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現場用語の生い立ち

 現場用語はどのようにして出来てくるのだろうか?
 一つは"おふざけ"でしょう。何であれ、食べ物など親しみのあるものを連想させるものをそういう名前で呼ぶと、面白く、それを知っている人には"ぴん"とくるというわけです。コンクリートの豆板がそのいい例でしょう。この類がいちばん多いようです。はめ込んだりするものはどうしてもセクハラみたいなのが多くなるようです。
 次に多いのが外来のカタカタ言葉とそれが訛ったものでしょう。時には外人に教わって勘違いした結果というのもあるようです。ブリキはbrick つまりレンガのはずが、たまたま、レンガをブリキで覆ってあったのを「何だ?」と訊ねたらbrickという答えが返ってきたのがブリキの語源だというのは有名な話です。これに訛りが加わるわけですが、これは意外と、なまじ学のない人が正確に聞き取った結果ということもあるかも知れません。しゃこというのはワイヤロープに他のものを取りつけるときに使う金具で、shuckleなのですが、なまじ学があるとシャックルと呼んでしまいますが、実際にはシャックというようにしか聞こえません。多分、しゃこの方が原音に近いのだろうと思います。最近はワンダフルと言わずにワンダホーと言うのが原音に近くてカッコイイとされているようですが、それと同じ伝でしょう。アンビリバボーとかもありますね。学校では今、どう教えているのでしょうか? 実用的な発音が正しい発音とは限らないかも知れません。徳川幕府の海軍や日本海軍が英米の指導で形成されたこともあって、聞き取ったままに用語になったのが棒心、ゴーヘイ、ゴスタンなどとあるようです。
 次は方言です。土木工事は出稼ぎの人に頼るという面がありますが、人数で支配的な出身地の人の方言が現場で使われ、よそ者はこの世界ではそういうのかと思って受け入れるというものです。この方言ですが、実は由緒正しい古い言葉だったりします。例えばよきは斧(おの)斧のことでトンネル工事でよく使われる言葉ですが、かつては九州地方の標準語でした。これを広辞苑で見ると、「斧の小形のもの。和名抄」とあります。
 こうした生い立ちの言葉がいりまじって、豆板のようにさまざまな呼び方がでてきます。
 専門用語というのがありますが、これも考えてみれば、学のある専門家が書物、会議などの現場で使う現場用語でしよう。ファッション業界、コンピュータ業界で使われる用語はカッコいい現場用語ということでしょう。