃から保護しますが、そのキャップの上の部分は鏡らしいです。また、シートパイルで土留めした立坑の横っ腹に水平方向に掘削したりする都合でガス切断して穴をあけたりするのは鏡切りだそうです。 分野が違えばは鏡餅から来たというものもありますが。切羽をきりは、と読んでいるのは、せっぱ詰まったの切羽と区別するためでしょう。こちらは刀の鍔がガタつかないように両面に付ける金具で副鍔(そえつば)から来たとか言われています。どうして切羽が詰まるとせっぱ詰まるのか、これは私の想像ですが、斬り合いで切羽の間合いが詰まったら待ったなしで何かしなければ命が無くなるということかな?と思っています。ネットで探していたら切羽で相手の刀を受けるような状態だと言うのがありました。切羽が詰まったら刀が抜けなくなって窮地に立つことになる、というのも有りました。では、どうしたトンネルのキリハは切羽になったのでしょう。相手(地山)に立ち向かう最前線だからかな?と思います。
こうぼく
坑木
トンネル工事、鉱山などで坑内で使用する支え用の木材です。
こうぐち
坑口
entrance
坑口と坑門↓の区別は悩ましいところです。英語の entranceと portalも同様です。イメージ的には坑口は単なる入口、特に工事中の入口で坑門というと門構えがあって外形的な意匠も含むようです。実際には同義に用いられることも多いような気がします。坑口付近は、いろいろと問題が多くて↓、そういう区間を坑口部として区別し、支保工とか覆工も頑丈なものになります。
こうもん
坑門 portal
portail Portal
トンネルなどの入口の構えを言います。坑門の付近は土石流や落石、崩壊、なだれ、異常出水等などの起こりやすい場所です。雪の多いところでは吹き込みが少ないよう、雪庇ができないようにする必要があります。換気とかの機器を置く場所でもあったりします。ドライバーにとっては景観、狭いところに入り込む圧迫感など気になるところです。こうしたことと出口付近の地形に合わせていろんなタイプの坑門があります。一番多いのは地山の斜面に沿い気味にに出てくるものでしょう。トンネルをあまり長くしたくないので山裾に近いところを縫うようにするとそうなります。そうすると片側の地かぶりが薄くなり、トンネルのアーチには地山から押し出すような力がかかって、偏圧がかかります。アーチは偏圧がかかると弱いので抑え盛土をしたり、その盛土を抱きかかえるような抱き擁壁といった変則な擁壁を作ったりします。この抱き擁壁はいかにも危なっかしいので下図左のように地山にアンカー設けて鋼棒で引っ張ったりします。これは半重力式、そのほか、両壁型(ウイング式、アーチウイング式)半突出型(パラペット式)突出型(突出式、竹割式、逆竹割式、ベルマウス式、逆ベルマウス式)とあります。図の右に行くにしたがって、景観的にはアーチが見えるだけで壁に遮られず、ドライバーに対する圧迫感が少ないでしょう。この図は九州地方整備局の資料から作ったものです。坑門は英語で言うとポータルですが、下路橋のトラス橋で見る門構えみたいなのもポータルです。
こうわく
鋼枠 steel support
support d'acier
Stahlausbau
鉄製のトンネルの支保工です。
さかまきこう
逆巻工
flying arch method
Belgian method
inverted lining

