このページだけが表示された時はここをクリックしてください。 作者のページ 世界の国旗・国名の由来(力作) 信者のいない新興宗教 世界の文化 日本の文化
 英和版 仏和版 独和版 仏独Explorer対応 建設現場用語 舗装チョイ知識 トップページ
じょうはつざんりゅうぶん
蒸発残留分
residue by evaporation
アスファルト乳剤の濃さを見るもので、加熱して水分を飛ばして残った残留物の重量で、最初の重量に対する百分率で表します。
じょうはつりょうしけん
蒸発量試験
loss on heating test
essais de perte de chaleur
Wrmerverlustsprfung
蒸発後の針入度
penetration ratio after heating
essais de pntration
  aprs tuvage

Penetration nach dem Erhitzen
蒸発後の針入度比
penetration ratio after
  loss-on-heating test

coefficient de pntration
 aprs tuvage
アスファルトは加熱したりするので、揮発分の蒸発や空気中の酸素の影響で変質します。その程度を163℃(混合物を練るときの温度を想定したものでしょう。)の空気中で5時間放置して、減った重量で量ります。この後に計った針入度蒸発後の針入度と言います。元の針入度に対する百分率は蒸発後の針入度比ということになります。似たような試験に薄膜加熱試験↓があり、この方が条件が厳しいので、現在は薄膜加熱試験が用いられています。
TFOT
薄膜加熱試験
Thin Film Oven Test
essai d'tuvage en film mince
Dnnschichtwrme
薄膜加熱試験:アスファルトの劣化のしやすさを調べるための試験で、小さな皿にアスファルトを入れて水平に回転させながら、5時間、163℃に加熱して、試験後の針入度などを調べます。この結果が残留針入度 residual penetrationで、もとの試料の針入度に対する百分率で表します。残留針入度は再生の目的で回収したアスファルトについても用いられます。回転薄膜加熱試験↓というのもあります。
RTFOT
RTFOT
回転薄膜加熱試験
Rolling Thin Film
  Oven Test
薄膜加熱試験と違うのは試料のアスファルトを円筒状の容器に入れ、この円筒が回転するようにして、加熱して劣化させる方式です。これですと、アスファルト試料の表面が常に入れ替わり、劣化が進みやすくなると思われます。温度は163℃でTFOT↑と同じですが試験に要する時間は85分でより速く、表面に膜ができたりして劣化が進まなくなるのを防ぐので、より優れていると言われています。
PAV
Pressure Aging Vessel
翻訳すると加圧劣化試験容器ということになるでしょうか、アスファルトを促進して劣化させる装置で、20気圧くらいの高圧下では劣化が速く進むことを利用するものです。温度も100度前後にします。以前からあったようですが、SHRPRTFOT↑を行ったアスファルト(アスファルトプラントで加熱するときの劣化に相当するようです。)をさらに、長期間、供用した後の状態(5-10年に相当)にまでしようという試験方法を提案したため注目されてきた試験機です。写真左がアスファルトの試料を入れたトレイで、これを右の写真のように10段重ねくらいにして加圧容器にいれるわけです。
しんにゅうどしけん
針入度試験
penetration test
essai de pntration
Penetrationversuch
アスファルトの軟らかさを、一定温度のアスファルトに一定の重さがかかる針が入り込む深さで測ります。0.01 mm単位で測り、針入度 100というように表します。アスファルトの規格を決める重要な試験です。アスファルトの軟らかさを測る試験には軟化点試験↓というのもあります。
なんかてんしけん
軟化点試験 softening point test
essai du point
 de ramollissemen

Erweichungspunktprfung
軟化点
softening point
point de ramollissementt,
TBA (Temperature de ramollissement Bille et Anneau

