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佐藤渡辺通信 No.62 カレンの悩み

 カレンはちょっとペースは落ちましたが、二週間に一度くらいはメールを寄越します。自分より一つ年上のアビーという女名前の車はさすがに、おくたびれで長の休みということになったようです。自動車業界のニュースでは日本の乗用車の平均使用年数は普通乗用で9年そこそこだったのが、長引く不況で昨年は10.97年になり7年連続で過去最高を更新したということですが、20年となると、マニアでもないとそこまでは乗らないでしょう。
 これには日本独特の車検制度があって、政策的に早く買い換えるようになっていますが、実際はもっと長持ちしそうです。CO2とかのことを考えると早く買い換える方がいいのか、排ガスをまき散らしながらでも長く使った方がトータルとしてはCO2削減になるのじゃないか、どうなのでしょう。車を作るときのCO2排出量はどのくらいなのでしょう? スクラップにするときもCO2は排出するでしょうし。

 で、カレンの悩みは車のことなのか? いや、そういうわけではありません。新車を月賦で買ったようです。今度の車の名前はギジェット Gidget:小さくて可愛い娘 です。そんな車なのでしょう。彼女は日本語を熱心に勉強しています。そんな中での日本語のあいまい表現の悩みです。日本人の友達が居て恵まれた環境で作文をやっていてのことです。彼女が書いた文章は、
「私は小さい女の子だった時、私はお兄さんにいつもついていきました。・・・彼は友達が居ましたから私と遊びたくなかったです。」
 日本人のクミヨが訂正して、『遊びたくなかった”みたい”です。』としたというわけです。「どうして?」と聞くと、「彼が貴女と遊びたくなかったなんてどうして分かるの?」 「どうしてって彼は遊んでくれなかったんだもん」 カレンには明らかなことだったというわけです。クミヨが言うには、「それは貴女の意見でしょ、だから”みたい”を入れるのがいいの。ほかの人について決めつけるのは良くないことよ」
 といった具合で あいまい表現に直されてしまうのです。クミヨはカレンの英語の表現についても、ちょっとブッキラボウじゃないと注意するのです。確かに『遊びたくなかったです』と言えば日本語としては不自然です。どうも日本語はあいまい表現が多いようです。特に ほかの人の感情に関することでは断言していうのは避けるようです。私も”ようです”というのをよく使いますが、これは自分の意見に対する自信の無さを表しているのかも知れません。”かも知れません”もそうです。
 また、カレンとしては「自分はアメリカ人のなかで決してぶしつけな方ではないし、どうしたら、日本語を話すときにも同じ人格で居れるのだろう?」というわけです。「誰だって、私が断言してもそれは私の意見であることはわかるじゃない?」と考えるわけです。これが日本語を学ぶについての彼女のフラストレーションの原因になっているようです。
 確かにアメリカ人の英語は意味は明確だけどブッキラボウという感じはあります。イギリス人の方が同じことをいうのにも、ちょっとやわらかい感じがします。イギリス人は不確かとか自信がない、あるいは相手の感情を慮るときには would beとか、should be、could be、might beとか、仮定形の if がない感じの表現をするようです。
 多分、口にはださない ifがあるのかな?と思います。 ていねい表現で I would like to ... 私はこうしたいんですけど というた表現がありますが、これには多分 if you do not mind 貴方がさしつかえなければ、という隠された if文があるのだろうと思います。そういった類の表現がイギリス人には多いような気がします。
 多分ですが、フランスにもあいまい表現は多いだろうと思います。しかもフランス人は同じことを言うのに何十もの表現方法を持っているのではないか、と思います。フランス語は技術論文でさえも極めて意味のとりにくい文章をつかいます。doncという単語は極めてよく使われますが、接続詞なのか副詞なのか、単なる調子づけの言葉なのか迷います。
 そしてまた多分ですが、アメリカと、日本・フランスなど、同じ民族が同じ場所に定住しているところでは他人との調和が極めて大事で、意見をいうにしても常に妥協の余地を残す、あるいは逃げ口を作っておく言い方をするのかな? それに対してアメリカ人は言葉も方言といった意味も含めて違う、いろんな国の人が集まって意志を通じようとする場合、意見を誤解のないよう正確に伝えることが何よりも重要で、あいまいな表現は極力さける必要があったのだろうと、思います。
 カレンには「気にするな!貴女は別に日本人になろうというわけではないと思うし、歴史を変えることはできないのだから! それにアメリカ人のブッキラボウな感じは言い換えれば”率直な感じ”とも言えて、アメリカ人が愛されるのは、それが大きい理由なのだから」と言っておきました。

佐藤渡辺サイトの近況
 先月の月間の画像を含まないページビューでのヒット数は512,024と6月からこっち下り坂です。建設用語小辞典がこれまで独占的地位を保っていたのが、競合サイトが現れたのか?と思っています。6月に特にアクセスが多かったのは調査をかけられて、辞典の項目を取り込まれたのかも知れません。まあ、これまで健闘してきたと言っていいでしょう。今現在、世界のドメイン名のコーナーで各国の歴史などに力を入れすぎて手を取られて辞典の方はメンテナンスがおろそかになっているのも原因でしょう。また頑張ります。
 「Alexa Web Search」の世界ランキングですが、昨日見たところでは先月の100,164位から84,145位と上がって、ついに10万位以内に入りました。こちらの記録とはあいませんが、Alexaツールバーを使っている人はこれまで主として英語圏だったのが、Windowsの Explorerには標準インストールが進んできて、日本でもかなり普及しているのかもしれません。だとすると、もう少し上がるかも知れません。

ブッシュさんとケリーさん
 ブッシュさんが勝ちましたね。これは、ある程度は予想していました。ブッシュさんは実にアメリカ的で、率直というか、馬鹿正直というか、あの人が口にだすことは、ほんとにあの人がそう思っている、ということは信頼できる感じがします。その、思っていることがこちらの気に入るかどうかは別にしてですが。嘘を言うにしても不器用で逃げ道のない言い方をします。
 そのあたりケリーさんは何となく、ほんとにそう思っているのか気になるところがありました。そのへんに世界をあげてのブッシュさんの不人気をひっくり返す原因があったのでしょう。まあ、アメリカ人は、あまり世界を見ていない、気にしていない、悪く言えば世界の田舎ものということもあるでしょう。

家の話

 コンピュータはディスプレイが壊れる前兆で調子がわるかったようです。先月号を発信して翌日にはまったく表示がでなくなりました。ネットで探して 19インチの中国製の液晶ディスプレイを5万円ちょっとで買って今は快調です。中国製とは書いてありませんでしたが、着いてみたらそうでした。まあ、今はどこの製品でも中身はどこだかわかりませんから。
 アサツキは今朝は霜で凍ったやつを採ってきてサラダに使いましたが、もう終わりです。先々週は、例の花を咲かせたゴボウ、種までできてほおっておいたら、何本か育ったのを掘り出してみたら結構たべられました。地面の 30 cmから下は固い土で、そこから枝分かれしてヘンテコにゴボウでしたが。茄子科の野菜はパプリカだけがなぜか元気で、今も青々と実をつけています。ほかのはみっともなく枯れてしまって処分しました。

今回のお知らせはこの程度です。
05/12/01発行  149部、前月と変わらず(増減はありましたが)

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