belgische Bauweise
巻き立て lining,
lining concrete
 placement

evtement
Auskleidung
迫め closure
confection de la voute
Abschlu
アーチクラウン
arch crown
sommet d'un arc, vertex d'un arc
Bogenscheitel, Gevlbescheitel
上げ迫め
arch crown closure
本巻き
permanent lining
revtement permanent
Ausmauerung
トンネル工事で崩壊の危険が大きいとき、上部を先にコンクリートで巻いて(巻き立て)、残った側壁(土平(どべら)は後で掘削してコンクリートを打ちます。これが逆巻工法です。こうして、アーチ部のコンクリートと、側壁のコンクリートとの間に継ぎ目ができますが、この部分の施工は難しく、迫めといって、特に入念に施工します。コンクリートは普通は下から打設するのが自然ですが、この場合は逆打ちになります。アーチ部の一番上、アーチクラウン(日本語で言うと(拱頂:こうちょう))といいますが、この部分も重力に逆らってコンクリートを充てんするので、大変で上げ迫めといって、さらに入念に施工します。逆巻きの反対語は本巻きです。側壁の下部から上部、次にアーチ部と下から順に覆工していきます。
シールド工法
shield piling
attaque en bouclier
Schildvortriebsmethode
圧気シールド
pneumatic shield
bouclier l'air comprim
Druckluft-Shild
土砂などの軟らかい地盤にトンネルを掘るとき、円筒型のシールド機という掘削機を押し込みながら掘り進む工法です。shieldは盾、つまり、防護するもので、土砂から作業員を防護しながら掘るということになります。フランス語の bouclierも同じ意味です。地下水位より低いところだと、水が沸き出します。そのときは、圧縮空気で気圧を上げて、湧水のための土砂崩壊を防ぎます。圧気シールドといいます。
シャフトshaft
arbre Welle
横坑
adit, drift
galerie
Stollen
斜坑
inclined shaft
puits inclin
Schrgschcht
(1)長いトンネルを掘るときに、人や物の出入り、あるいは空気の取り入れ口として、縦に作る坑道。つまり立坑(たてこう)です。トンネルでなくとも、とにかく土木工事で縦方向に掘って中で作業する穴は立坑のようです。横方向に掘るのは横坑(おうこう)です。斜めに掘れば斜坑です。(2)潜函の出入りに使う筒形の空気圧のかかる容器を言います。(3)ウインチなどの軸。(4)建物で上下貫通しているところ、パイプシャフト、エレベータシャフトなどを言います。
じょうちく
畳築
トンネル工事でレンガやコンクリートで周囲を巻く(巻き立て)ことです。
ずり muck, debris
dblai du souterrain
Schutt, Schutter,
Schttgut, Trmmer