Erweichungspunkt
環球法
Ring and ball method
essai bille et anneau
Ring und Kugelmothode
アスファルトをリング状の容器に入れ、その上にパチンコ玉のような鋼球を置き、水中で一定の割合で温めていくと、アスファルトが軟らかくなり、パチンコ玉が抜け落ちていきます。2.54 cm下の底板にふれた時の温度が軟化点です。環球法とも呼ばれます。英語の直訳です。リングボール試験とか、R&B法と呼ぶ人もいます。軟らかさを測る試験には針入度試験↑というものあります。
あんていせいしけん
安定性試験
soundness test
essai de stabilit de volume
Raumbestndigkeitsprfung
骨材の凍結融解に対する抵抗性を調べる試験です。実際に凍結させるのは大変なので、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウムにように、水に溶けやすく、少し高温になると結晶する物質を水に溶かして、その中に骨材を16〜18時間、漬けては、105℃くらいで乾燥させることを繰り返すと、骨材の中にしみこんだ硫酸塩が結晶して、凍結の時に水が氷になるときの破壊作用と似た感じで骨材が摩損していきます。こうして損失した重量の百分率で評価します。
しんど
伸度
ductility ductilit
Duktilit, Streckbarkeit
アスファルトがどの程度、伸びる性質があるか、規定の形に固めたものを規定の温度で毎分5cmの一定速度で引っ張って千切れたときの長さ(cm)を計ります。品質規格試験の一つです。
あんていど
安定度 stability
stabilit Stabilitt
マーシャル安定度
Marshall stability test
stabilit Marshall
Marshall-Stabilitt
残留安定度
residual stability
stabilit rsiduelle
Reststabilitt
水浸マーシャル試験
immersion Marshall test
水浸マーシャル試験
essai immerg de Marshall
Wasserbad-Marshall-Verfahren
安定度試験 stability test
essai de stabilit
Stabilittversuch
アスファルト混合物の一種の強度です。単に安定度というとマーシャル突き固め試験機で締め固めた円筒形の供試体を横置きにして、マーシャル安定度試験機で押しつぶすようにして試験したときのマーシャル安定度を意味し、動的安定度というと、わだち掘れに対する強さをあらわす値を意味します。アスファルトは温度によって硬くなったり軟らかくなったりするので、60℃で試験することになっています。マーシャル突き固め試験機とマーシャル安定度試験機とは、セットでマーシャル試験機で、どちらも単にマーシャル試験機で通るようです。また、残留安定度というのは、水の影響度を試験するために、水中に一定期間、浸した混合物について行うマーシャル(安定度)試験を行ってその強さの比で表わします。(この試験が水浸マーシャル試験です。) 外国の文献でmoisture susceptiblityとかmoisture sensitivityという言葉がよく出てきますが、日本語にすると水分感受性といった感じですが、多分、この水浸マーシャル試験のことでしょう。安定度を計る試験法は、日本では現在、使われていませんが、ほかにもいろいろあるようです。全部ひっくるめて安定度試験です。
ハバードフィールド法
Hubbard-Field
60℃の試料を穴の空いた円筒に詰めて、圧力をかけて穴からにゅっと押し出すときの力を計るもののようです。HubbardとFieldは人名です。フランスでは使われているようです。
ビーム法
Hveem
スタビロメータ stabilometerというのを使います。円筒形の試料に上下方向から荷重をかけ、横方向に膨らもうとする圧力と変位を測定します。Hveemという人がこの試験法によってアスファルト混合物の設計法を考えました。カリフォルニア州では多分、今も使われています。⇒ニーディング
