ここに紹介するのは、健常者から、ある日、身体障害者になられた方のメールです。45歳働き盛りの2児の父親の方で、バリアフリーへの訴えを、力もない私に訴えられても、なすすべもありませんが、何人かの力のある関係者の目にとまれば、と、原文のまま、掲載します。ふだんは、バリアフリー、バリアフリーといっても、障害者の方にだって、健常者への思いやりがあっていいのでは、と考えたりしていますが、みんなが明日は我が身であるということも事実です。そのときになって、どう考えるか一つの参考になるでしょう。

バリアフリー遅延環境も重要な環境問題に含まれるのでは!?

理学療法士 西沢 滋和


 地球温暖化問題、大気汚染問題、海中汚染問題、野生動物の絶滅危惧種の増加、治水問題など等人類の生死にかかわる自然環境破壊問題については、その事例を細かく列挙したら枚挙に暇が無いくらい存在しているのではないのでしょうか。
 唐突な意見ですが、私はこの中に「バリアフリー遅延問題」も自然環境破壊問題に含んでも良いのではないのかと考えます。その理由については以下にあると思いますので列挙してみました。

@ 人類の生死にかかわる自然破壊環境問題の根管は、継続的な過度なストレスがそこには関与しているのではないかと考えられます。生活環境に存在しているバリアーはそれに類似した性質を持っているのではないかと思っているからです。

A バリアフリー環境向上への感心を喚起するために、自然環境破壊問題に含めたらよいのではないかと考えます。バリアフリー整備環境はそれ程大切な環境だと思うのです。何故ならば、42歳の時自らが脳卒中で倒れ社会復帰させて頂く過程で痛切にその事を体験したからです。

B 高齢社会において、高齢者等の活力を生かしていこうとするならばバリアフリー環境の整備は必須ではないかと思います。さもないと高齢者は肢体不自由者と同様に転倒のリスクの高い身体機能の衰えが存在するため、転倒リスクの高いバリアーだらけの環境下に積極的に身を置こうと誰がするのでしょうか。そうなれば高齢社会において主人公である高齢者の活力などは利用するすべも無いのではないかと考えるからです。

C 健康維持回復には毎日運動を適度に行う事に効果が存在している事に誰も異論を唱える人はいないと思いますが、その適度な運動をする環境が身近に存在しないとしたならば適度な運動の励行を国が国民に奨励しても果たして現在のバリアーだらけの環境化でそれが実行可能になるのでしょうか。国民全ての健康増進は国家の活力維持向上の根幹をなしているものと思われますのでバリアフリー環境整備はとても大切な事と思うからです。

D バリアフリー環境の遅延はその必要性を痛切に感じていない人の心がそうさせているような気がしているので、心の扉を開いて頂くためにも感心の高い自然環境破壊問題のジャンルに含んだ方が良いのではないかと考えるからです。

以上5視点から「バリアフリー遅延問題」も自然環境破壊問題に含んでも良いのではないのかと思っています。
 開発国は世界的に見た貧富の差の現われは経済力の違いにあるのではないかと考えているようで、また経済力こそ人類に幸せをもたらすのではないかと考えているようで、その解消に「グローバル化」を旗印として積極的に自然破壊を助長しているように伺えます。
しかし私はそう思えませんし、自然を破壊しながら環境保護を行っている人類の滑稽で傲慢な行為に警鐘を鳴らしたいし、もっと世界的なバリアフリー環境の整備向上の方に目が向ける事の方が大切ではないのかと考えています。
 私は人類の全ての知恵や技術が全てバリアフリー環境整備向上のために費やされる事を願っています。何故ならば、その重要性は先に記載申し上げた5点に集約されますとおり、人類がどんな難局に遭遇しても、半永久的に存在しえる保障を担保する環境だと思うし、核の脅威からも目を背けるだけの効力もあるのではないかと考えるからです。
 人類は自然を破壊して自らの命を永らえようと考えず、自分の足元から自らの存在・命の尊さを振り返る事が大切な時期に来ているような思いがしています。