ずり出し
mucking, muck houlage
dblaiement,
vacuation des dblais

Schuttwegramen,
Schutterung, Frderung

ずりトロ

トロッコ

鍋トロ

デブリ
debris

トンネル工事では岩石の屑をずりと呼びます。時に石ヘンに屑と書いた文献を見ることがあります。JIS第二標準にもない漢字ですが、感じとしてはよく分かります。読みの方は、知らない人には無理でしょうが。石ヘンに井と書いたものもあったようです。これも漢和辞典とかでも見つからないでしょう。自然にできた岩の屑は岩屑(がんせつ、いわずりでもいいようです)と言うようで、これが山の斜面にいっぱいあってナダレになると岩屑なだれ、流れるようにナダレると岩屑流と呼ばれます。ずりを運び出すのをずり出しと言います。ずりを運ぶトロッコずりトロです。近頃では、トロッコなるものを見る機会はほとんどありませんが、昔はちょっとした工事で土の運搬とかによく使ったものです。要するに台車で、それがレールの上を動くようになっています。大がかりになると機関車もつきます。レールの幅は普通は762 mmで、黒部ダムに残っていますが、昔はこの幅の軽便鉄道というのがあって、可愛いい蒸気機関車もありました。トンネル工事用のものは丈夫で鋼鉄製なので鋼車という呼び方もあります。トロッコの語源ですが、どうもトラック truckのようです。英語ではこのほかにも、bogy, bogie, bog, buggy, car, handcar, lorry, skip, slipe, tram, tramcar, trolley, trollyなど、様々な言い方があります。鉱山、トンネル、鉄道などの使う場所、動かす方法で言い方が違ったようです。日本語としてのトロッコは「とろこい」という意味をかけたのではないでしょうか? ずりトロなどを使ってずり出しをするのはレール工法、タイヤのついた車を使うのはタイヤ工法ということになります。トロッコの一種で三角形の鉄製の鍋が横転するようになって積み卸しを楽にしたものが鍋トロです。岩ずりというのもあります。砕石を作るために採石山で岩を採掘するときに出る砕石にするのに適しない岩の屑のことです。路盤に使ったりします。石やレンガ、コンクリートの屑はがらと呼ぶのが普通。コンクリートがら、などです。デブリというのは元来、絶壁など急斜面の下にたまった岩屑などのことのようですが、最近ではずりのようなものも仲間のようです。土石という訳もあるようです。発音ははっきり決まってないようで、デイブリといった発音もあるようです。参考→建設副産物
トンネルコンテナ工法
tunnel container method
検索で来た人がいましたがずり出しを効率的に行うために多数の大型のコンテナにズリを積み込んで切羽の後方に仮置きしておいて運搬を効率的に行うというものです。→飛島建設のTC工法
ベッセル
vessel
benne
Ladekippe,
Ladekbel
ほんとはベッスルが正しいでしょう。容器という意味の他に船舶、航空機など、人、物を運ぶ入れ物を言う言葉ですが、土木では特にトンネル工事でズリ↑を入れて運ぶための大きくて丈夫な一種のコンテナです。ダンプトラックの荷台もベッセルです。この中に発生したズリを仮置きして、車両で運びだすのがベッセル工法です。コンテナ工法とか仮置き工法とも呼ばれるようです。
ふっこう
覆工 lining
revtement
Auskleidung
セグメント segment
voussoir Segment
巻き厚
thickness of
  tunnel lining
epaisseur de revtement
Auskleidungsdicke
(1)上部を覆う工事。地下鉄工事などで、掘削した上を車が通れるように覆工板を置いて覆工します。工事用道路などで一時的に鉄板を敷くのは敷き鉄板ですが、似たものなので覆工板と言うこともあります。最近は復工板と書くのも多いようです。元に戻すという感じで違和感はありません。ときに覆坑板と書かれているのを見ることがあります。穴=坑の上を覆う板ということなのでしょう。(2)トンネルの周囲を固めるのが覆工。ライニング↓とも言います。覆工には強度を持たせるために重要な一次覆工と、その内側に主として化粧用の二次覆工あるいは化粧巻きというのがあります。化粧と言っても厚さ 30 cmくらいあるようですが。この覆工のコンクリート厚さを巻き厚と呼びます。コンクリートを打つのが普通ですが、シールド工法を行うような地盤の悪いところでは、事前にブロックにしたセグメント(分割された部分)を組み合わせて覆工にします。セグメントは普通は鉄筋コンクリートですが、鉄製もあります。
ライニング lining
revtement
Auskleidung
(1)何によらず、パイプあるは桶のようなものの内側に防水など保護のために塗ったりすることをライニングと言います。トンネルの覆工↑の場合は塗るものが何10 cmも厚さのあるコンクリートということです。まったく別の意味があって、(2)水道管など給排水の配管をライニングといいます。その他、長いものの配置のこともいうのでしょう。
ベンチ式(掘削)工法
bench cut
benching

abattage par banc
Strossenaushub
ベンチカット工法
bench cut,
benching, stepping

terrassement en gradins
Abtragung in Stufen
トンネルを掘るとき、上の方からベンチのように小段を作って、順次下部を掘削することを繰り返す工法です。切土のの高さが非常に高い場合、上の方から順々にベンチをを作るようにして切り下げていく工法をベンチカット工法と言いますが、基本的に同じです。ベンチの長さが数メートル程度だとショートベンチカット工法(ほとんど全断面掘削の場合は補助ベンチ付全段面掘削工法というようです。ミニベンチカットというのもあるそうです。)、数十メートルもあるとロングベンチカット工法となります。何メートルならロングかはいい加減でしょう。ベンチの上にベンチを設けて階段状に掘削していくのは多段ベンチカット工法ということになります。これの変形でリングカット工法→です。さね残しという別名もありますが、セクハラっぽい言い方です。言うなら核残し(かくのこし)でしょう。こうして分割して掘っていくのは、掘削していく最先端の切羽が、すぐ崩れださずに自立できるようにすることが、正確に安全に掘削するのに極めて重要だからです。
かいさくこうほう
開削工法
open cut
fouille ouverte
offene Tnnelbauweise
下水道、小トンネルなどを地表から掘り下げて埋め戻す工法です。オープンカット工法とも呼びます。
トレンチカット工法
trench cut method
mthode de fouille,
mthode de tranche