スミス三軸法
Smith triaxual test
上下だけでなく、側方からも圧力をかけて、つまり三軸方向に力をかけて土質試験のように粘着力や内部摩擦角を調べるものだということです。
フロー値 flow value
fluage Fliewert
フロー試験 flow test
essai de fluage
Flieprfung
アスファルト混合物マーシャル安定度試験↑において、最大荷重を示したときの供試体の変形量(1/100cm)のことで、大き過ぎるものはわだち掘れを生じやすく、小すぎるのものはひび割れしやすく、適度な範囲であることが必要です。20 - 40くらいが良いとされています。もう一つ、コンクリートの方では、セメントの試験にも、フロー試験というのがあって、フロー値がありますが、これは練ったものを入れた容器をとんとんと衝撃を与えて、その広がった直径をフロー値とするようです。フロー試験では石粉にも水で練っておいて、やはり衝撃をあたえて、広がりを計り、200 mmになる時の水の重量百分率を求める試験があります。
ホイールトラッキング試験
Wheel Tracking Test
essai de trace de route
Radeindruckprfung
動的安定度
dynamic stability
stabilit dynamique
dynamische stabilitt
アスファルト混合物の、わだち掘れのしにくさを試験する試験です。専門家の間ではWT試験と略して書くこともあります。30 cm角、厚さ5 cmの板を作って、夏の高温を想定した温度で、その上を小さなタイヤで往復させ、1 mmのわだち掘れができるのに何回往復したかを調べます。これを動的安定度と呼びます。よく略してDSと呼ばれます。1分間あたりのわだち掘れの深さをRD (Rate of Deformationの略)と言いますが、最近はアスファルト混合物が丈夫になったせいで、数字が小さ過ぎるのと、DSと、一定の関係があり、同じ情報なので用いられなくなっています。ここに説明した試験法は日本独特のもので、国によって違います。試験機の名称もイギリスなどは日本と同じですが、アメリカは標準的なものが、APA(Asphalt Pavement Analyzer)、フランスだと、wheel trackerとか、French Rutting Tester(FRT)(英語の読み方で同じものです。商品名としてはORNIEREURのようです。)、ドイツだとHumburg-Wheel-Tracking Deviceになり、それぞれ、供試体の大きさなどが違います。
すなとうりょう
砂当量
sand equivalent
quivalet de sable
Sandquivalent
細骨材に中に含まれている粘土やダストなどの好ましくない成分の量を示す数値です。細骨材をシリンダ内のある試験溶液の中で激しく振り、そのまま置いておくと、砂の成分は沈澱しますが、その他のものは浮遊します。液面と砂の堆積面との高さの比を砂当量とします。この試験はASTMで規定されており、日本では、これに関する規定はありません。略語はSEになります。
そせいへんけいりんすう
塑性変形輪数
平成13年7月に日本道路協会から発行された「舗装の構造に関する技術基準・同解説」では塑性変形輪数という新語が出てきます。よく見ると動的安定度↑と同じのようで、これが正式名称になった感がありますが、よく見ると、この輪数はホイールトラッキング試験だけで求めるのではなく、現地で実車を使って試験する方法と、現地と同じ舗装構造を作って60℃で試験する方法提示されており、本来は別の試験法が望ましいと考えられているようです。確かに現在のように丈夫なアスファルト混合物が製造されるようになると、ホイールトラッキング試験では、測定誤差のような小さな値の逆数をとるような試験になり、精度に疑問が出てきていますが、さりとて、この解説にもほかの方法の実施方法、評価方法が示されているわけではなく、実現も極めて困難なようです。
すり減り減量
abrasion loss
perte par abrasion
Riebverlust
ロサンゼルス試験機
Los Angels abrasion
  testing machine