Grabenmethode
トレンチ trench
tranche Graben
トレンチというのは水を流すためではない深い溝、早い話が塹壕です。塹壕は分かりますか?平和な時代には無用のものです。開削工法↑でトンネルを掘るとき、一度に全部を掘り下げることができない場合に、まず、トンネルの中央から、あるいは両サイドにトレンチを切って(切るという言葉を使います)、壁を作ってから別の部分の掘削にかかる工法です。
せんしんどうこう
ほうしき
先進導坑方式

導坑 drift
galerie d'avancement
Stollen
全断面掘削工法
full face cutting,
full face method

percement pleingsection,
attaque en pleine section

Vollausbruchsmethode
側壁導坑方式
side drift method
側壁導坑 side drift
galerie pilot pidroit
Seitenstollen
切り広げ enlargement
abattage en grand
Erweiterung

トンネルを掘るとき、本トンネルを掘る前に先に導坑(小さいトンネル)を掘り進み、資材の運搬、ずり出し、通風、排水に用いるほか、本トンネルの工事方法を選定するための下見の役目もします。地山が非常にいいことが分かっていれば、全部の断面を同時に掘削する全断面掘削工法がありますが、我が国の地質は非常に複雑で、あまり用いるチャンスはありません。普通は導坑を掘ってから切り広げるわけです。側壁から掘り進み、ただちに覆工して、その後でアーチ部分を掘削するのが側壁導坑方式です。
ていせつどうこう
ほうしき
底設導坑方式
bottom drift method
percement
 galerie de fond

Sohlstollenmethode
切り上り
raise, upward cutting
fosse verticale
Aufbruch
底部に導坑↑を掘り、導坑に設けたトロッコ切り広げ↑のずりを落としこみます。このとき、上段の底部に設けたずり落とし用の穴にする板を並べた蓋を褌板(ふんどしいた)と言います。穴がふんどしらしいです。軟弱地盤、変化の激しい地質や不時の湧水のおそれのよる地質で用いられます。この底設導坑から上の断面の掘削に移ることを切り上りと言います。頂設導坑方式というのも当然あるわけですが、木製の支保工を使っていた時代は多用されましたが、今はあまり使われません。
はんだんめん
くっさくほうしき
半断面掘削方式
トンネル断面の上部半分を先に掘削し、コンクリートを巻いたのち、下部の半分を掘削する工法で、地山が比較的良好で、湧水量の少ない場合に適用します。
NATMナトム工法
New Austria
 Tunnelling Method

nouvele mthode autrichienne
 de forage de tunnel

neue sterreichische
 Tunnelbauweise,
sterreichische
 Spritzbetonbauweise

ロックボルト
rock bolt
boulon de roche
Felsanker
ロックボルト地山を留め付けるようにして、その後にコンクリートを吹きつけて地山の強度を活用する工法です。(ここのところ、ある掲示板からのリンクで、順序が逆だということが分かりました。)地山の動きを計測しながら、工事を進めます。所定の間隔でロックボルトを打ちこんだにもかかわらず、地山からの荷重に耐えられず変形したりする場合は増しボルトをします。
たぬきあな
狸穴
ずりぬき穴とも言います。トンネル工事で導坑上部掘削のとき、中段に設けたずり落としてトロッコに積むための穴です。
たぬきぼり
狸掘り
小規模かつ原始的なトンネルの掘削工法で、支保工を施さずに堀り進みます。
よぼり
余掘 overbreak
sur-creusage
berabgrabung
トンネルの掘削などで作業上の都合で少し余分に掘ることです。掘り越しという言い方もあります。
しほこう
支保工 timbering
boisage, tayage
Zimmerung, Spriessung
トンネル支保工
tunnel support
support de coffrage
Tunnelausbau
荷重や圧力を支えるために、木材・鉄材などで組み合わせた一時的な仮設物です。英語の timberingからも分かるように、もともとは木製でした。鋼製なら鋼製支保工です。だいたいH鋼をアーチ型に曲げたものです。これが地盤にめり込みそうな場合には脚部にウイングリブという長い三角の板を付けて、さらにコンクリートを吹き付けたりして接地面積を大きくしたりします。ウイングリブというのは飛行機の翼に厚みを持たせる断面を形作る板からの連想でしょう。支保工に厚みを持たせるということでしょう。枝梁(えだばり) branch strutトンネル支保工の一部材です。トンネル工事でコンクリートを巻立てるときに、じゃまになる支保工をはずすことを木外し(きはずし)といいます。荷重は他の方法で受けるようにしておきますが、代わりの支柱に荷重を移し替えるための設備を盛替え(もりかえ)と言い、移し替えるのは盛替えるです。これまで支保工で受けていた荷重を覆工に盛替えたりするわけです。一次支保と言う言葉がありますが、ここに説明したようのものと吹き付けコンクリートロックボルトのように、せっかく掘ったのが崩れないようとにかく一時的に支えるものを総称するものです。
ばんさげ
盤下げ
spreading pandage
トンネル工事などで、掘削面をさらに掘り下げることです。道路などでも全体に掘り下げることを言います。spreadingは掘り広げるという感触があります。
ぱんぶくれ
盤ぶくれ
heaving of the bottom
gonflement
Sohlenhebung, Sohlenauftrieb
トンネルを掘っているとき、地質が軟らかいと、周りの圧力で底の部分が押し出されるように、ふくれ上ってくることがあります。これが盤ぶくれです。トンネルでなくとも、掘削したところで下部にもともと圧力がかかっていた被圧滞水層があって上部に水を透さない粘性土層があると、水圧で押し上げられて持ち上がることがあります。これも盤ぶくれです。
つっこみ
突込
トンネル工事で切羽に向かって下り勾配になっていることです。切羽に水が集まり、ずり出しが登り勾配になる欠点があります。
すいしんこうほう
推進工法
下水管とかパイプラインなどを一方の発進用の穴(立て坑)からジャッキで押し込んで埋設する工法。地質が押し込むのに適するかどうかが問題ですが、道路、鉄道、河の下でも掘り返しの必要もない工法です。途中で曲げたりすることもできます。人が通るトンネルのようなのは無理で、小口径推進工法というのが一般的でしょう。押し込むのには、それだけの力を受けるものが後に必要で、そのための鋼材とかコンクリートで、後の土のまんべんなく力を分散させるための壁を支圧壁 (しあつへき)と言います。推進工法はシールド工法も含むでしょう。
ちんまいこうほう
沈埋工法
trench method,
sunken tube method

mthode immerg
Absenkverfahren
水中のトンネルを作る場合、トンネルを数十メートルづつ、船のドックなどであらかじめ作っておいて、船で曳航して、所定の位置で沈め、相互につないでトンネルを作る工法。簡単なようですが、トンネルが動かないように固定したり、水漏れがないように接合したり、そう簡単でもありません。
セントル
centering(米),
centring(英)
cintre
Lehrgerst
スライディングフォーム
滑動型枠
sliding form
coffrage glissant
Gleitschalung
トンネルのようなアーチ型のコンクリートを打つための型枠です。英語はcenteringで、かつての木製の中心から放射状に支えを設けるやり方と関係があるのでしょう。レンガや石でアーチを積んでいた時代からの言葉です。今では移動式のアーチ型をしたスライディングフォーム、別名滑動型枠スライドフォーム、スチールフォーム、つまり滑らせて動かす鋼製のアーチ型の型枠のことになるようです。取り外しが楽なようにジャッキで伸縮できるようになっています。この型枠には検査窓が設けられていて巻き厚の確認やバイブレータをを入れて締め固めに使います。閉めると、きちんと面一になるようになっています。一種のマンホールです。人が入るわけではなさそうですからですかね?こうした移動や伸縮ができず、毎回組み立て解体が必要なものはバラ・セントルと呼ばれます。バラの部分は外国語ではないでしょう。坑口部などで、断面が変化する場合に使われることがあります。このセントルという発音も何語なのか疑問です。このへんのところを調べて発行済みメールマガジン024号 トンネルはどうしてトンネル? その2に記しておきました。