appareil d'essai
 Los Angels

Los Angels
 Abriebprfungsgert

ドバル試験
Deval testing machine
appareil d'essai Deval
Deval-Trommelmhle
破砕試験
crushing strength test
essai de concassage
Brechfestigkeitprfung
PSV
Polished Stone Value
valeur de la pierre polie
骨材のすり減りやすさをあらわす指標で、骨材を鉄のドラムの中で鉄の球と一緒に回転させるロサンゼルス試験機にかけ、すりへった重量の率で表わします。すり減り量を調べる試験法にドバル試験というのがあります。ドラムが小さいだけで試験法も似たようなものですが、現在ではほとんど使われません。ちょっとやり方が違いますが、同じような目的の試験で破砕試験というのがあります。直径15 cmくらいの鉄製円筒に骨材試料を詰め、40トンくらいの荷重をかけて押しつぶすようにすると骨材の丈夫でない部分は破砕されます。これを2.5 mmふるいでふるって通過した分を百分率で表し、破砕値といいます。イギリスの試験法で、ロサンゼルス試験の簡易版といったものです。タイヤによる摩耗を想定した試験法があって、円筒の周りに試料を貼り付けてタイヤの下で回転させて、ポータブルテスタで摩擦係数に相当するPSVを求める試験法がイギリスにあります。
カンタブロ試験
Cantabro test
スペインのカンタブロ大学で開発したというか、アスファルト混合物の骨材が交通による飛び散るのに対する抵抗を評価するために、供試体にマーシャル試験のものを用い、ロサンゼルス試験機↑を利用して、鉄球は用いずに供試体だけをドラムの中でゴロゴロとさせるものです。排水性舗装では、特に問題になるのでこの試験を行ってアスファルト量が少なすぎないかチェックします。
ラベリング摩耗量
ravelling loss
ラベリング ravelling
ecaillage Abbrckeln
フレッティング fretting
usure par frottement
Abrieb,
Abnutzung von Asphalt

アブレージョン
abrasion
舗装表面がタイヤチェーンやスパイクタイヤにより表面が荒れて骨材が離脱するのををラベリングと言い、タイヤを模した試験機(ラベリング試験器)でタイヤチェーンを打ち付けて試験したときのすり減り量をラベリング摩耗量と言い、すり減って凹んだ部分の断面積で表します。ところで、すり減りを表す横文字言葉がいくつかあります。ラベリングというのは交通によって表面が破砕されて、減るものです。フレッティングというのもアスファルト舗装の骨材が取れて小穴が空くことですが、こちらは主たる原因は風化ということのようですが、ラベリングと同じ意味に用いられることもあるようです。ロサンゼルス試験↑によるすり減りは、アブレージョンということで、こちらはこすれ、あるいは紙やすりを掛けてすり減る感じでしょう。あるいはプラントでの混合中のすり減りということになるでしょう。ポリッシング↓というのは、磨くという感じでしょう。あるいは交通によるすり減りという感じでしょう。
ポリッシング作用
polishing action
action de polissage
Nachbehandlung,
Nachschleifen

PSV
Polished Stone Value
valeur de la pierre polie
車両の走行や人の歩行などで舗装面がみがかれる作用のことです。すり減りをかっこよく言ったものです。石灰岩などの軟らかい骨材を用いた舗装では、ポリッシングによりすべりやすくなるおそれがあります。タイヤによる摩耗を想定した試験法があって、円筒の周りに試料を貼り付けてタイヤの下で回転させて、ポータブルテスタで摩擦係数に相当するPSVを求める試験法がイギリスにあります。すり磨きという言葉がありますが、これは、ひび割れたコンクリートで、分かれたコンクリートがお互いにこすれあってすり減ることです。橋の床版のように繰り返し荷重がかかるところでよく起こります。水が入るとさらに急速に進み、ひび割れが上から下まで貫通すると、並列梁構造化と言って、床版が一体でなく分割された梁になってしまい、毛利元就の三本の矢ではありませんが、弱くなります。
とうすいけいすう
透水係数
coefficient of permeability
coefficient de permabilit
Durchlssigkeitskoeffizient
透水性舗装
permeable pavement
revtement permable
durchlssige Straendecke
透水性アスファルト混合物
permeable asphalt mixture
排水性舗装
drainage pavement
土や粒状の物質のの中での水の透りやすさの指標で、単位の圧力のもとで水の流れる速度で表わします。透水性の大きい舗装が透水性舗装で、それを作るには、透水性アスファルト混合物透水性コンクリートが用いられます。透水性舗装と排水性舗装は見た目は同じですが、透水性舗装は舗装の下の路床まで水が透っていきます。路床に水が入ると一般には悪影響がありますので、歩道のような軽い交通のところか、重交通の道路に用いる場合は路床から水が入ってもいいような設計にする必要があります。この場合、急激に水が浸透するして路床が軟弱化するのを防ぐため、フィルター層というのを設けます。排水性舗装では透水性の舗装のすぐ下に水を透さない層を設け、側方に排水します。この透水係数を計る方法が透水試験ですが下の項で説明します。
とうすいしけん
透水試験
permeability test
essai de permeabilit
Durchlssigkeitsversuch
現場透水試験
in-situ permeability test
Durchsickerungsversuch
 am Bauplatz

定水位式透水試験
constant head permeability test
permeamtre
  charge constante

Durchlssigkeit mit
 gleichbleibendem Wasserdruck

変水位透水試験
falling head permeability test
essai de permabilite
  niveau variable,
essai de permabilite
  charge variable

Durchlssigkeitversuch mit
  abnehmendem Wasserdruck
舗装の場合、室内で行うものと現場で行う現場透水試験があります。どれも水を実際に流してやるのですが、現場で行うものは透水係数↑を求めるわけではなく、円筒を路面に押しつけて横漏れしないようにゴム粘土のようなもので塞いでおいて、中に一定量の水を入れて何秒で路面に吸い込まれるかを計って、15秒あたりに換算したものを浸透水量と呼び、一番よく行われます。室内で行うものは3種類あります。水を自然流下させるのに2通りあって一つは水位を一定に保つように水を補給しながら、行う定水位式透水試験。もう一つは一定量の水を流下させて水位が変化する変水位透水試験ですが、普通は定水位式透水試験でやります。ここまでの透水試験は水の透りやすさを見ると言う試験ですが、防水能力を問題にする橋面の舗装などで水の透りにくさを計るには圧力をかけて強制的に水を透させる加圧式透水試験があります。これらでは透水係数が求められます。
アスファルト抽出法
asphalt extraction
抽出試験
extraction test
essai d'extraction
Extraktionprobe
ソックスレー法
Soxhlet (extraction) test
mthode
 d'extracton Soxhlet

Soxhlet-Extraktionsmethode
遠心分離法
centrifugal extraction method
mthode d'extraction centrifuge
Schleuderverfahren
燃焼法
ignition method,
combustion method

mthode d'ignition
Brennmethode
アブソン法
Abson extraction test,
Abson method

essai d'extraction Abson
Abson-Extraktionspr&uujl;fung
四塩化炭素
carbon tetrachloride
ttrachlorure de carbone
TetrachlorKohlenlslichkeit
三塩化エタン
(トリクロロエタン)
trichloroethane)
trichloro thane
Trichlorthan
二塩化メチレン
methylene dichloride
トリクロルエチレン
ethylene trichloride
プロピルブロマイド
propyl-bromide
リモネン
limonene
アスファルト混合物に、実際にどれだけアスファルトが入っているか、あるいは、どんな性状のアスファルトが使われているか知る必要があることがあります。これを調べる試験が抽出試験です。ソックスレー法というのは、約1kgの試料を、アスファルトを溶かす溶剤を使って、アスファルトを溶解させ、下のフラスコに落とし、そのフラスコは加熱して、溶剤を蒸留するようにして再度使う、ソックスレー抽出器というのを使って試験します。こうすると混合物の中のアスファルトが無くなり、残りの重量を計ると、混合物の中の水分や、アスファルトとといっしょに溶け出す細粒の骨材成分をろ過する、ろ紙の重量などの考慮など、こまかしいことがありますが、アスファルトの重量が差として出てきます。これでアスファルト量が何%であるかわかるわけです。もう少し簡単なものに、試料を溶剤で溶かしては遠心分離器にかけ、アスファルト分が無くなって、透明の溶液しか出てこなくなったら、同じようにしてアスファルト分を計算する遠心分離法というのがあります。ソックスレー法に比べて、精度が落ちるというので、最近はあまり用いられません。また、アスファルト量の検査という意味では、最近ではアスファルト混合プラントのアスファルト計量器の精度が良くなっているため、アスファルト舗装の再生に用いるアスファルト廃材のアスファルト確認以外では、これらの試験はあまり、行われません。このほかに混合物を炉で燃焼させて、アスファルト分を燃焼させる、燃焼法というのがあり、燃焼から、計量まで自動で行う装置もあります。アスファルト量を求めるだけならこの方法が簡単です。混合物に入っているアスファルトの性状まで知ろうというときは、アブソン法が用いられます。これは、ソックスレー法や遠心分離法で出てきたアスファルトの溶解した溶液から、溶剤を蒸発させてアスファルト分だけを残します、その回収したアスファルトの針入度軟化点などを調べます。これらの溶出させる試験に用いる溶剤は、アスファルトがよく溶けるというのが必要条件で、ベンゼンなども条件を満たしますが、加熱したりすることから、簡単に燃えないことが要求され、メタン、エタン、エチレンなどの炭化水素の水素分を塩素で置き換えた、四塩化炭素,三塩化エタン(トリクロロエタン)、二塩化メチレン、トリクロルエチレンなどが用いられてきましたが、これらはいずれも程度の違いはありますが、毒性があり、四塩化炭素はかなり昔に、三塩化エタンも最近製造されなくなりました。それらに代わるものとしてプロピルブロマイド臭化プロパン(1-ブロモプロパン)、ナフテゾール、レモンの皮から採ったリモネンなどが試されていますが、値段が高かったり、溶出が遅いなどの問題があるようです。
ぶんりゅうしけん
分留試験
distillation test
essai de distillation
Destillationsprfung
蒸留試験とも呼ばれます。カットバックアスファルト舗装タールに含まれる溶剤分、揮発性油分が蒸発する速さ(蒸発することによってアスファルトとして働くようになります。)、残留物量を計ったりする試験です。
あらいしけん
洗い試験
decantation test
washing analysis

essai d'entranement
Sedimentationsversuch
骨材に混じっている、粘土、シルトなどの好ましくない成分の量を計る試験です。0.088mmのフルイの上に目詰まり防止のため、1.2mmのフルイを重ねた上で骨材を水洗いすると0.088mm以下の細粒分が流されます。残った試料の重量と再処理重量との差から、この細粒分の重量%を求めます。細粒分が多いと、コンクリートでは、単位水量が余分に必要になったり、セメントと骨材の付着が悪くなるなどの悪さをします。
ねんど
粘度 viscousity
viscosit Viskositt
絶対粘度
absolute viscousity
viscosit dynamique
dynamische viskositr
動粘度
kinematic viscousity
viscosit cinmatique
kinematische Viskositt
ポアズ
poise poise poise
セイボルトフロール度
Saybolt-Furol viscousity
viscosit de Saybolt-Rurol
Saybolt-Furol-Viskositt
エングラー度
Englar viscosity
viscosit Engler
Engler-Viskositt
滑板式粘度計
sliding plate microviscometer
マイクロビスコメータ
microviscometer
microviscosimtre
Mikroviskosimeter
液体の粘っこさで、アスファルトの性質を表わす重要な性質です。絶対粘度動粘度とがあり、単に粘度と言えば絶対粘度を指し、ポアズ(g/cm・sec)で表わします。毛管式粘度計など数種類の計測方法があります。動粘度セイボルトフロール粘度計で、一定量の試料を細い管から流下させ、かかった時間を秒で表わしたものをセイボルトフロール度といいます。動粘度は、それに定数を乗じて求めます。単位はストークス(St:cm2/sec)で、石油製品では、その1/100のセンチストークス:cStが用いられます。動粘度にその液体の比重を乗じれば絶対粘度になります。60℃粘度減圧毛管式粘度計というのを使って計ります。60℃では軟らかいといっても自然に流れるようなものではないので、強引に引っ張って流下させるものです。セミブローンアスファルトなど高粘度のものに対して60℃粘度が規定されることがあります。アスファルト乳剤の粘度を表すのにはエングラー度というのがあります。これはエングラー粘度計と言って、底に穴のあいた容器に入れて50ccだけ流出する時間と、蒸留水を同じようにして流出させた時の時間との比を言います。大きいほど粘度は大きいということになります。滑板式粘度計、あるいはマイクロビスコメータというのはガラス板の間にアスファルトを薄く挟んで片方の板を固定してもう一方を回転させるのに必要な力と速度から粘度を求めるものです。同じく回転させるもので回転粘度計とか回転式粘度計↓というのもあります。
かいてんねんどけい
回転粘度計
rotary viscometer
viscomtre giratoire
Rotationsviscosimeter
回転式粘度計
(ブルックフィールド粘度計)
rotational viscometer (RV),
(Brookfield viscometer)
回転粘度計と回転式粘度計とありますが、実は名前はどちらでもいいのです。しかし、英語では rotaryと rotational (Brookfield)では違います。rotaryの方は左側のように二重になった円筒の間にアスファルト試料を入れて円筒を回転させ、せん断力を計ります。ブルックフィールドの方はアスファルトを満たした容器の中にスピンドルを入れて回転させ、回転トルクを計るものです。→右図
いんかてん
引火点 flash point
point d'inflammabilit
Flammpunkt
燃焼点 fire point
point de flamme
Brennpunkt
通常のアスファルトの引火点はだいたい240〜320℃らしいです。カットバックアスファルトの場合は、揮発性の強いオイルで割ってありますので、30〜50℃くらいのようです。引火点は、試料を容器に入れて温度を上げながら小さな炎に近づけて最初に引火したときの温度です。それからさらに加熱していって、5秒間以上、燃焼が継続するようになる温度を燃焼点といい、引火点より20℃以上高くなります。燃焼点は品質規格には通常は含まれていません。
はくりしけん
はく離試験
stripping test
essai de dsenrobage
Ablsungsversuch
静的はく離試験
static immersion test
essai en immersion statique
statischer Eintauchtest
骨材と瀝青材料との接着の良さ、あるいは水に接したときのはく離のしにくさを調べる試験です。瀝青材料で被覆した骨材を決められた温度の水に一定時間浸けて、瀝青材料がはがれて骨材がむき出しになった面積などで評価する静的はく離試験、振とう式はく離試験、水浸前後の安定度の違いで評価する水浸マーシャル試験などがあります。
なんせきりょう
軟石量
soft particle content
teneur en pierres tendres
weichem Gestein
粗骨材の中の好ましくない、つぶれやすいか、欠けやすい軟石の量のことです。石を一定の力を加えて黄銅の針金でひっかいて、ひっかき後ができたり、一部が欠けたりした粒が軟石でその重量百分率で表します。5%が限度ということになっています。石材の場合の軟石は圧縮強さが100 kgf/cm2のものを言うようです。
ようせきせっけいほう
容積設計法
volumetric mix
design procedure
この用語は正式なものではありません。SUPERPAVEの新しいアスファルト混合物の設計法に、私が、日本語で言うとすれば、と勝手につけた名称です。要はアスファルト量を決めるのに、まず、骨材だけを締め固めると空隙が残りますが、その空隙をアスファルトと空気で埋めるという極く単純な考え方でアスファルト量を決める方法のことです。空隙率は0ではまずい、4%くらいが良いというのがSUPERPAVE以前からの定説です。なぜかははっきりしませんが、多分、荷重を受けたときに緩衝作用をするのでしょう。とにかく、経験的にあまりに空隙が少ないとわだち掘れが生じやすいことが知られています。↓
禁止ゾーン
resticted zone
↑SUPERPAVEの混合物設計法の特徴の一つは骨材の粒度に禁止ゾーンがあるということです。技術資料の加熱混合物のジャイレトリー試験機による締め固めの評価の図-1 粒度範囲および実際の粒度に見るrestricted zoneというのがそれで、粒度範囲の真ん中に、そこを通ってはならないという禁止ゾーンがあります。これまでの経験から、そういうことになったいうことです。通常は粒度範囲が定められていれば、その真ん中を通るように設計するのが普通でしたので、奇異な感じを受けます。実際のところは反論もあるようで、真ん中で何ら問題ないという報告も散見されており、修正の動きがあるようです。
SST(試験機)

Leutner test

torque test
垂直応力(度)
直応力
normal stress
constrainte normale
Normalspannung

normal load

Superpave Shear Tester、日本語にすればスーパーベーブせん断試験機ということになります。SUPERPAVEのアスファルト混合物設計法による混合物の評価にはこのSSTが用いられます。垂直荷重と横方向の繰り返し荷重のほかに側圧もかけられ、さらに供試体の高さを一定にしながら試験する方法(RSCH: Repeated Shear at Constant Height)、周長を一定にしながら試験する方法など、複雑な機構を持つ試験機で、日本では独立法人・土木研究所にあるほかは、ないように思います。あるかも知れませんが。アスファルト混合物についてせん断強度を計るというのは、かなり難しく、これまで聞いたことがありませんでしたが、ドイツで開発された Leutner試験機というのが見つかりました。アスファルト混合物のコアを輪切りにするように、すり切る力をかけるものです。もう一つ、これは現場用として開発されたものですが、コア抜きを途中でやめて人手でねじ切るトルク試験というのがあります。この二つはいずれも純粋にせん断強度を試験するものです。せん断力だけを純粋にかけるのはなかなか難かしく、力をかける都合で押しつけると、摩擦力が働いてややこしくなります。押しつける力を変えては試験して、摩擦力を逆算して、差し引いたりする必要があります。この押しつける応力は英語では normal stress、日本語では垂直応力、直応力と呼びます。垂直応力度が正式でしょう。normal stressの意味としては考えている面、(せん断面)などに対して垂直ということで、引張りでも同じです。直訳すると正規応力ですが、これは聞いたことがありません。当然、normal load、直訳すれば正規荷重、垂直応力の伝でいけば、垂直荷重になりますが、あまりに当たり前すぎるのか聞いたことがありません。荷重は普通は上から垂直にかかりますから。
BBR
Bending Beam
Rheometer
日本語にすると、ビーム曲げ粘弾性試験ということになりますが、聞いたことはありません。アスファルトが低温でひび割れにくいか、を調べる試験です。アスファルトをようかん、みたいに成形して、これに荷重をじわっとかけて、変形の様子から、硬さ、つまりスティフネスと、m値とかいうのを計ります。SUPERPAVEのアスファルトバインダの選定に使用される試験です。この辞典で説明できるのはこの程度です。ワシントン大学の資料に動画がありましたので紹介しておきます。[Run Animation]をクリックすると動きます。
DTT
Direct Tension Test
日本語にすると直接引っ張り試験で、どこにもありそうですが、これもSUPERPAVEのアスファルトの試験法の一つです。これも、ようかん状に成形したものを低温で、両側から一定速度で破壊するまで引っ張って、そのときの伸びを問題にします。主として改質アスファルトの試験に用いられるようです。
DSR
Dynamic Shear Rheometer
日本語にすれば動的せん断試験機ですが、聞いたことはありません。これもSUPERPAVEのアスファルトの試験法の一つです。円板の間にアスファルトの膜を挟み込んでやるところは、滑板式粘度計とよく似ていますが、回転は一定速度で行きつ戻りつで行われて、そのときの必要な回転力と回転量と回転力をグラフにするとずれるのを位相角として、いわゆる複素弾性係数を求めるものです。SUPERPAVEでは60℃粘度とか針入度に代わってアスファルトの試験に用います。複素弾性係数は60℃粘度に似たところがあり、位相角は針入度と似たところがあるのだそうです。
そくしんさいかしけん
促進載荷試験
accelerated load facility
舗装の耐久性を試験するのに、実際の交通より速く、たくさんの車が通ったのと同じ状態を作り出す試験機です。実際の車を通す必要はなくて、それに相当するタイヤが通るような仕掛けを作ってやればいいわけです。オーストラリアのALFが代表的で、これは20 m以上の長さの橋桁みたいものの中に、タイヤが往復する仕掛けのついたものをトレーラーで引っ張って行って、現地でも試験できるようになっています。普通は舗装の方をいろいろと打ち替えて、同じような場所でやるようですが。最近、土木研究所で作ったもので、トラックの台車みたいなのを電動で往復させるものも、その一つと考えていいでしょう。また、土木研究所で20年以上使っているものに、俗に「ぐるぐるまわし」といっているものがあります。これは実際のトラックが円周型の試験道路を自動でぐるぐるまわるものです。人が運転したのでは目がまわると思います。車の数が少ないのが難ですが、もっと多ければ究極の促進載荷試験でしょう。フランスにあるものは、中心から四本の棒を出して、これに車に相当するものを取り付けて、これをぶんまわすというものです。直径が200 mくらいあって、すごいものです。規模は小さいけど、これに類するものは昔から日本でもありました。ホイールトラッキング試験ミニミニのタイヤで同じようなことをするので、広義には促進載荷試験でしょうが、普通は実物大で試験するものを言います。
トモグラフィー
tomography
CTスキャンが一般に知られている代表です。電磁波とかを発射する位置、受信する位置を変化させて、受信した信号をコンピュータ処理することによって断面の画像が見えるようにするものです。CTスキャンは医用ですが、最近では弾性波を使って地盤の構造の把握に使われていますが、舗装関係でもアスファルト混合物の中で破壊が進行する状況を観察する試みもあります。リング孔間トモグラフィによる地下画像を得ることができるシステムです。 CTは Computed Tomographyの略のようです。
RAC車路面とタイヤの間で発生する騒音を評価するための騒音測定車です。Road Acoustic Checker の略のようです。近年、代表的には排水性舗装ですが、騒音を低減する舗装が性能規定発注で発注され、性能を満たしているかを確認するための標準の測定車ということになっています。全国で数台しかなく、舗装業者は RAC車と相関の高い自前の測定車をつくるべく努力しているようです。まあ、かなりのものが出来るようです。